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ヨーロッパの主要都市から「何時間でどこまで行けるか」を示した Isochrone Maps of Europe

ある地点から同じ所要時間で到達できる地点を線で結んだ地図のことを等時線図(アイソクローン地図)と呼びます。

ウィーン大学博士課程のピーター・カルペジェブ( Peter Kerpedjiev )さん作ったのは、ヨーロッパの主要都市から、鉄道に乗って何時間でどこまで行けるかを示す等時線図。

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2時間ごとに色分けされていて、22時間以内では辿り着けないところが白です。パリから電車に乗ると、22時間でスコットランド(本土)の北端、ポルトガル中央部、ポーランド東端、イタリア(本土)南端からシチリア島、ぐらいまで行けることがわかります。

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スペインの首都マドリードからだとこう。イベリア半島を出るだけで6時間掛かるため、一日では東欧やローマにも行けません。

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こちらはドイツのベルリンから。

作者ブログでは、主要25都市からの等時線図を見ることができます。なお、鉄道を降りてからは5分間で1キロメートル歩けるとして徒歩移動も含まれています。1キロメートル/5分は時速12キロメートルになるので、元気に歩く、どころの速度ではなくどちらかというとランニングではないかと思います。

鉄道の整備や接続が不便でも高速バスが速いというところもあるでしょうし、LCCで飛行機に乗れば鉄道より早く安く飛ぶことができる都市も多いでしょう。「鉄道だけ」という縛りはあまり実用的ではないかもしれませんが、ヨーロッパの鉄道の整備状況やその速度などを感覚的に掴める点では面白い地図かと思います。

これらの所要時間のデータは、スイスの公共交通機関APIを使って集めたものを基にしているそうです。時刻表データがオープンに公開されていてAPIでアクセスできるのはいいですね。

日本では、今年の4月にヤフージャパンが発表した、東京駅からの到達所要時間ビジュアライゼーションマップがあり、話題になっていました。「ある一箇所から」の等時線図を作るのと「任意の場所から」の等時線図を作るのはまったく手間が違う話ですが、いずれはそういう地図を日常的に使えるようになると嬉しいですね。

via The Guardian

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ヨーロッパのそれぞれの言語はどれぐらい似ているのか、の図

スペイン語が母語の友人によると、イタリア語は、しゃべることはできなくても、ずっと聴いているとなんとなく言うことがわかるんだそうです。それぐらい二つの言語は似ているのだという話。もしかすると東京弁と関西弁みたいなものなのでしょうか。

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Teresa Elms さんが、ロシアの1999年の論文”Metatheory of Linguistics”の研究結果を2008年に図にしたのが、このヨーロッパ言語距離チャート。

ヨーロッパに多数ある言語の間の、「語彙」の類似性を元に、似ている言語の間をより太い線で繋いでいます。(文法が似てる、ではありません)

それぞれの丸の大きさは、その言語を話す人口の大きさを示します。同じ言語グループに属している言語は、同じ色が塗られています。

フランス語・イタリア語・スペイン語などを擁するオレンジのロマンス語、ドイツ語・英語・北欧諸語の青いゲルマン語、ロシア語や東欧諸語の赤のスラブ語の大きな3つのグループに、ケルト諸語(緑)、ギリシア語(薄紫)、アルバニア語(薄緑)、バルト諸語(紫)、フィン・ウゴル語(黄色)の少し間を置いた勢力。黄色のフィン・ウゴル語以外はすべてインド・ヨーロッパ語族に属します。

英語は、ノルマンコンケストの結果、ドイツ語に近い文法を持ちながら、75%の語彙はフランス語・ラテン語から取り入れており、グループを超えた語彙の近さは、たとえば、図から読み取れるように、同じロマンス語のルーマニア語よりも英語のほうがフランス語に近い、と言えるのだそうです。

図から、英語を学んだ人が比較的簡単に学べそうな次の言語はどのあたりか、とか、同じヨーロッパ人といっても、どの国の出身者がより英語が下手そうな可能性があるか、とか、予想がつけられそうですね。

via Flowing Data

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シャープが作ったデジタルまな板

ヨーロッパにあるシャープの研究所が、アイデアコンテストで受賞したコンセプトを実際に作ってしまった、というのが、こちらの全面液晶まな板+秤デバイス Chop-Syc です。

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ほとんど説明不要かと思いますが、その上で包丁を使っても大丈夫なくらい頑丈な、大きな防水タブレットということですね。

chop-syc-recipe

タブレットでレシピを検索して、それを見ながら料理をする人、というのも最近は増えているのではないかと思いますが、このiまな板なら、タブレットの置き場を作ったり、タブレットに水などが掛からないよう気を配ったりする必要もないわけです。

chop-syc-measure

計量はかりの機能もついているので、まな板で検索したレシピを、料理の人数に合わせてまな板で計算し、その分量で肉や魚などの材料をまな板でカット、と、すべてをこのデジタルまな板の上で完結させることができますね。

こちらは、この丸にあてると、ゆでる必要のあるスパゲッティの量が計れるそうです。

chop-syc-spagetti

このあたりは、いろいろな応用が出てきそうですね。

家にない食材がレシピに載っていれば、当然近くのスーパーマーケットへの誘導、みたいなことも考えられます。

chop-syc-supermarket

それはまあ、普通のタブレットでもできる話ではありますが、まな板であれば他の場所に置き忘れたりすることもないですし、調理のたびに必ず使うとなれば広告などの効果も高そうです。

http://vimeo.com/74730839

発案者でアイデアコンテストの優勝者でもあるシボーン・アンドリューさんは、この受賞で研究所のインターンの資格を得て、そのインターン期間に研究所のバックアップを得て、実際にこのアイデアから実物を作る仕事をしているということです。

シャープといえば液晶の製造で有名ですし、たとえ世界の数割、いや数パーセントでも、まな板が液晶を持つようなことになることがあれば、単純ですが大きな発明とも言えるのではないでしょうか。

iPad をお皿にしてしまった人もいるので、もっと液晶やタブレット内の部品が安くなり、防水機能や強度も上がっていけば、台所やダイニングのいろいろなところが、どんどんデバイスと化していく未来も近いかもしれません。

via DVICE