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People of the Pandemic – 外出自粛とその影響をブラウザで追体験できるシミュレーション

People of the Pandemic は、ブラウザで動くシミュレーションゲームです。シミュレーションする対象は、新型コロナウイルスの流行に対して外出しないことで感染速度と医療崩壊を防ごうとする市民となります。

アメリカの任意の地域の郵便番号を入れるか、「都会」「郊外」「田舎」のいずれかを選ぶと、その選んだ場所の人口密度や医療体制などを模したゲームが開始します。

第一週目は、まだ伝染病について知らず、いつも通りに過ごしているということになっています。週に7回の外出をコミュニティの全員が行い、その結果として感染者、重傷者、病床数などがじわりと増えています。

各週の終わりに、自分(たち)が次の週どう過ごすか、の選択が迫られます。家を出ない(Stay Home)から、散歩、買い物、ランニング、友達と会食、家族と外食、パーティーに参加、コンサートに参加のどれかを選びます。

ゲームでは、同じ地域や似た地域で既にプレイした他の19人とあわせた20人の挙動で、社会の中の感染状況が変わります。

前から約束も有ったし、ニュースで何か言ってるけどパーティーは参加しようかな、と。20人のうち、まだStay Home を選んでた人はいないようですね。

20人の選択にあわせて、人を表す〇印が町の中を動き回り、中には接近から感染する人も出てきます。感染者も、感染したが症状がない紫の丸から、重い症状のピンク、と複数の段階があり、黒の死亡者、緑の回復者とあわせて色のついた人が増えていきます。

今回のプレイでは、4週目には地域に50ある病床が重症患者で一杯になってしまいました。自分は家から一歩も出ない方針に切り替えたものの、まだ大半のプレイヤーは買い出しやジョギングはいいだろう、という判断のようです。

ゲームは8週目まで続けられますが、この状態になってしまうと地域の運営に支障をきたすようで、6週目には食料が尽きてゲームオーバーとなってしまいました。

抽象化されたシミュレーションではありますし、何をどうしたらどれぐらい感染するか、のモデル作りのところも、研究がまだまだ途中のCOVID-19に関して不正確なところもあるとは思いますが、自分の判断とコミュニティの他の人々の判断を見ながら、社会全体が立ちいかなくなる状況を追体験できるというのは良い説得力があるのではないでしょうか。やってみると怖くなるし、自分たちが今どうするのが良いかも考えさせられます。

via FlowingData

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AgentMaps – 地図上で多数の人が動くシミュレーションを作るためのライブラリ

AgentMapsは、JavaScript 上で地図ベースの社会シミュレーターを作るためのライブラリです。

インタラクティブ地図作成のライブラリ Leaflet.js 上に構築されていて、

  • 道沿いに建物を建てる
  • エージェントを地図上に配置
  • エージェントの建物間の移動をスケジュールする
  • エージェントの見た目を変える

などができるということ。町の中を行き来する住人のモデルを作って、住人間でうつる病気とその伝染率を定義すれば、伝染病がどのように広まっていくか、あるいは一定の範囲でとどまるか、といったことをシミュレーションできます。

こちらのデモでは、人々の移動の速度や、病気の伝染しやすさのパラメーターをスライダーで変化させて、全体の様子がどうなるかを観察することができます。

ツールの使い道ですが、たとえば、イベントで多数の人が集まってきた時に出店や通路を人がどう動くか、とか、ゾンビ物のお話を作る時に、感染が広まる様子をシミュレートしてそれを基に書くとリアリティが高まったりするのかなあ、とか、どうでしょうね。

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データ可視化

予防接種はみんなが受けないと意味が無い、事を示す英ガーディアン紙のシミュレーション

アメリカで「はしか」が大流行しているようですね。

予防接種が普及しているのでは、と思ったのですが、自由の国アメリカでは「予防接種を受けさせない自由」(personal belief exemption)を行使できる州が20個もあり、そういった地域では接種の副反応を恐れてか一定割合の「予防接種を受けていない人」がいるようなのです。

ガーディアン紙が今回シミュレーションで見せてくれるのは、予防接種を受けた人の割合によって、外から入ってきたウィルスがどれぐらいの速さでコミュニティに伝染していくか、です。

infection-simulation

シミュレーションでは、100人の同質の構成員がいるコミュニティを、ワクチン接種を受けた人の割合が低いもの(10%)から高いもの(99.7%)まで、10個並べています。

infection-simulation

青い丸がワクチン接種者、黄色は感染しやすいメンバー。黄色に青い枠は、ワクチンを接種したけども抗体ができなかったメンバー。ここに、小さな赤い丸が横切ることで示される外部との接触が発生すると、黄色い人が赤い「感染者」に変わり、さらにその感染者から近くへ感染が広がります。

右下の赤いボタンを押すと時間が流れるのですが、左上の10%, 30%、あるいは全体の半数が予防接種を受けている3つ目のコミュニティでも、あっという間に感染が広まってしまいます。

それに対して右下、接種者の割合が高いコミュニティでは、時間が経ってもなかなか感染が発生しません。右下のいくつかでは、長い時間が経ってもまったく感染が起こらないこともあります。(シミュレーションなので、毎回結果は変動します)

4つ目から10個目のコミュニティは、実はそれぞれ、実際にその率で予防接種がされているアメリカの郡をモデルとしています。フロリダ州のGadsdenやカリフォルニアのオレンジ郡では接種率が90%以上なのですが、ワシントン州やカリフォルニア州のほかの地域では、数割の人が接種を受けていません。そういうところでは、結構簡単に感染が広まってしまう、というのが見て取れます。

社会には乳児や高齢者、免疫力が弱い人など、そもそも予防接種を受けられない人もいますし、受けても抗体ができない人もわずかにいます。そういう人を守るためにも、受けられる人は受けて全体としての接種割合を高めておかないと危ないということなのですが。

日本語圏のブログやツイッターでも、子供に予防接種を受けさせないことを宣言したり、それを他人にも勧めたりするような人がいるようですが、病気が流行してしまったらその子供だけでなく社会全体に大きな悪影響が出るわけで、このようなわかりやすい可視化が啓蒙になるといいですね。