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スマートフォンのカメラで血圧を計る研究とそのアプリ

経皮的工学イメージング(Transdermal Optical Imaging)によるスマートフォン血圧測定 というトロント大・杭州師範大学附属医院の共同研究が発表されています。スマートフォンのカメラで撮影するだけで、映った人物の血圧を計るという研究です。

現在のスマートフォンのカメラでも、顔の表皮付近のタンパク質から反射された光を検出できるそう。特に、血液中のヘモグロビンに反射した光を追跡することで、表面近くを流れる血流の変化が取れます。これを機械学習によって処理することで、1328人の被験者の95%程度の正確さで血圧を当てることができたということ。

ただ、この1328人のほとんどが白人系と東アジア系だったということで、今回の検証モデルでは、色が濃い肌の人についてはまだまだ正確に計れないのだそう。

この研究をベースにしたスマートフォン用のアプリ Anura が Android, iPhone 向けに配布されています。

僕の手持ちのスマートフォンは対応していなかったので試せていませんが、現バージョンでは顔の表面を撮影した短い動画から、安静時心拍数とストレスレベルを測定することができるそうです。今回論文発表された血圧測定についても、すべての人が使えるようになるには数年掛かるそうですが、テスト的に搭載されるのも近いかもしれません。

今でも個人が自宅で血圧測定することはできますが、専用の機械はそれなりの値段がしますし、毎日腕に巻いて計り記録をつけるのもたいへんです。既に高血圧と判定されて医者から気をつけるように言われた人ぐらいしか測定はしていないでしょう。

カメラで写すだけで測定できる今回の技術、すべての人種に対する判定の精度があがれば、パソコンのカメラや監視カメラも併せて常に人々の血圧が測定され、健康状態の変化がフィードバックされたり異常な状態が素早く検知されて医療的な対処が提案されたり、というSF的な未来も近づいているのかもしれませんね。

Anura Lite

カテゴリ: Health & Fitness, Lifestyle
言語: 英語, フランス語, イタリア語, 日本語, ポルトガル語, 中国語, スペイン語
価格: 無料
バージョン: 2.9.0

開発者: Nuralogix
公開日: 2018-11-17
評価(全バージョン):
(108人のレビュー)
評価(現バージョン):
(108人のレビュー)

スクリーンショット

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via Quartz

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fun

Lookout -「スマホ見過ぎ問題」を解消する新コンセプト・スマートフォン

アレックス・コーネルさん(@alexcornell)が発表した新スマートフォン Lookout は、画面を見過ぎで目の前で起こったことを見てないという現代の問題を鋭く解決する可能性を秘めています。

Lookout のカメラは斜めにせり出せるようになっていて、スマートフォンが下を向いていてもレンズは前方を向くことができます。

カメラに映った前方の景色は、スクリーンの上方に常時表示させておくことができるので、スマートフォンから目を離さずに、前にいる人を見て会話することができるというわけです。コロンブスの卵的発想ですね。

テニスもドライブも観光も、スマートフォンで情報チェックしながらこなすことができる。このへんは動画を見てください。

「人々はスマートフォンを見下ろしてばかりだ、と批難されるが、問題なのはそこではなく、(スマートフォンから目線を切って)見上げる必要があったことにあるのではないでしょうか?」

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スマートフォン

ReplyASAP – 父が息子に作った、絶対返事させたい人向けメッセージアプリ

ReplyASAP は、スマートフォン向けの新しいメッセージアプリです。

このアプリを入れた状態で相手からメッセージが届くと、スマートフォンの画面がこんな状態になります。

読んだことを確認しない限り、他のアプリを起動中でも、音量をゼロにしていても、構わずに大音量が流れ、画面には相手からのメッセージが表示され続けます。

父が息子のために開発

ReplyASAP は、WhatsApp や LINE のような汎用的なメッセージアプリというよりは、家族間など近しい人の、ごく限られた状況で使われることを想定して作られています。

開発者はイギリスのニック・ハーバートさん(Nick Herbert)。彼は、息子のベンの中学校進学を機にスマートフォンを買い与えたのですが、息子に連絡を取ろうとしてもそれが気づかれないということが多々あったそうです。ベンはスマホでゲーム中かもしれないし、通知音を切っているかもしれない、さらに悪いことには、友達といる時に父親からの電話に出たくないのかもしれません。

しかし、どうしても連絡を取りたい時や、相手が必ずメッセージを読んだことを確認しておきたい時があります。そんな場合のために、とニックさんが開発したこの ReaplyASAP は、日常使いのメッセージアプリとは別に入れておく、緊急時のアプリというわけです。

アプリ詳細

Android 版がリリース済で、iPhone 向けは開発中とのこと。Android 版では、スマートフォンの設定がどうであっても音声を鳴らすことができるそうですが、iOS 版はそこまでの権限をアプリに与えることができないとかで、アプリがバックグラウンドで起動してないと強制的に音を出すことはできないそうです。

電話の電源を切っていれば、さすがに鳴らす方法はありませんが、この場合でも電源が入ったらすぐに通知が鳴り続けるそう。

送信者は、相手がメッセージを読んだかどうかや、相手の現在位置情報を知ることができます。これは相手が同じこの ReplyASAP をインストールして、いろいろな権限を与えているからこそ可能なわけですが、保護者が子供に与えている電話なら問題ないでしょう。

アプリは無料で、メッセージの送信も無料ですが、2人目以降の宛先を追加するには追加料金が必要という仕組みで、追加の宛先で利益を上げるモデルのようです。

CBS が、実際にこのアプリで呼ばれている状況を動画で見せています。

Android 版アプリは2週間で10万回以上ダウンロードされたそうです。子供に、あるいはその他の近しい人に連絡がつかなくて困ったという人は多いのかもしれませんね。

via Mamamia