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Windows Phoneで、まだ日本に来てないCortanaを使ってみた(ただし英語で)

# この記事長いです

Windows Phone買った

日本で最初の Windows Phone IS12T 以来、ひさしぶりに Windows Phone を入手しました。

4年近く日本で出てなかった Windows Phone ですが、OS自体は日本語も問題なく対応していますし、Twitter や Facebook など超大手のアプリはそれなりに揃っています。iOS や Android に比べればだいぶ少ないですが、毛色の違う独特のアプリもあり、それなりに楽しめます。

# 地図には困ってますが

Cortana、そういうのもあるのか

iOS や Android にあるような音声アシスタント機能も使ってみたいな、と思ったら、Windows の音声アシスタント機能 Cortana は、まだ日本語に対応していないんですね。デスクトップの Windows では、近いうちに日本語Cortana のテストが始まるというニュースが出たので、テスト期間の後にはデスクトップ/モバイルの両方で日本対応もしてくれるとは思うのですが。

こちらはマイクロソフトによる Cortana 紹介動画

https://www.youtube.com/watch?v=tQFrd6SEiLM

日本語は対応してないにしても、日本からでも英語でだったら使えるのか、というのを試してみました。結論から言うと使えます。

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まず Cortana に既に対応しているかを確認

どういうWindows Phoneをどういう設定で使っているかわからないので、まずは既に設定ができているかどうかを確認しましょう。

虫眼鏡ボタン(検索ボタン)を押したときにCortanaの画面が起動するなら、既にそのケータイはCortana対応しています。

押してもBing Vision (Bing検索)の画面が出てきた場合は、Cortana に(まだ)対応していません。

Windows Phone システム全体を英語モードにする

設定の地域をCortanaが対応している地域に変更することで、使っている場所が日本でもCortanaが動くようになります。

たとえば地域を USA にセット(して再起動)すると、Cortana が使えるようになります。(後述の理由により United Kingdom の方がオススメ)

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もしこれで使えない場合は、Windows Phone 8.1 のバージョンが古いということです。OSの更新をしてなければしてみてください。更新しても出てこない場合は、新し目の更新が降りてこない(=対応していない) Windows Phone だったということで、将来の更新を祈りましょう。

Cortana に話しかけての起動は機種を選ぶ

僕がメインで使ってる Android 機では、”OK Google”で音声認識が起動できるのですが、手元のWindows Phone に”Hey Cortana!”と呼びかけても Cortana は起動しません。

話しかけによる起動ができない理由を調べたところ、どうもこの機能は Windows Phone 機のハードウェアがSnapdragon 800系のCPUを積んでいないと使えないようです。Lumia 930 とか Lumia 1520 とかのハイエンド機がこれにあたるということ。

これはソフトウェアではどうにもならないようなので断念。しょうがないので虫眼鏡ボタン長押しで起動することにします。

米国設定だと天気予報が華氏に固定されてしまう

さてEnglish(米国)にして、Cortana に天気を尋ねます(例: Will it rain?)と、予報を喋ってくれるのはいいですが、華氏で答えてきます。

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その後にすぐ”convert to Celsius”と頼むと、摂氏に変換してはくれるのですが、次に起動した時にはまた華氏で答えるので、毎回毎回2度喋らないといけません。

設定で regional format を Japan にしても変わりません。これは日付や通貨の形式にしか影響しないようです。

MSN Weather アプリのSettings でCelciusに変更しても、システム側のソフトウェアであるCortanaの動作は変わりません。

結局、地域設定を”United Kingdom”にするしかありませんでした。これで英語+摂氏表示になります。

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アメリカよりは後でしたが、Cortana は現在イギリスでも提供されています。なのでこれでも Cortana は作動します。

アメリカとイギリスでは、Cortana が答えるジョークや歌などが違ってしまう場合があるかもしれません。他にも国ごとにカスタマイズしている部分が違うのでしょう。

各アプリの言語設定も英語に変えられてしまう

あと副作用として、システムの言語設定を変更して再起動すると、MSNニュースやMSNマネーの言語が、英語に変えられてしまいます。

これらを日本語で表示したければ、一つ一つアプリを開いて設定で日本語に戻すしかありません。

Cortana に訊ける事

用意された回答がなければ Bing 検索の結果を表示してくれるのですが、やはり喋って訊いたら喋って答えてくれるのが嬉しいですね。そういう答えの返ってくる質問の例が以下です。

ちゃんと通じなかった時は発音が悪かったということで。英語発音矯正ギプスでもあります。

挨拶する

“Good afternoon”

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軽いなオイ

時間を尋ねる

“Give me the time”

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人名を尋ねる

有名人の年齢、生没日、身長、などの項目は、データがあれば答えてくれます。

“How old is Haruki Murakami?”, “When did Akira Kurosawa die?”, “How tall is Hayao Miyazaki?”

身長はフィート・インチで喋りますね。表示ではメーター表記も併記されますが。

“Who is the father of ~”(~の父親は誰?)では、著名人の父や母、夫や妻を教えてくれます。

“Who is the father of Richard the lion heart?”, “Who was the wife of John Lennon?”

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英語風の名前はうまく聞き取ってくれるのですが、日本人の名前はかなり失敗します。固有名詞ではなく普通の英単語だと思ってしまうので。もしうまく認識してくれた場合には、日本人でもそれなりに回答が出てきます。

一番高い山を訊く

国や大陸で一番高い山は教えてくれます。二番目に高い山とか一番長い川は(いまのところは)教えてくれません。

“Highest mountain in Japan?”, “What is the highest mountain in South America?”

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元首を尋ねる

“Who is the prime minister of Japan?”, “Who is the president of Russia?”

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首都を尋ねる

“What is the capital of Sri Lanka?”

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為替を尋ねる

“What is one US dollar in yen?”

“Japanese yen” というとなぜか喋ってくれません…

店を探す

“Find McDonald’s”

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冗談を言ってもらう

“Tell me a joke”, “Knock, knock?”

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冗談(joke)やお話(story)は何パターンもあります。

歌ってもらう

“Sing for me”, “Sing a song”等で、著作権の切れた(と Cortana が自分で言ってた)童謡をメインに歌ってくれます。

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頼むたびに違う歌が出てくるので何曲かは知っているみたい。

ジャンケンする

“Rock Paper Scissors”

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画面見ちゃうと相手の手がわかっちゃうので、見ないで自分の出す手を決めましょう。

Cortana はお遊び要素が多い

先行する Siri や Google との差別化のためか、Cortana にはひょうきんなキャラクターという味付けがされているそうです。

“Who is your father?”(あなたの父親は?)

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“Do you like Nintendo?”(任天堂は好き?)

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Sony, Apple, Android, Siri, Linux等の競合については、答えたりはぐらかしたりと専用の回答が用意されているようです。

Steve Ballmer(前社長)、Satya Nadella(現社長)、Clippy(MS-Officeのクリップ型アシスタント。日本語版 Cortana が出たらイルカのカイル君になるかどうか)などマイクロソフトゆかりの人物などにも反応します。

スターウォーズ、スタートレック、2001年宇宙の旅、銀河ヒッチハイクガイド、等からのネタも仕込まれています。

“Do an impersonation”(モノマネして) でも、ターミネーターなどいくつかの声マネを披露してくれます。

その他の面白回答についてはこのあたりでも多数紹介しています。

Funny Cortana commands – PC Advisor

131 questions to ask Cortana

使える質問

もちろん、実用的な質問/命令もあります。自分がよく使うのはこのあたり

“Wake me up at quarter to 6″(目覚ましのセット)

“Will it rain?”

“Play all music” (“play Green Day”とか、特定の曲名でもOK)

スケジュール、飛行機、位置情報、などを活用するとアメリカやイギリスではもっと色々できることが増えるようなのですが、英語のままでは日本では使い物になりません。きっと日本語対応を作ってる人たちが今頃がんばっていることでしょう。

Windows Phone の中の「ファイルを探せ」もあるのですが、これもファイル名が英語で揃っていないと今はまだ使えませんね。

“headline news”, “turn on WiFi”, “turn on airplane mode” あたりは、音声で Cortana を起動できるなら使いそうなんですけどね。ボタンを手で押してる時点で、だったら直接それらを呼び出すよ、となってしまいます。

“Latest Marines score”。イギリス版だからか”Latest Aston Villa score”も反応します。パ・リーグに対応してくれたら毎日使っちゃうかも

通信専用SIMじゃなくて通話用SIMだったら、名前で電話やSMSを送ったりもしてたでしょう。これも日本語の名前を正しく検索するのは英語モードでは難しいのかも。

公式マニュアルのサンプルにもまだまだ発見はありそうです。

オマケ: QRコードの読み取り機能はどこへいったの?

Windows Phone にはQRコードリーダーがデフォルトでついてきていて、それは Bing Vision の画面から目のアイコンを押すだけで起動できました。

しかし、Cortana を入れると虫眼鏡で Cortana が起動してしまいます。QRコードをスキャンしようとして、機能にアクセスできなくなってしまったことに気づきました。

それでは、と、Cortana に”Scan QR Code”と話してみても、その文字をBingで検索するだけで何も起こりません。”Run Bing Vision”とかもダメ。

Cortana 化してしまったWindows PhoneでQRコードを読み取るには、カメラアプリを起動して、設定-General-Lensesで追加のレンズを探し、そこに出てくるBing Visionをタップする必要があります。

3アクションで出来ていたQRコード撮影が5アクション必要になり、とても面倒…

QRコードの普及は日本がダントツらしいので、日本が後回しのWindows Phone ではこの変更はしょうがないのかな。今までが謎の厚遇だったのかもしれません。