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技術

誤字を振動で伝えるハイテクペンLernstift

クラウドファンディングサイト Kickstarter に登場した Lernstift は、間違ったスペルを書いたら震えてそれを教えてくれるというペンです。

子供が宿題をしていて、気づかずに次々と間違った綴りの単語を書いているのを見た発案者の妻が、「この子には間違えるたびにすぐに教えてくれるペンが必要ね」と思ったのが発端だったとか。

ペンにはモーションセンサーが内蔵され、ペンの動きにあわせて持ち主がどんな字を書いたかを認識します。

lernstift-inside

ペンには、綴りの間違いを指摘してくれる Orthography(正字法)モードと、筆記体の読みやすさを判定してくれる Calligraphy(書道)モードの二つがあります。また、技術的な延長線上には文法をチェックするモードも考えられ、いずれは追加できるだろうということです。

対応言語は、まずドイツ語と英語、続いてヨーロッパの主要諸語が予定されているということですが、文字認識ソフトウェアのトップ企業から40言語以上のデータをライセンスしているということで、より多くの言語に対応したいということです。

フィードバックを早く得ることで、間違いを早めに正してより早く習得することができそうですね。人類があと何年ペンと書き文字を使い続けるかはわかりませんが、移行が済むまでは、子供たちもまだまだ手書きと綴りの技能を練習しないといけないですし、面白い商品ではないでしょうか。

via Lernstift – A pen that reacts to spelling mistakes | Ufunk.net

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教育

Codespell – Java言語がそのまま呪文となる教育用3Dゲーム

カリフォルニア大学サン・ディエゴ校の計算機科学者達が開発した Codespell は、一人称視点の3Dゲームなのですが、その一番の特徴は、プレイすることでJavaプログラミングを身につけられるという点です。

Codespellでは、プレイヤーは小動物ノーム(gnome)たちが住む土地にやってきた魔法使いです。ノーム達は過去に魔法を使って生活していたのですが、今は魔法をうまく使えなくなっています。魔法の呪文はJava言語プログラムで、物体を浮遊させるとか火を起こすといった7つの手持ちの呪文を使って、ノーム達を助け、火を消したり川を渡ったりといったクエストを解き、バッヂを獲得するのがゲームの目標です。

ゲームプレイ

3D世界の岩が燃えていますが、

codespell-target

岩オブジェクトというターゲットオブジェクトに対して onFire()メソッドにfalseを渡す、という呪文を呼ぶプログラムを書き、実行することで、

codespell-target-program

燃えていた岩の火が消える、という例がデモ動画で紹介されています。

codespell-target-extinguish

プログラミングの達人を昔からWizard、魔法使い、といいますが、ここでは、プログラムがそのまま魔法であるような仮想空間を作りこんだ、ということですね。

ゲームの教育効果

これを開発した研究者たちが、プログラミング経験がまったく無い10歳から12歳の女子40名にこのゲームを遊ばせたところ、少女たちは一時間もしないうちにJavaの基本的な構造を把握し、自分たちで新しい遊び方をプログラミングしたということです。たとえば、呪文(プログラム)を間違えてターゲットのオブジェクトを空中高く、届かないところに持ち上げてしまったグループは、自身を他のオブジェクトの上からジャンプさせるコードを書いて、ターゲットに次の呪文を掛けることができるようにしたそうです。

入手方法

ゲームはオープンソースで公開され、マック版はバイナリがダウンロードできます。Windows版も近々リリースされるということ。

via UC San Diego Computer Scientists Develop First-person Player Video Game that Teaches How to Program in Java via

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fun

Kids without God – 神様を信じられない子供を助けるキャンペーン

無宗教が人口の半数を占める日本、世界でも無宗教がキリスト教、イスラム教に続く第三位に、というニュースが最近出ていました。

「ごはんを食べる時に手を合わせるから日本人は無宗教じゃない」みたいな話もありますが、宗教の会合に定期的に出席したり、聖職者の話を聴いたり、という活動みたいなのに無縁な人が日本に多いのは確かだと思います。

今の日本に居ると、神様を信じなさい、宗教を持ちなさいというプレッシャーが低いので忘れがちですが、世界には周囲の人がほぼみんな、何かの宗教(それもみんなが同じ系統のことも多そう)の信者だ、という場所も多いのでしょうね。

そんな環境の違いを感じさせられたのが、今回見つけたこのサイト。

Kids without Godは、アメリカのヒューマニスト協会が新たに立ち上げた子供向けのキャンペーンで、「たまたま、どうしても神様の存在を信じることができない子供たち」を支援するものだということです。

kids-without-god

犬のダーウィンを主人公にした絵本や、宗教の教えの代わりとなるような7つの約束、といったコンテンツで構成されています。

kids-without-god-darwin

7つの約束は、「ただ単にそれが善いことだから、他の人に親切にします」「他人に何か言ったりしたりする時は、相手がそれを自分に言ったりしたとしたらどう思うか考えてみます」といったもの。善悪の判断に神様とかを持ち出さなくても、自分で考えて判断することができるんですよ、という無宗教な先輩からの教えという形を取っています。

同じドメイン内のteen(10代)向けのサイトでは、「無神論者のセレブリティ20人」という特集なども。結構な有名俳優とかもリストに載ってますね。

celebrity-atheist

周囲の大人や友達がみんな信じているものを、どうしても納得して信じることができない、そんな悩みもあるのだと。宗教を信じられないことに悩む青少年、という発想が出てこなかったのですが、所変われば常識も変わるということですね。

[追記] 昨年のクリスマスに書いた後に、「日本じゃ誰も気にしなさそうだなあ」と放置していた記事なのですが、匿名ブログで信仰が無いことを悩んでいる告白が話題を呼んでいたので、参考までに公開します。

関連

無神論者バスキャンペーン – Wikipedia

米無神論団体、クリスマスの世俗化を促進 「名ばかりのキリスト教信者」を挑発|国際|超教派キリスト教報道メディア会社のクリスチャントゥデイニュースサイト

via Kids without God Campaign Launched | Ads of the World™