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ブラウザ戦争に搦め手から新規参入者現る。買い物ブラウザPerk

perk-logo

新しいwebブラウザPerkが登場しています。

ブラウザを使ったポイントシステム

Perkブラウザの特徴はというと、

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何かを検索するたびにポイントが溜まる

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何かを購入するたびにポイントが溜まる

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何かをソーシャルメディアでシェアするたびにポイントが溜まる

そして、ポイントが溜まったら、それらを現金、ギフト券、飛行機のマイル、特定団体への寄付、等の形に変えて受け取ることができる。ということです。

動画によるサービス説明はこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=hx0_1cwJjwY

まあ、ものすごく斬新というわけではなくて、過去にもブラウザのツールバーや拡張の形で、ユーザーのオンラインショッピング行動を監視したり、指定のショップへ誘導したり、指定のショップでの購入に対してポイントやキャッシュバックを付与するという仕組みのサービスは多数有ったわけです。

でも、ブラウザ拡張やツールバーをインストールして使いこなせるようなユーザーには、むしろ、自分のネット閲覧情報が企業や店舗に筒抜けになる事に対して懐疑的な人が多いでしょう。そういうポイントプログラムから得られる利益と、自分のプライバシーを売り渡す不利益を比べたら、わざわざ参加することはないな、と判断できてしまうでしょうから「お得だからブラウザ拡張を入れてください!」みたいな呼びかけには乗らないことが多く、結果としてそれほど流行していないのだろうと思います。

しかし、「ブラウザをダウンロードしてインストールし、使う」、ということになれば、(それも高度すぎるというユーザーも居るでしょうけれど、)ツールバーやブラウザ拡張に比べれば、かなり敷居は低くなるでしょうね。ツールバーでもそういうのはありましたが、新規にパソコンを売る時に、プレインストールでPerkブラウザを入れて、デフォルトブラウザにする、といった手だってあります。

中身はChromeと同じ

このPerkブラウザ、彼らが一から開発したわけではなく、Chromeブラウザのオープンソース部分であるChromiumをベースとしたものだということです。速さや信頼性、ポイント獲得部分以外の使い勝手や機能はChromeと変わらないわけですね。

Chromeで新しいタブを開くと、よくアクセスするページやアプリ一覧などが表示されますが、Perkではここのところに、溜まっているポイントを確認できるPerkサービスのポータルが表示されるようです。

Pando Dailyの解説によれば、溜まったポイントが換金できるようになるには、90日間待つ必要があるそうです。この期間は、「とりあえず大きな買い物をしてポイントを受け取った後で、品物を返品をすることで代金も取り戻す」、といった悪意の利用者を防ぐために必要だということです。定期的な利用者で問題行動が無いとわかっている利用者については、将来的にこの期間を縮めるようなアイデアもあるということですが。

現在はWindowsとMscOSX向けのパソコン版だけが提供されていますが、スマートフォンやタブレット向けのPerkも検討中だとのこと。

Chromeとほぼ同じ、といっても、よほどのオンラインショップ・ヘビーユーザーでもなければ、わざわざ似たような別のブラウザを入れて使い分けるかなあという気もしますが、そういうユーザーのために、Chrome拡張でPerkの一部機能を提供する、ということも並行して行っているようです。

プライバシー

Perkのサイトでは、このPerkブラウザを使って買い物したらポイントがつく店舗の長い長いリストが載っています。アメリカの楽天もありますね。

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おそらく、個別に契約しているわけではなく、他のアフィリエイトネットワークを使っているだけではないかと思いますが。オンライン購入の最大手アマゾンは対応していないようです。

たとえば、Firefoxブラウザのデフォルトのスタートページは、Google検索になっていて、Firefoxを作っているモジラ財団はグーグル社から多額の掲載の謝礼を受け取り、それを運営費に回しているわけです。

とは言っても、販売業者と手を組んで、自分のネットサーフィン活動をモニターし、店への誘導や買い物の提案までする(かもしれません。長い長い規約を読んでないので)ようなブラウザとなると、ポイントが貰えるからといって、どれぐらいの人が使おうとするのでしょうかね?

この手のサービスは、買い物するネットユーザーよりも、売る側の企業に対してのアピールが効くのではないかなと思います。自社のショッピングサイトに案内したり閲覧・購入を補助したりするようなツールバーを配っていたショッピングサイトも多いですが、売る側の夢がつまった企画なんでしょうね。ツールバーの時と同様、オープンソースのブラウザをベースにして、御社の顧客に独自ブラウザを配布しましょう、というような売込みが今後出てきたりするのかもしれません。

via Perk: A simple Web browser that rewards online shoppers

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ネットのサービス

他のツイッターユーザーがいつ寝てるのかを調べるサービス Sleeping Time

新サービスSleeping Timeは、ツイッターの利用者の最近のつぶやき(現在は過去500件ぐらいとのこと)を調べて、その人がつぶやいていない時間帯、つまり寝ているであろう時間帯、を推測してくれるというwebサービスです。

まだ補足されていない人を調べるには、Twitterの認証で過去のツイートへのアクセスを許可する必要があります。つまり他人の睡眠時間を調べたければ、自分のページも作られますよ、ということ。

最近のつぶやきと自分が設定したタイムゾーン(日本/東京 とか)にあわせて、寝てるんじゃないかという時間帯を赤色で表示してくれます。

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ソーシャルメディアリテラシーとして、僕はツールの予約投稿を使って投稿時間を散らしているので、上のはまったく正確ではないですが。

…というのは嘘で、マメさがないのでそんな事はできてないのですが。ちょっと短めに出ていますけれど、これぐらいに寝ているかと言われればそんなものかもしれません。

# 作成されたページのURLは、ツイッターのユーザー名ではなく、プロフィールの名前から取っているようです。そのため、URLをツイッターのユーザー名に書き換えても、望む結果は出てきません。

早起きで知られている人とか

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午前中は不活発な人とか

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有名芸能人とかになると秘書とかスタッフとかが居て、代理でつぶやいたりしているのかもしれませんが。

ある特定の相手と絡みたい、と思ったら、寝ている時間帯に話しかけないようにこれで調べてから、なんていうこともできそうですね。

いろいろ恐ろしい気もしますが、自分がネットに公開した情報ですから止めるのも難しいでしょう。次は寝ている時間帯に代わりにつぶやいてくれるサービスが登場、となるかもしれません。生活習慣が知られるのは嫌だけど、過去のつぶやきには執着しないぜ、という方なら、定期的に過去のつぶやきを全部消すサービスを使う、という手もあるかもしれません。

via Want to Know the Sleeping Time of your Friends or Celebrities

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育児

[子育てエンジニア advent calendar] 親が決める、子供とネットのプライバシー

このブログは子育てエンジニア advent calendar 2012に参加しています。が、あんまりエンジニア要素なかったごめん。


「赤ちゃんが産まれました!」と子供のプライバシー

ツイッターで「無事生まれました」等で検索すれば、昨日今日生まれたばかりの赤ちゃんの写真や、その親のアカウントがわかります。もう少し後には、つけられた名前もつぶやかれるでしょう。

自分の子供が産まれる、というのは、それまでの人生でも一、二を争うビッグイベントですね。毎日のようにツイッターなどソーシャルメディアで日常をつぶやいているなら、これこそがつぶやくべき日常の代表格、かもしれません。

しかし、いったんつぶやいた内容は、ソーシャルネットワーク本体にはもちろんのこと、検索エンジンや他のwebサービスに蓄積され、未来も残り続けていきます。今現在は、技術的な制約からかコスト的な理由からか、あまり昔のツイートは探しにくくなっていますが、削除してないツイートはツイッター社には残っているでしょうね。

今すぐにどうなるという話ではないのですが、今産まれた子供は、10年後、20年後には、名前や誕生日はネットを調べれば当てられる、という時代になるのではという気がしています。

誕生日が知られて何が悪い、という人もいるでしょうけれど、僕自身は誕生日はネットに出してませんし、誕生日を要求してくるwebサービスに入れている誕生日は全部でたらめです。

そのように自分の誕生日を隠す一番の理由は、誕生日を本人チェックのために使ってくる企業やサービスがあるからですね。僕の誕生日を知っているだけの人に僕のなりすましをされるのは困るなあ、ということ。

楽天ローソンの例は、身近で有名な企業だから問題が大きくなった(といってもネットの中だけかもしれませんが)のであって、日常的に電話口でフルネームや電話番号、誕生日を答えるだけで本人だと認証されることは他にもあるように思います。

一番いいのは、本名が知られても、電話番号が知られても、生年月日が知られても、そんなことでは他の誰にもなりすますことができない社会なのですが、今生まれたこどもたちが大きくなって自分の名前で契約をしたりするまでに、この問題は解消しているのでしょうか? 何か別の方法で安全に個人が特定の個人であることを証明できるようになっているのでしょうか?

子供の情報をどこまでネットに出すか

とは言いつつ僕も、具体的な日付は出してませんが、何年の何月に産まれた子供か、ぐらいはちょっと調べればわかりそうです。産休を取るときに、この社員ブログが何ヶ月も止まってしまうために、ブログが止まる理由として産休であることを公開してしまっています。それに、直接産まれたとか書かなくたって、つぶやいている内容の変化で、どのへんで産まれたかを予想することもできるかもしれません。

本当に何か悪意を持って追う人がいたらしょうがないのですが、そのあたりは家の防犯や自転車の盗難防止と同じで、あまりに簡単そうだったら悪い気を起こした人を呼び寄せるけど、ちょっと面倒にしておけば隣のもっと簡単そうな方をターゲットにするだろう、という面もあるとは思います。

産まれた日の感動を伝えたツイートやブログもそうですが、毎日の成長を写した画像なんかも、ネットにアップして友達にみてほしいですよね。そんなもの見せられても他人はそれほど嬉しくない、のは過去の経験からわかっているけれども… 昔なら年賀状の家族写真で見せてたところを、今はソーシャルメディアで何十枚でも見せることができます。

そうやって出した情報や写真が、自分の想像外の範囲まで流れていくというのがネットの怖いところです。FacebookやGoogle+で公開先を細かく指定して、見せる相手を限定するというのは一つの取りうるレベルでしょうね。でも、既に僕たちは、知人の中のうっかりさんが、元が限定公開なのに気づかず広くシェアしたり、別の場所で「○○さんに赤ちゃんが産まれたんだって」とつぶやいたりするのを知ってます。よく知らない人を友達認定している人たちならなおさら起こるでしょう。

ジョークグッズだよこれ

そんなわけで、子供の写真を載せなかったり、子供の写真をぼかして載せたり、というブロガーもいるわけです。あきらかに自宅や近所の場所がわかるような背景の写真は公開しない、というようにしている人もいます。

名前なんかについても、たとえば、ブログ上では長男を「チョーナン」、次男を「ジナン」と呼ぶ、なんて書いている人もいますが、これも一つのアイデアですね。ネット用のあだなを持たせることで、実名バレを防いでいます。うちは、妊娠中期ぐらいから仮の名前をつけてたので、しばらくは「フランソワーズ」「セバス」というを使ってましたが、これだと結局毎回説明しないと誤解されてしまう(ハーフなの? とか)という問題があります。

出すのが正しいとか、出さないのが正しい、ではない

自分の中では、「一貫しているか」がひとつの基準ではあります。僕自分が、住所も生年月日も学歴も人種も、その他いろんなことをネットに公開していない、いわゆる「匿名傾向の高い」ブロガーであるのに、自分の息子や娘には本人の同意も取らずにそれをしていいのか、というのが一つの考える手がかりでした。

ただ、ネットに出すことの素晴らしさ、というのが反対側にはあります。ネットでブログを書くことが仕事になっているぐらいですから、ネットに情報を出すことによっていろいろな素晴らしいことが起こるというのも知っているわけで、その素晴らしさを子供に与えなくていいのか、という葛藤も、無いわけではありません。

たとえば、僕は友人でもあるたつをさんのブログを長いことRSSリーダーで購読していますが、たつをさんのブログにはここ最近、毎日のように「とらちゃん」の様子が、顔出し写真と共に出てきます。「とら」は本名ではないのでしょうけど。赤ん坊のころからすくすくと育つ様子をいつも見ているので、実際には一回も会ったことがないのにも関わらず、とても親しみを感じています。ショッピングモール等で偶然会ったとしても、とらちゃんだとわかるでしょう。

何千人のネットユーザーが知っているなら、それはもうテレビの子役みたいな存在に近いですし、僕だけでなく、小さい頃から多くの大人に成長を見守られていることは、長じて大きな本人の財産になる可能性もあるでしょう。

たつをさんは、子供が産まれたから記録を公開し始めたわけではなく、十年以上前から、自分の生活のまわりのあらゆる小さなことを記録し、公開し続けています。自分は隠れて、子供だけ前面に出しているわけではないのです。これも一つの「首尾一貫」かなと思います。

実は、親(自分)と同じなら正しいとか、ですらない可能性もある

というように、僕としては、「自分がされたいように扱う」のが一つのやり方だと思う反面、親が自分と違うように子供を扱っても、それはそれでいいのでは、と思う気持ちもあります。自分が子供時と今の子供では、ネットの存在はもちろん、あらゆる環境が違うわけです。

今大人な自分は、ネットに対してこういうアプローチで生きているけど、子供の環境は将来こうなっていくだろうから、「いろいろ公開するけどこれとこれは隠す」、でも、「自分とは違うポリシーで情報を出していこう」、というのだって、それは一つの考え方で、後々にそういう自分と違う扱いをしてよかったなあ、と思うことになるかもしれません。

じゃあ結局なんでもいいんじゃないか、と突っ込まれそうですが、せめて子供に後で愚痴られた時に、「これこれこういう風に考えて、結果的にこうしたんだよ」というのが言えればいいのかなと。どういう方針が子供の将来にいいかなんて、とても予言することはできないけれど、外れたとしてもそれなりに考えた上で決めた事なんだよ、と言えることが最低ラインなのかな。あとはもし判断が間違ってても許してほしいなあ、許してくれないかなあ、というところです。

いずれ文章が読めるようになったときに、この記事を見つけて「どうでもいいことに悩んでるなあ」と笑い飛ばしてくれればそれで十分かも。