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Web リミックスの依存度とリスク

del.icio.us の populicio.us 遮断と Web2.0 リミックスの限界
で書いたあと、フォローを忘れていたが、del.icio.us でブックマークされた中から人気のある URL を抽出して見せてくれるサービス populicio.us は、そのあと数日のうちに復活していた。

del.icio.us の新しいページ内容に追従してデータを取るように、populicio.us の作者ががんばったのだろう。

わざとじゃないにせよ、del.icio.us が派生サービスの populicio.us を邪魔しているのは残念、という話もあったが、これに対して、オバサンジョなどが「ページは API ではない(ページ内容をスクレープしてデータを取るのはリミックスではない)」と反論していた。

まあそれはそうだ。API はプログラムに対して公開されたインタフェースで、仕様変更や停止があれば予告がほしいし、できれば後方互換性も保ってほしい。ウェブページは人間様が目で読むためだから、デザイン変更は読者のためで、それでロボットが動かなくなったとしても保証しきれるものではない。

今回の騒動は、del.icio.us がちょうど populicio.us のような機能を追加したのと同時に起こったために、del.icio.us 側が意図的な遮断を憶測されたもので、通常なら非難されることもなかっただろう。

さて、API 公開には責任があり、ページデザインには無いとすると、その中間にあるマイクロフォーマットはどうだろう? hReview などのマイクロフォーマットをサポートするように、ウェブサイトや CMS が対応していたとして、とうぜん、それらを収集しにきて再利用する他サービスが登場することになる。

一旦マイクロフォーマットに対応したら、途中でそれを停止したり、別のマイクロフォーマットに乗り換えたりすると、サイトによっては影響が大きいかもしれない。この場合は、ページの変更ではあるが、やはり API と同様の配慮が期待されるだろう。

API, マイクロフォーマット、スクレイピングについて、リミックスする側は、なるべく保証されたインタフェースを使うようにしなければならないし、そのインタフェースの変更がどれぐらい保証されているのか、もし記述があるなら確認し、データが取れなくなったときにどうするか、も設計しておくべきだ。

コンテンツ提供側としては、インタフェースの変更情報を RSS で通知し、利害関係者に購読してもらう、というのがいいのかもしれない。

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Google のタグ機能

Insider Google の Google Adds Tagging が教えてくれた。 Google パーソナライズ検索にタグ機能がついた。

Google Personalized Search や A9 などの、検索履歴を覚えてくれるサービスは、あまり使っていないんだが、ベータ版のページへいってみる。

ウェブの検索でページを検索し、検索結果で表示されたページに行くと、検索履歴に Google 経由で飛んだ URL が記録されていく。この各履歴に、gmail や Google Reader でおなじみの 星マークがついている。これをチェックすると、その検索結果を注目したことになり、同時に “Edit” というリンクが現れる。

この Edit を押すと、この URL についてカンマ区切りでタグを設定できるようになる。設定したタグは左ペインに分類表示される。

また、Edit でタグを書くとき、すでにつけたタグがあれば入力補完もしてくれるようだ。

これまでも検索履歴を使っていた人であれば、ブックマーク機能が追加された、といっていいが、検索履歴機能自体がベータ版で、まだあまり使われていないのではと思うため、これがただちに他のブックマーク系サービスの脅威になるとは思えない。

が、検索に加え、gmail, RSS Reader などパーソナライズされたサービスがどんどん増えてきて、これらを使っていけば Google の提供するサービスの中に滞留している時間は長くなっていくだろう。Google Maps で見せたようなやりすぎともいえるインタフェースの洗練化をしてベータを外してきたら、「どれか一つ」で売っているサービス、たとえば del.icio.us なんかだが、が苦しい立場に追い込まれることもあるのかもしれない。

最近読んだ ヤフーCEO:「グーグルもポータルらしくなってきた」 を思い出したが、パーソナライズには慎重だった Google が、パーソナライズサービスを加速化しているのは間違いない。

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日本一影響力のあるブログって?

Bloglines 社の購読者統計情報の一部が Web2.0 カンファレンスで披露されたらしい。

1800万といわれる世界中のブログに対して、Bloglines で一人でも購読している、つまり「誰かが読んでいる」ブログは 1,356,081 ブログ。9割超のブログは誰にも読まれてないことになる。

20人以上に購読されているブログの数は、世界で 36,930 個。2ヶ月前からはじめたこのサイボウズ研究所プログラマーブログも、おかげさまで現在 42 購読者。なんとかこのカテゴリに入ることができた。

とても有名で、1000人以上が購読しているブログとなると、その数は一気に減って 437 個。この 437 個のブログの書き手は、ひとつエントリを書くごとに 1000 人以上に物事を伝える力があることになるわだ。

ブログの数と RSS の数をごっちゃにしてる(ブログじゃなくても RSS は発行している。まだほとんどはブログによるものだと思うが)、とか、Bloglines で読んでなければ誰も読んでないことになるんかい、といった突っ込みはありそうだが。まあ、そこは Bloglines による発表資料なので。

Bloglines で 1000 人読んでいるなら、Bloglines の日本でのシェアが 25% に近い、という情報とあわせて、日本のブログなら 4000 人が RSS リーダーで読んでいると見積もってもいいのではないだろうか。

さて、この世界で 437 個しかない、超有名なブログ、日本ではどれがそれにあたるんだろう? Bloglines で自分が購読している有名ブログや、自分は読んでないけど有名そうなブログを(一時的に登録して)チェックしてみた。で、「購読者数 1000 人超ブログ」として見つかったのは以下。

もっとネタ系のブログが出てくるかと思ったが、それらは 800 人前後が多く、結果として仕事の役にも立ちそうなブログが 1000 人越えを果たしているのかな、と思う。

# 適当にチェックしただけなので、他にも 1000 人越えの日本語ブログはあるかも。もし他に見つかったら教えてほしい。

# 追記: コメントで指摘されたように、複数フィードでの購読者数の分散という要因に気づいていなかった。Bloglines の集計もフィード毎だと思うので、437 個のフィードに入ってなくても、合計購読者数が 1000 を越えているブログは他にもありうる。