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ネットの事件

英銀行の「正しい電話番号」確認サイト、JSONで全74000番号を晒す作りで議論を呼ぶ

イギリスの大手バークレーズ銀行、利用者の電話詐欺被害対策として「バークレイズ銀行の電話番号として正しいか調べる」サイトを公開しているのですが、その実装に問題があるのではという疑義がHacker News で上がり議論となっています。

Phone number checker サイトでは、電話番号を一つ入力するフォームが置かれ、ここに電話番号を入力すると、74000個ある正式な電話番号の場合は「この番号へ掛けても大丈夫です」という結果が出ます。

大手とはいえ、一つの銀行が74000個も番号を抱えてるのはすごいですね。フリーダイヤルから支店や部署まですべての番号を含むにしても。

議論となっているのは、このチェッカがクライアントサイドだけで動いているらしいこと。JSONファイルが読み込まれていて、このファイルに74000個の電話番号がベタ書きされています。


{
"numbers": [
"0800000097",
"0800001011",
"0800008008",
"0800111777",
"0800201612",
"0800222200",
"0800222800",
"0800227222",
"0800281435",
"0800282390",
"0800289289",
"0800289888",
"0800289989",

最初に声を上げたブログが、入力フォームの形式チェックがあまりちゃんとしていない(ハイフンを含んだりイギリスの国番号44から始まる形式を正しく認識できない等)やJSONファイルのサイズ(1.3Mbytes)が大きすぎることを問題にしていた(これぐらい許容範囲だとか、正規表現で書けばよいとか圧縮をちゃんとすればよいとか)ため、Hacker News での議論も多方向に拡散してしまっているのですが、主要な問題は偽メールや偽電話でだまそうとしている勢力が簡単に正式な電話番号のリストを入手できるところにあるのではないかなと思います。

発信者番号通知も改竄可能なので、騙す側に改竄するための正しい番号のリストを教えているという話でもあります。このチェッカが正しく理解されていないと、電話を「受けた時」にこのチェッカで正しいとされたから電話の相手を信用してもいいと思ってしまったりしてしまう可能性もあります。