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イギリス中の自転車事故などを地図上で一望できるwebサービス

Bikedata は、イギリスにおける自転車に関するデータを地図上にプロットした、インタラクティブな情報地図です。

この画面では、道路のどの場所で自転車事故が発生したことがあるか、が、ピンクのマーカーで示されています。

通勤やツーリングの計画を立てる時に、事故が頻発するところを知って避ける、といった使い方もできるでしょうね。スマートフォンアプリなどで、事故の多い場所に近づいたら注意をうながす、みたいなものを作ったりもできるかもしれません。

サイトでは、事故の他にも、交通量、自転車の盗難、駐輪場、サイクルレーンの写真、など、様々な自転車に関するデータを表示することができます。

さらに、このサイトのソースはGPLv3 で公開されています。

元データは国によるもの

イギリス政府のデータ公開サイトに、道路の安全データ(Rode Safety Data)というのがあり、ここではSTATS19 という書類で報告された2005年から2014年までの事故のデータが公開されているようです。

100Mぐらいあるデータを見てみたら、こんな感じで緯度経度や日時、事故の状況を表すフラグを持つレコードが大量にあるCSVファイルでした。

こういったデータが公にされているのはいいですね。このデータを API 化して自転車事故について Cyclestreets.net が提供し、それを Google Maps APIなどを使って可視化したのが今回のサービス、ということになります。

via Maps Mania

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「個人デイトレーダーの8割は赤字」 取引情報共有サイトのデータを解析した人の話

eToro というヨーロッパの株取引サービスは、「ソーシャル・トレーディング」サービスです。ユーザーが取引情報を公開・共有できるようになっていて、さらに他のユーザーの取引を「コピーする」ことができるそうです。うまい成績を上げている人の取引をコピーすることで自分も儲けられる(かもしれない)、というのがウリなんでしょうね。

多くのユーザーの取引の結果が公開されていることから、ブログCuriousGnuの中の人は、「では平均的なユーザーはデイトレードで儲かっているんだろうか?」と思い、データを集めてその平均を調べました。eToroでデータを公開していたユーザーは83300人。それをヒストグラムにしたものが以下です。

etoro-shared-trading-average-histogram

横軸の0のところがプラスマイナス0、トントンですね。この時のデータでは、79.5%のユーザーがマイナスとなり、中央値の人で36.3%のお金を失っていたということです。

これでデイトレードのリスクが高い、と言うにはいろいろと突っ込みどころもあります。たとえば以下のようなもの。

  • eToroのユーザー (デイトレードの下手なユーザーが集まるサイトだったかも)
  • 自分の取引を公開共有するようなユーザー (上手いユーザーは共有しないのかも)
  • ある過去12か月間のデータ (たまたまデイトレードの人に不利な環境の続いた12か月だったかも)
  • 3回以上取引した人をデイトレーダーとしている (デイトレーダーの定義に必ずしもあわない)

株の売買をどんどんやってほしいサービス側はこんなデータを出さないでしょうから、見える範囲のデータでできることを調べるとすればこれぐらいが限度なのかもしれません。

via Hacker News

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ShootingTracker.com – アメリカの乱射事件データベース

ShootingTracker.com (射撃追跡.com)は、アメリカにおける大量射殺事件のデータベース(DB)です。

2013年からの銃を使った乱射事件のデータが、ネットユーザーからの報告ベースでまとめられています。

shootingtracker.com

巨大掲示板redditの中の「GunsAreCool(銃は素晴らしい)」という、名前からして明らかに活発な論争を巻き起こしているテーマコミュニティ(subreddit) の中で、提唱されてまとめられているこのデータは、「世界でただ一つのクラウドソース型銃乱射事件追跡サイト(the world’s only crowd sourced mass shooting tracker)」として、各メディアでも取り上げられているということです。

ニュースなどで報じられた銃による乱射や大量殺人事件を、ウェブのフォームやtwitterで知らせてもらい、それをまとめることで網羅的なデータベースができ、それを逆に参照して記事に使うメディアも出てきています。

そもそものDB化の動機は、メディアがよく使う”Mass Shooting”(大量射撃)という用語の定義がはっきりしないことにあったようです。

古いFBIの”Mass Murder”(大量殺人)の定義は、「一度の事件で4人以上を殺すこと」。この定義を銃での”Mass Shooting”にも援用するなら、途中に間隔を置いての4人以上の銃撃殺人や、実際に2012年に起きた18人に乱射したけれど死亡者は1人だった事件は、「大量射撃」ではない。ということにもなります。

DBの管理者はまた、アメリカでの大量銃撃事件のメディアでの報道は「十分でない」と考えているようです。メディア側には、報道することで真似をして同種の事件が増えるという主張もあるようなのですが。

このデータを実際に使って、ワシントンポストがインタラクティブな可視化ツールを公開しています。

mass-shootings-visualized-by-washington-post

あなたの考える”Mass Shooting”が、m人以上の死亡者とn人以上の負傷者なら「大量だ」と思うのであれば、それをこのフォームで選ぶと、2015年に発生した条件にあう乱射事件が、その件数とともにリストされます。

FBI式であれば、2015年にはこれまでで40件の”mass shooting”が起こっていた、ということになりますね。どんな定義で数えても、日本では考えられない件数ではありますが。

このようなまとめデータは、実際に起こっている問題の規模や、それがメディアや政治等で過剰・過小に扱われたりしていないかをチェックするためにも有用なように思います。