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間違って空メールを大量送信したインターンに、大量の「自分がやらかした失敗」体験が集まる

今晩、HBO Maxのメーリングリストに誤って中身が空のメールを送ってしまいました。ご迷惑をお詫びします。たくさんジョークが届いてる通り、やったのはインターンです。ほんとにそうなんです。これからも彼らを助けてやっていきます❤️

サービスやブランドから大量の会員へ間違ったメールが送られてくるミス、ありますよね。このメールに対して、失敗したインターンをなぐさめようと大量に返信が寄せられました。

インターンさんへ、私は自分のPCのカレンダーに毎月いつ生理が始まりそうか入れてたんですが、数か月後にそのカレンダーが全社共有になってることに気づきました。当時37歳でした

ある日男性の同僚が「なんで毎回ここに PERIOD って表示されるんだ?」と独り言を言ってたので気づきました。

アルコール中毒の同僚がいたんだけど、彼は役員会議で話さなきゃいけない時、自己紹介の後につい「そしてアル中です」とAAの会(アルコール依存症自助の会)で話すように言ってしまったんです

# 依存症自助の会では、現在自分が持つ問題を包み隠さず話すとこから始める、ということで、自分の依存症を認める発言を常に行う、ということです

インターンさん、私はシニア・エンジニアの時に本番環境DBをdropしたことがあるよ。あなたが思ってるよりそういうことは頻繁に起こるものです。良いシステムを作るというのは人間のミスに対して復元力を持たせること。なぜなら私たち人間はいつも失敗するんだから。

私はインターンの時に本番環境のテーブルをdropしました。すぐ会社を辞める決断をして、荷物をまとめて上司のところへ行きました。上司はおびえてCEOに報告に行きましたが、私の持ち場へ行ったときタイムアウトで処理がキャンセルされたことを知りました。

初めてフロントエンド・エンジニアとして正社員の職を得た時、最初に本番環境にデプロイしたのはセール中のメニューをきらきら揺らがせる効果でした。しかしアニメーションさせる箇所の名前衝突に気づかなかったので…

再現するとこんな感じでした。

そういうこともあるよ 🙂

インターンさん、

エンジニアの課長に言われました、「経験は成功体験から得られ、知恵は失敗から学べます」 おめでとう、あなたは今まさに知恵を得ました。

失敗を恐れず、成長できないことを恐れなさい。あなたを誇りに思います。

あるプラットフォーム・エンジニアより

インターンさん、

私は一度、当時副大統領だったジョージ・ブッシュ(父のほう)氏が誰かわからず、彼の職場であるホワイトハウスの閣議室に入れないようにするところでした。🤷🏼‍♀️

実際の彼は、HBO MAX Help(最初のツイート主)と同じぐらい優しい人でした… あなたも大丈夫ですよ

インターンさん、

私は一度、全世界の Spotify を止めてしまいました。ほとんどもう一回やるところでした。私のチームは優秀で、おかげでまだ私はここで働いています。結合テストが終わってても、思わず壊れた箇所を見つけてしまうことってあるんです。それは問題ないし、将来の改善にもつながります。幸運を祈ります💐

紹介したのはほんの一部で、有名エンジニアやら起業家やらインフルエンサーやらを含めたたくさんの人たちが、自分の最初の失敗体験をリプライで発表し、インターンをなぐさめるというスレッドになりました。

via Bored Panda

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無給インターン募集で炎上した女性キャリア支援NPO LeanInが、今後のインターンに給料を支払うことに

女性のキャリアを支援する団体が女性のインターンをタダ働きで募集したことで起こった先週の騒ぎは、先週金曜日中(日本の土曜日)に決着がついたようです。

LeanIn.Org の責任者(President)レイチェル・トーマス氏がFacebook上で、公式なインターンプログラムを開始し、そのインターンは有給となる、と発表しました

メッセージによれば、LeanInでは、過去に4名の学生ボランティアが働いていたそうです。それらのボランティアは、可能な時だけ働き、リモートで働くこともたびたびだったということ。また、「そのボランティアの存在で、正規の職員の職が置き換えられたり採用が先送りになったこともありません」とあります。ボランティアを職員の代わりに使ったわけではない、ということを明言していますね。

そして、これまでLeanInにはインターンという仕組みは無く、先日募集して問題になったのは実は無給のインターンではなくボランティアでした、とのこと。

この二つがどう違うのか、については、ProPublicaが、NPOでボランティアが無給で働くのは問題ないし、それが無給のインターンだとしても違法でない可能性が高い、としています。ProPublicaは労働法の大学教授に「ボランティアとインターンがどう違うのか」も尋ねており、「はっきりとはわからない」というコメントを貰っています。

LeanIn責任者はさらに、いずれはインターンを公式に募り、それは有給のインターンとします、と言っています。

今のところこれで騒動は落ち着きつつあるようです。(週末に入ったからという可能性もありますが)

Lean Inの設立者であり、同名のベストセラーで世界中の働く女性に勇気を与えたというFacebookのCOO シェリル・サンドバーグ氏は、問題発生からこれまで特にこの件について発言はしていないようです。何を喋っても騒ぎは大きくなると思うので炎上対策としては正しいのでしょうし、現場の暴走であり自分は知らない、とか切り捨てるよりはましでしょうけど、ちょっとすっきりしないですね。

一連のFacebookメッセージやニュースのコメント欄を読むと、「得がたい経験や大物とのコネを得るために無償で働いて何が悪いのか」「自分も無償インターンで経験を得て今の職にある」という応援のコメントもありますが、多くの人が無給インターンの問題点としているのは、じゃあ無給で働く若者の生活を支えているのは誰なのか? というところのようです。

親が生活を支えていたり、夫が生活を支えていたり、あるいは既にお金の心配がないお金持ちの女性だけが無給のインターンとなることができるのでは、ということですね。自分で稼いで食べなければならない多くの女性を除外している、という指摘です。

Lean Inの応援する、キャリアの向上を目指す女性というのは、もしかすると働かないと食べていけないような女性は対象外なのかもしれませんが。もし本当にそういうことなのであれば、サンドバーグ氏の本や講演ビデオで勇気付けられていた働く女性の中にも、鼻白む人はいるのではと思います。

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フェイスブックCOOシェリル・サンドバーグ氏の女性キャリア支援NPOが無給のインターンを募集して炎上中

FacebookのCOO、シェリル・サンドバーグ氏は、おそらく今のネット業界で最も成功し、力のある女性でしょう。

女性がもっと社会や企業の上位に進出すべきだ、という主張を書いたLean Inは、今年の3月に発売され、ベストセラーとなっています。3ヶ月遅れで日本語にも翻訳され、こちらもベストセラー化しているようです。

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲

サンドバーグ氏は、その本と同名のNPO団体 LeanIn.org を立ち上げ、キャリアを追求する女性を支援する活動を率いていました。

その NPO LeanIn.org の総合編集者ジェシカ・ベネット氏がフェイスブックページでインターンの募集をかけたのが14日。

Wanted: Lean In editorial intern, to work with our editor (me) in New York. Part-time, unpaid, must be HIGHLY organized with editorial and social chops and able to commit to a regular schedule through end of year. Design and web skills a plus! HIT ME UP. Start date ASAP.

募集: ニューヨークで私と一緒に LeanIn で働く編集インターン。パートタイムで無給。編集とソーシャルな観察に優れ、年末までスケジュール通りに働けることが必要。デザインとウェブの技術があればなお良し! 連絡ください。今すぐでも開始

女性の地位向上を目的に立ち上がった組織が、若い女性をタダでこき使おうとしているように見えますね。Facebookのコメント欄ではすぐに疑問の声が上がり、すぐに英語圏のネット中に義憤あふれる声が広まっていきました。「これは誰に対してであっても恥知らずな搾取だ。まして女性相手ならなおさらのこと」。今日は多数のブログがこれを取り上げました。

サンドバーグ氏がフェイスブック株9100万ドル(100億1000万円)を売却し、大金を手にしていたニュースが先週流れたばかりだったのも印象が悪かったようです。自分の力で稼いだ株を現金化しただけで、それ自体は責められるものではないでしょうが、それだけ稼いだ人が「女性はもっと積極的になるべき」と本を書き、そのための団体を組織したのに、口は出しても資金援助はしていないのか、と突っ込まれました。

LeanIn総合編集のベネット氏は「これは私の『個人的な』投稿で、ニューヨークで『私を』補佐するボランティアを募集しただけです。多くのNPO団体が無料のボランティアを受け入れています」と追加のコメントを出しましたが、これには「うちもNPOだけどインターンには州の最低賃金以上を払ってます」とか「無給のインターンなら定期的に出社することを強制したりはしません」などの反論が。

VentureBeatによれば、アメリカでは若年層の失業率が16.2%に達し、30%に近い大学生が無給のインターンシップを経験しているという数字もあるそうです。職につくのが大変なことから、無報酬であってもその後のキャリアに繋がるかもしれないと考えて応募するそうなのですが、それを悪用し、単なる無償の労働力としてこき使う企業もあるのだとか。

著書での意見や団体の目的を考えれば、やはりこの無償インターン募集は迂闊だったように思いますね。

# ここまでの騒ぎをサンドバーグ氏が黙殺できるとは思えないので、何か反応が出たらまた書きたいと思います。

via Internet pitchforks come out for LeanIn.org as it attempts to hire unpaid intern | VentureBeat