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インターネットのどのページ間も19クリック以下で辿ることができるという研究成果が発表される

ネットワーク科学者のアルバート・ラズロ・バラバシ教授(ルーマニア生まれのハンガリー人)が18日に発表した論文によると、ウェブ上のあるページAから別のページBへは、どんなに遠くても19個のリンクを辿ればつながる経路があるのだそうです。

彼によれば、現在のウェブ上にはおおむね1兆個の文書があり、(ページ数が全部で140億ページだという別の推計と、)それらの中でもっとも遠いノードの間でも、せいぜい19クリックで辿りつくことができてしまいます。

あるネットワーク内でのノード間の最短距離については、6次の隔たりというのがよく持ち出されます。知り合いを6人辿れば世界の誰にでもつながる、というやつですね。6というのは最初に言い出した時の数で、マイクロソフトやミクシィFacebookなどが自社サービスのデータを使って実際に最短の仲介数はいくつなのか検証しようとしたりもしています。。

ハリウッドの役者の共演関係が非常に少ないリンクで辿れてしまうというケビン・ベーコン数では、いろんな映画に出るケビン・ベーコンがハブとなって無関係の俳優をつなげてしまうわけですが、インターネットの構造でこのケビン・ベーコンのような働きをするのは、検索エンジン・リンク集・まとめページなどです。

また、1兆個の一部分を、たとえば国単位とかで、切り出してそのネットワークを見ても、最も遠いものがせいぜい19クリックというのは変わらないのだそうです。全体のサイズの大小に関わらず、19ぐらいという数字が最長の経路となるのだと。これが本当だとすると、インターネット全体のサイズが今後もっと大きくなっても、二点間のリンクはせいぜいで19で変わらないということになりますね。

via Any Two Pages on the Web Are Connected By 19 Clicks or Less | Surprising Science

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フェイスブックがスーパーボウルに向けてNFLファンの分布を解析

Facebookのデータ科学チームが、来週のスーパーボウルを前に、Facebook上でのアメリカンフットボールのプロリーグNFLのファン活動のデータを解析した結果を発表しています。

アメリカ合衆国のフェイスブックユーザーのうち実に3500万人(全人口の1/10以上)が、32個のNFLチームのFacebookページのどれかにイイネ!をしているということで、フットボールはアメリカ人にとっての国民的スポーツといっていいでしょう。

チームが勝っている時やプレーオフに進出している時は、通常よりもイイネ!の増え方が速い、ということで、それを除外した上でどの州・郡の人がどのチームを一番イイネ!しているか、という地図がこちら。

nfl-fans-on-facebook

アメリカのプロスポーツはどれもそうですが、それぞれのチームの根拠地(フランチャイズ)周辺では、そのチームのファンになって応援する人が多い、というのが現れていますね。

とは言っても、読売とかヤンキースみたいに全国的な人気の球団というのもあって、チームが無い州とかでは、ハワイのPIT(ピッツバーグ)とか、アラスカのGB(グリーンベイ)とか、あらゆる過疎地に現れるDAL(ダラス)などが人気を得ているようです。

Facebookはまた、プレーオフの進展にあわせて、勝ち残ったチームだけを残してプロットしたらどうなるか、という地図を見せてくれています。人気面からは、サンフランシスコ対ニューイングランド(ボルチモアに敗退)のスーパーボウルを期待してた地域が多かったと読むこともできるかと。

また、Facebookらしいソーシャルグラフ(友人関係)のデータを使った面白い分析も。あるチームのファンは、(同じチームのファン、というケースを除いて)どの他チームのファンの友達が多いか、というチャートです。

nfl-common-fan-friends

SF-OAK, NYJ-NYG, CHI-GBなど、フランチャイズが近かったりライバル関係があったりというチームのファンが、友人には多い、というのは自然ですね。また、STL, KCなどは、「どのチームのファンの友達としても少数(=上位5位に入ってこない)」という、孤立傾向があるのだとか。

大量の嗜好データを持つフェイスブックならではの分析記事ですね。日本のプロ野球でも計算してくれると、きっと面白い特徴が浮かび上がってくるのではないかと思うのですが。

via NFL fans on Facebook, based on likes

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slitscanner.js – 動画をスリットスキャンして一枚の画像に収めるライブラリ/ブックマークレット

「スリットスキャン」とは、こちらで解説されていますが、時間軸のある動画などを、フレームを動画上の場所ごとにずらすことで作られる特殊な映像効果、のようです。

アナログの時代はカメラの前に置いたスリットを動かすことで、デジタルになってからは動画編集ソフトで、こういった効果をつけているそうです。

プロが人の手で編集を加えれば、独特の不思議な映像はもちろんできるのですが、VimeoやYouTubeなどの動画サービスで再生している動画を、ブラウザ上でそのままスリットスキャンしてしまおう、というのがSha Hwangさんによるslitscanner.js。HTML5のビデオプレイヤーで再生できる動画をスリットスキャンで一枚の画像にまとめてくれるライブラリ(とライブラリを使ったブックマークレット)です。

上記ライブラリページのブックマークレットをブックマークしておいて、Vimeoで適当な動画を開き、右下の”Switch to HTML5 Player”で(Flashプレイヤーではなく)HTML5プレイヤーを使うようにしてから、ブックマークレットを実行すると、動画の再生にあわせてスリットスキャンした画像が作られていきます。

上の動画から作ってみたスリットスキャン画像がこれ。

slitscanned-56902953

フレームを取り込む間隔はスライダーで調整できますので、多少は編集的なこともできるかと。

もう一つためしてみました。

slitscan-57463725

動きの早い動画だと細切れになりすぎて、よくわからない画像ができてしまいますね。Vimeoだけじゃなく、HTML5プレイヤーを使っていればYouTubeなどでも使えるのですが、YouTubeの場合は広告がFlash Playerで再生されるので面倒なことがあるとか。

うまくはまれば、長時間動画の雰囲気や盛り上がっているポイントを見つけるのに役立つかもしれません。

ブラウザで再生されている動画を、手元で加工することで面白くしたり発見したり、ということも、いろいろ出てくるのかもしれないですね。

via Slitscanning online videos

関連

マウスで操作出来るスリットスキャン – Flashで作られた、スリットスキャンを体験できるアプリ。横方向の動きがある動画と使うことで、ずらす感覚が簡単にわかるようになっています。