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vocalboost – ブラウザに表示された文章から穴埋め問題を作る拡張

VocabBoostは、外国語の語彙を増やす訓練を作れるブラウザ拡張です。

Chrome や Firefox で拡張をインストールしたあと、適当な文章をブラウザで開き、選択から右クリックで Vocabboost を呼び出すと、文章が以下のような穴埋めになります。穴埋めの穴は、完全ランダムで作られるモードと、穴少な目のモードを選ぶことが可能です。

穴埋めに単語を入れて、拡張のメニューの”Check answers”を押すと、埋めた所についての正誤を判定してくれます。正しければ緑になり、間違っていれば枠が赤になります。

ただ穴空きだらけになった文章から欠けた単語を探すのは、母国語であっても難易度が高いかと思います。そんな時はメニューの”Show options”を押すと、抜かれた単語の一覧が出るので、だいぶ推測しやすくなります。あまりに長い文章を対象にしない限りは。候補を出した場合は、タイプだけでなくドラッグ&ドロップでも埋めることができます。

この拡張の作者は、この方法でドイツ語を勉強してドイツ語検定のC1 に合格したそうです。

公開されたばかりで、ベータ版では無料利用ということですが、ゆくゆくは有料プラグインとする計画があるようです。

インターネット上に文章はいくらでもあるわけで、この方式であれば問題はいくらでも手に入ることになりますね。

日本語でも試してみましたが、日本語では動きませんでした。たぶん空白文字で区切って単語としているのでしょう。

via Hacker News

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「ヒアラブル (hearable)」は英語か?

「目指すのは次世代ヒアラブル」というタイトルの記事を見て「ヒアラブルって何だっけ?」となりました。

本文で「ヒアラブル・デバイス」が「音を聞くための道具」みたいな意味で使われているようなので、hear + able で “hearable” ということですね。それって audible じゃないの、と思い、ちょっと調べることにしました。

まず、手元のFirefox のスペルチェッカは hearable を弾きます。

Google検索でヒット数を調べると、

  • ”hearable device” – 約3240件
  • ”audible device” – 約94000件

1ページ目には NEC の英語リリースとかも出てくるので、日本語がオリジナルな資料もこの中には多いかもしれません。

ある文字列が英語の一般的な単語かどうかを調べる時、Scrabble用の辞書を引くという手があります。英単語を作って点数を競うゲーム Scrabble では、審判のために使える英単語が決まっているので、まあ英語の単語だろう、と認められるかどうかの一つの指針になります。

ありますね。

英単語ではあるし、言われれば何のことか意味もわかるけど、ほとんど使われない、ということでいいのかと思います。

ただ、英語メディアの記事で使っているものもありました。こちらの例だと、元のニュースリリースが hearable を使っているので参照しているニュースもそちらを使っているようです。英語メディアの記事のすべてを英語ネイティブが書いているわけでもないというのもあります。

ニュースに取り上げてもらいたい企業等が、audible と別の言葉をわざと使って新しいジャンルのように見せようとしている可能性もあります。このジャンルの調査をする時は、”audible”, “hearable” 両方で検索した方がよさそうです。

なお、聴覚以外の英単語についても同様に「正しいけど聞きなれない英単語」「普通は使わないけど見ればわかる英単語」の二組あるものが多いようです。(参考: ‘Hearable’ vs. ‘audible’ in English)

(たぶん)元からある (たぶん)後でできた
聴覚 audible hearable
視覚 visible seeable
嗅覚 olfactible (*) smellable (*)
味覚 edible / gustable tastable
触覚 tangible touchable

右側は、要は一番よく使われる動詞に able をつけたものですね。機械的に作れるしわかりやすいですが、元々左側の正しい単語が存在するが、それを知らなかったり思い出さなかったりする人が使っているということでしょうか。

olfactible / smellable は、どちらもScrabble辞書で出てきませんでした。辞書によっては一方あるいは両方とも載ってないこともあり、そもそも「嗅げる」というのを一単語で表したいという場面が非常に少ないのかもしれません。

また、touchable は tangible に比べるとあまり自然な英語では使われないようですが、それを否定する “untouchable” は一般的だし理解される単語というのも面白いです。

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アメリカ各州で最もスペルが間違われる英単語 – beautiful や Supercalifragilisticexpialidocious

グーグル検索の検索動向統計を提供する Google Trends が、「これどう綴るんだっけ?」と検索された英単語を、アメリカの各州ごとにまとめています。

グーグルで検索されるから間違う、というのは必ずしも言えないと思いますが、英語ネイティブであっても自信が無い英単語が良く検索されるであろうことも本当でしょう。

beautiful, resume, schedule, sincerely, canceled などが、二つ以上の州でトップに立った、スペルが難しい英単語、ということのようです。

Supercalifragilisticexpialidocious とは?

さて、その中で気になったのが、テキサス州など6つの州でトップの Supercalifragilisticexpialidocious

辞書を引くと「とても素晴らしい」という意味らしいです。とにかく長いということが特徴の単語。映画「メリーポピンズ」(1964)中の楽曲から一般化した単語だそうで。

映画の歌から一般化した単語で、これだけ検索されるということは、使われているんですね。

Google Trendsチームは2017年も同じようにツイッターで発表しています。

2017年には Supercalifragilisticexpialidocious が2つの州でしかトップではないので、この単語の人気が上がったりしてるのでしょうか。

via Spelling Bee 2018: How to spell most misspelled words in America