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IKEAの1950年からの毎年のカタログが見られる公式アーカイブ

昨年末に紙のカタログを廃止することを発表し、2021年度版が紙としては最後のカタログ発行になったイケアですが、1950年代からの毎年のカタログ(スウェーデン版)をデジタル化して公開しています。

紙カタログ廃止のリリースでは1951年が最初とありましたが、アーカイブは1950年から始まっていますね。

1950年のカタログでは、食器やカバン、ネックレスやネクタイなど雑多なものを売っていて、後半が家具になっていますね。

こちらは1989年のカタログから。家具を置いた部屋全体を見せるのは今のカタログでも見ますね。

暦年のカタログが全部見られるというのは、インテリアの流行や人気の家具の変遷などを追えるということで、資料としても面白いですよね。70年分ですから。

Hacker News のスレッドでは、「スウェーデンでは郵便受けに『広告不要! ただしイケアのカタログは除く』というステッカーが良く貼られていた」という証言が出ていて、ステッカーの画像も紹介されていました。

ingen reklam tak! Men garna IKEA Katalogen. (広告はご遠慮ください! IKEAカタログ以外)

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写真素材の黒人の顔だけを白人に挿げ替えることは問題か?

米パナソニックがネックスピーカー SoundSlayer の宣伝に使った画像について、人種問題を挙げているThe Verge の記事を読みました。

Panasonic neck speaker guy
Panasonic neck speaker ad

このビデオゲームでエキサイトしている白人男性の宣伝画像がGetty Images の「ビデオゲームをプレイする」画像を加工して作られたものではないかと。実際、EXIFデータにも「ピザを食べビールを飲みビデオゲームで遊ぶ若いアフリカ系アメリカ人」と合ったそうなのでそうだろうとは思います。

The Vergeで問題にしているのは、写真の加工が「宣伝したいネックスピーカーを付け加え」るだけでなく「顔を白人男性に差し替え」ているところです。首や手の肌についても顔と合わせるために変化させているのかもしれません。

twitter の反応では、元の黒人男性の顔の表情が宣伝の目的と合わなかったから挿げ替えをしたのであって、人種差別的な意味はないだろう、というものもあります。うまく合いそうな他の黒人男性の写真が見つからず、デザイナーがあるものでなんとかしようとしただけかもしれません。

記事ではマイクロソフトが2009年に会議の写真素材中の黒人男性を白人男性に差し替えて問題になった件(英ガーディアン)を類似の失敗例として挙げていて、そちらは確かに何でそんなことをしたのか、という差し替えなのですが、今回の件は差別の意図が有ったとは言えないのではないかと。意図の有無ではなくそう見る人がいるかどうかなのかもしれませんけど。

記事の記者からの連絡を受けた米パナソニックでは、今回の宣伝画像から人物を含む画像を削除したそうです。

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Clubhouse.io が Shortcut へ改名。サービス名被りで

フリーミアムのコラボレーションサービス Clubhouse が、9月からサービス名を Shortcut に変更するというアナウンスを出しました。

  • (旧) clubhouse.io
  • (新) shortcut.com

多くのみなさんにとって、理由は明白だと思われるでしょう。オーディオアプリの Clubhouse があまりに速く巨大になってしまったため、その人気に向き合いながら我々のブランドを永遠に維持し続けることに希望が持てなくなりました。

For many of you, the reason for this is probably pretty obvious. The Clubhouse Audio App became so big so fast that we couldn’t possibly hope to forever maintain our own brand standing in the face of their popularity.

気の毒ではありますね。Clubhouse.io を運営する Clubhouseソフトウェアは2014年の創業、2016年のサービス公開から数えても5年目のサービスとなります。

その次に、なぜ新しいサービス名を Shortcut としたか、について3つの理由を述べていますが、そこは興味のある方は原文にあたってください。

続いて、大成功しているサービスの名称、アップルやフェイスブックなどなどを挙げて、「大成功したサービスだからといってその名前自体は特に良くも悪くもないよね?」と言っています。

「もしアップルの社名がブラックベリーで、ブラックベリーの社名がアップルだったとしても、ブラックベリーが世界で最も儲かる会社になっているだろうか? ブラックベリーTV はやっぱり(オリジナル番組で評価が高い)クールなサービスのままなんじゃないか?」

Shortcut という新しい名前が最高でもパーフェクトでもなくても、サービスが成功すればよい名前になるし、サービスを成功させるのは名前それ自体ではなく我々だ、と締めています。

多産多死のスタートアップの多くは大枚はたいて多数の商標を抱えたりはしないことが多いと思います。その結果今回のような不運も発生してしまいますが、名前の心配ばかりしてサービスが飛翔しないよりは前向きなのかなと思いますね。