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バグ

And. を5回続けて書くと Google Docs が落ちるバグが見つかる

Google Docs の公式サポートフォーラムで、不思議で面白い(中の人にとってはたいへんかもしれません)バグが報告されています。

“And. “を5回続けて書くことで、Google Docs で編集中のページがクラッシュしてしまうというのです。

Google Docs サポートフォーラムより、再現されたエラーのスクリーンショット

Chrome, Firefox で再現したというコメントがあるので自分も試してみたのですが、どうしても再現しません。今朝4時頃(日本時間で)のレポートに対して6時頃には Google の人が確認し修正中だと回答しているので、もう直っているのか、何か条件が違うのか。Google アカウントの言語は英語にして試しているのですが。

より詳細な再現手順は、”And. And. And. And. And.”と書き、改行してからページのリロード、ということ。”and. ” と A を小文字にしてはダメで、ピリオドの後にはスペースを入れないといけないそう。

また、”But. “5回でも起こるそうですが、だからといって大文字で始まるどんな英単語でも起こるというわけではないということ。

Hacker Newsのコメントでは、Also, Therefore, And, Anyway, But, Who, Why, Besides, However などの英単語を使っても再現したそう。

特定の英単語でしか発生しないことから、英語に関する機能、つまりスペルチェッカ―が原因ではないか、という話が出てきています。実際、And. And. を打った時点でスペルチェックの青波線が出ていますね。メニューから Tools の Grammar suggestion をオフにするとクラッシュしなくなるという話も。(自分で再現できていないのでもどかしいです。)

via Hacker News

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技術

初回で当てる。Wordle必勝法? on Kaggle

英単語当てクイズゲーム Wordle のブームは、プログラマ中心に止むことなく、様々なバリエーションの Wordle クローンパロディ最善手を求める解析やソルバーなどが毎日のように発表されています。

今回出てきたのは「Wordle を初手で解く」方法

ゲームの性質上、とんでもない偶然でもなければ初手で解けるはずはありません。つまり何かしらズルをしているのです。

Wordle の棋譜(途中経過)は⬛🟨🟩のブロックを使って表され、解いた後にツイッターで自分の結果を共有することができます。というか、このSNSでの共有機能こそが Wordle の大ブームを起こしたわけです。

この共有棋譜は、もちろんアルファベットの情報は載せず、試行錯誤の跡だけが見えるようになっています。

しかし、多くの人が試行錯誤した経路の情報が十分多くあれば、そこから正答を推測できるのではないか、というのがこのプロジェクトの考え方。

結果報告は上から下に向けて🟩(アルファベットの場所も種類も合致)、🟨(アルファベットの存在は合うが位置が違う)、⬛(外れ)が少なくなるのが普通です。一番下の段は正解なので🟩🟩🟩🟩🟩になります。

正解の一つ前の段は🟩や🟨多めになっているわけですが、どの段もWordle が扱う5文字の英単語ではあるはずです。

あらかじめソルバーをぶん回して得ておいた、間違った単語から正解の単語へたどり着く際に良く起こる単語→単語の現れる割合のデータを元に、⬛🟨🟩のパターンに当てはまりそうな英単語を探すことで、いろいろな人がツイッターで発表した⬛🟨🟩の形の分布だけから、その日の正解の単語を当てることができるということです。

ログではこのプロジェクトを始めた第210回からの予想が出ていますが、14回連続で一発で正答を当てていますね。

「正答は隠すけれど苦闘の過程はみんなに共有したい」という仕組みに対し、「隠されたものを大量に集めれば傾向から全体の答えがわかる」という過程が面白いですね。

ウェブ上にはWordleの正答だけでなく色々な「ぼかして書いた」情報が流れていると思いますが、こんな考え方を適用することでぼかされていたものをプログラムでひそかに当てる、ということもできそうです。

via Hacker News

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バグ

Apple製品でだけ違う表示にできる PNG ファイル

PNG Parser Differential では、Apple のデバイスでだけ異なって表示される不思議な PNG ファイルが公開されています。

Windows + Chrome で見た同ページ

iPad + Safari で見た全く同じページ (Chrome でも同じ)

PNG の表示結果がまったく違い、”Hello World” が “Hello Apple” になっています。不思議ですね。

デビット・ブキャナン氏(David Buchanan)は、マルチスレッド対応のPNGデコーダを自作しようとしている時に、自分が作りこんだバグに気づいたということ。それは、一つのPNGファイルを分割してそれぞれを個別にzlibでデコードしたものを単純に結合しても、必ずしも元の画像に戻らないことに起因するバグだでした。リンク先には PoC のコードがあります。

もし分割の前半部分が非圧縮ブロックの途中であった場合に、単純結合では本来の画像が復元されないという問題が起こるそうなのですが、そうすると PNG を小分けにしてデコードしようとしない限りこのバグを作りこむことはなさそうです。

そして、この問題をさらに調べたブキャナン氏は Apple のデコーダーにも同じバグがあるらしいと気づいたわけですね。Apple のデコーダはマルチスレッドで PNG データを分割デコードしているようです。おそらくパフォーマンスを稼ぐため。そこには iDOT というApple 独自のチャンクタイプも絡んでくるらしいのですが、とにかく、前記のような条件を満たす PNG を人工的に作ることで、Apple デバイス上のレンダリングでは違う解釈をさせることができるというのが、冒頭の不思議な PNG ファイルというわけです。

そのうち修正されるのだろうとは思いますが、これまでもバグを指摘していた人たちはいるようです。このバグをわざと使って何かする人とかでてきますかね。

via Hacker News