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飛行機発明前の紙飛行機の呼び方

飛行機が発明される前、紙飛行機は何と呼ばれていたのでしょう? 電話が発明される前の糸電話の呼称も気になります。 — 安眠練炭 (@aNmiNreNtaN) June 8, 2013 こんなツイートがRTで流れ […]

こんなツイートがRTで流れてきました。「飛行機が発明される前、紙飛行機は何と呼ばれていたのでしょう?」

考えたこともなかったですが、これ面白い疑問ですね。飛行機がなければ紙飛行機と呼ぶはずもないので、何かしら名前があったはず。

英語でいろいろ検索したのですが、なんとか見つけたのは、比較的質が良いといわれている英語のQアンドAサービスQuora。

# Quoraについては個人ブログの方でこんなことを書いたことがあります。よい回答も多いけども結局「質問分野による」というのが僕の結論 → クオラ(quora.com)ってすごいの? 世界を席捲するの? なんで日本ではスイカは野菜なの? | 秋元

Paper Plane: When were paper planes invented? (紙飛行機はいつ発明されましたか?) – Quora

David Coleさんが回答に辿り着くまでの経緯を詳しく説明してくれています。

Coleさんはまず、ギネス認定紙飛行機飛ばし世界一のKen Blackbumさんのサイトにある、紙飛行機の歴史というページを発見。古代中国の紙凧や18世紀後半フランスの紙気球は(「紙」で「飛ぶ」けれど)違うとして、1930年代に航空機の設計者が紙飛行機をプロトタイピングに使っていたという記録が、この世界チャンピオンの見つけた最も古い「紙飛行機」の記録だということです。

ライト兄弟の1903年の初飛行よりも前の文献を探そうとすると、「飛行機」「航空機」といった単語自体が存在しないことから、そもそも何を探せばわからず困った、ということですが、それでも、19世紀の複数の文献から、それらしい単語”paper dart”を発見します。

たとえば、1803年に発行されたイギリスのエッセイ The Looker-on では、「かつらにたくさんpaper dartを入れて運び、ハリネズミの背中のようになっていた」という一文。

しかし、この”paper dart”が本当に紙飛行機のことを指しているのか、dart(ダーツ)のような形の別のものを指しているのか? さらに探した結果見つけたのは、こちらの図が入った、1896年に発行された、スポーツと時間つぶしの方法を集めた本の一ページ。

paper-dart-1896

確かに、紙飛行機の折り方に、”paper dart”という説明がついています。

ということで、紙を折って飛ばす紙飛行機は、飛行機の発明以前の19世紀から存在し、それは「紙ダーツ」と呼ばれていた、ということがわかりました。

ところで、このあたりの文献、すべてGoogle Booksで探されてますね。Google Booksはすごいですね。たくさんの古い資料を読み取ってデジタル化/テキスト化し、どこからでも検索できるようにしてくれたことで、こういった調べものは飛躍的に楽になったのではと思います。

電話以前の糸電話

もう一つの、

「電話が発明される前の糸電話の呼称も気になります。」

こっちの方も気になったので、多少英語で検索してみたのですが、僕のスキルでは見つかりませんでした。

それでは、と、上と同じQuoraでも質問してみたのですが、まったく答えが集まりません。ポイント使って識者を指名することはできるのですが、候補で出てくる「電話の専門家」とかに聞いても答えがくる気がしないですね。

「飛行機発明前の紙飛行機の呼び方」への27件の返信

ああ、電話の前に電信ですね。電話という概念が無いわけですし、どちらかというとより古くからある方と似た名前だった可能性はありますね。

「phone」はギリシャ語が語源の「音」という意味の言葉として、昔からあったんじゃなかったでしょうか

ギリシャ語の話は知りませんでしたが、音という意味のphoneという単語が存在したことと、遠くに音を伝える道具を電話以前にphoneと言ったかどうかは、わからないのではないでしょうか?

遠くはteleの方と理解してました。すみません、いずれにせよ知りたい情報ではないですかね。

さっきtin can telephoneって書いた者です.1667年にロバートフックが原理を見つけた後,19世紀まで遊ぶ人はいなかったんじゃないでしょうか.だから名前がないんじゃないかと.1879年にacoustic speaking telephoneという名前でHolcombという人が糸電話の原理で特許を出してるのを見つけました.
http://library.duke.edu/digitalcollections/broadsides_bdsoh012316/
The concise Oxford dictionary of current English (1919)にやっとphoneの項目があるから,19世紀後半の辞書にまだ乗らない時期におもちゃとして普及したんじゃないですかね
http://archive.org/details/con00ciseoxforddicfowlrich

ミクログラフィア(1665年 http://www.gutenberg.org/files/15491/15491-h/15491-h.htm )は、ロバート・フックが原理を見つけたのか、「引っ張った針金を使えば音をとても高速に遠くへ、針金がまっすぐな時だけでなく曲がっていたとしても、伝えられる」という認識が最初に書かれた本だというだけなのか。どうなんでしょうね。↓のへん。

“I have, by the help of a distended wire, propagated the sound to a very considerable distance in an instant, or with as seemingly quick a motion as that of light, at least, incomparably swifter then that, which at the same time was propagated through the Air; and this not only in a straight line, or direct, but in one bended in many angles.”

日本語で検索すると、もともと金属棒で伝えていたのが、子供の教育のために糸に変えて広がった、みたいな話もあり、「糸」電話が電話の前からあったのかどうかもちょっとわからなくなりますね。

これもまだはっきりしませんが、糸電話の前に糸伝話と呼ばれていた、説や、糸伝話説は自分が作った冗談だった、みたいなことを書いている人もいます。

「紙ダーツ」のように直接触れている文献が見つけられるといいんですけど。

伝声管には”speaking tube”, 規模が大きなものだと”voicepipe”という名称が存在していたようです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Speaking_tube
「これらはtelephoneによって時代遅れとなった」ともあります。

Google Docsでは、例えば、「アメリカの新発明speaking telephoneは、従来のspeaking tubeがずっと長距離届くようなものだ」という1878年の英語の本が見つかりました。
http://books.google.co.jp/books?id=Fdpuup7RSrUC&pg=PA5&dq=speaking+tube&hl=ja&sa=X&ei=rkXaUbOCGI7VkQWhoYHoDA&ved=0CIoBEOgBMAs#v=onepage&q=speaking%20tube&f=false

また、その項目から知ったのですが、メガホン(megaphone)はエジソンが1878年に作った拡声器につけられた名前だそうです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Megaphone

リンク先の文章の注にある「フェルンスプレヒャー」(Fernsprecher)は現在はドイツ語のtelephone相当の単語ではあるようですが、その意味はfar+speakerで、1870年代に英語のtelephoneに対して(自国語で郵便や通信に関する用語を使うべきであるという考えで)ドイツの郵政大臣Heinrich von Stephanがつけたドイツ名だということです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Heinrich_von_Stephan

ドイツ人のスフ、が誰か、また発明家ジョン・タイラー、についてはわかりませんでした。アメリカ第10代大統領がジョン・タイラーですが、1790年生まれであり、伝声管にtelephoneと名づけた、というような話は見つかりません。

そこから先を追えるような文献が示されていないのであれば、日本語のwebページに何か書いてあっても証拠にはならないのではと思うのですがどうでしょうか。

『紙を折って飛ばす紙飛行機は、飛行機の発明以前の19世紀から存在し、それは「紙ダーツ」と呼ばれていた。』

朝ドラの主題歌を聴きながら
飛行機の登場以前に紙飛行機は何とよばれていたか?
というサイトを思い出した… https://t.co/qDl17q9J8Z

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