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ネットの事件

ワードプレステーマ販売の Pipdig が、顧客サイトを使って競合にDDoSを掛けていた

ブログツール WordPress の有料デザインテーマを販売する Pipdig が、販売したテーマの中に競合製品の妨害をするなどのコードを隠し入れていた、ということで騒ぎになっています

イギリスのジェム・ジャベラ氏(Jem Jabella)のレポートが口火を切った疑惑は、Pipdig の売っているテーマが利用している Pipdig Power Pack (P3) プラグインの動作に関するもの。

さまざまな「特権的」コードの混入

「有料テーマを買って入れたら、ワードプレスのサイトがおかしな挙動を示すようになった」と顧客から調査を頼まれた彼女は、サイトがひどく遅くなっていることに気づきます。P3 プラグインがその原因だろうと突き止めた彼女は、P3が以下のようなことをしていると突き止めたと言います。

  • 利用者ブロガーのサーバーを使って、競合のウェブサイトに DDoS を掛ける
  • 利用者ブロガーのコンテンツ内のリンクを変更し、競合サイトの紹介リンクをPipdig へのリンクに変更する
  • GDPR違反となるような許可の無い利用者ブログの情報を収集する
  • 管理者パスワードを変更して利用者ブログへのアクセス権を得る
  • データベースの全テーブルを削除するスイッチを内蔵
  • Pipdigが不要と判断する他のプラグインを、ユーザーに問い合わせることなく無効化
  • ワードプレス本体や他のプラグインが出す警告を隠す

ジェムさんはこれらのコードの該当部分それぞれを記事中で解説していますが、実際の実行コードを外部のサイトから取得して動かしていたりする作りもあり、ある時点でその外部コードを調べても空ファイルだったり、無害なコードだったりと、すぐには何をしているのかわからないように工作されているようです。

管理者のメールアドレスをテキストファイルに出力し、そのログインパスワードを変更する機能などもあり、これが(WordPress に詳しくない)ユーザーをサポートする際に使おうという機能ではないかという擁護もありましたが、サポートを依頼したユーザーだけでなく全利用者に対して使えるようになっていることなど、Pipdig に対する疑念が表明されています。

別の操作。Bluehost という競合のテーマが有効になっていたら、そのキャッシュ機能を切り、WordPress公式に偽装したドメインに置いたコードを実行した上で「サイトが遅くなってますか?」というメッセージを表示させてた、というもの。

告発を受けたバージョンのソースコードのミラー。Pipdig 社はすでにいろいろなコードを削除した新バージョンを公開しているので、証拠保全用に前の問題があるバージョンを保管した人がいるようです。

Pipdig の「弁明」

Pipdig はブログで公式な声明を出しています。

彼らはたった4人の小さな会社で、猫の画像が好き。テーマをコピーして売ろうとする盗作が起こり、その対策としてコードを入れた、等、悪意でやったものではないと書いています。

また、停止させた他のプラグインのリストと、停止させた理由も書かれています。

一つ一つの理由を見れば、隠し入れられたすべての機能が最初から悪意を持って入れられたものではないのかもしれません。競合の排除やリンクの変更はそれでも弁明不可能に思いますが。

こういろいろと揃ってみると、購入者のワードプレス/サーバに対して自分たちのものであるかのように自由に操作しようとしている感じがあり、名誉回復は難しいのではと感じます。

ジェムさんは Pipdig を「ワードプレス有料テーマ販売の大手の一つ」と書いていますが、日本語で宣伝や販売をしていた感じでもないので、日本にはそれほどユーザーがいないのかもしれません。もし使っている場合は、Pipdig 社が出したこれらの機能を削った最新版に更新するか、彼らが信用できなければ他社のものに変更した方がいいかもしれません。

via Wordfence, Hacker News

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UIデザイン

コマンドラインで閲覧するブログテーマ for WordPress

[更新 2016-09-08]

リンク先も、紹介していた Boing Boing ブログの記事も消滅していることを確認しました。

Commodore64風デザインのWordPressテーマというのは見つかりましたが、これは元のテーマのようなコマンドを打って使うようなおかしな(=ほめてる)テーマではなく、単にレトロパソコンの画面風にブログを表示するだけのものです。

2007年の日本はまだMovable Type全盛で、WordPressがどういうものかを一から説明しないといけなかったというのが見て取れますね。

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WordPressというブログ、英語圏ではMovebable Typeに劣らないほど人気があるとも聞くけれど、ユーザベースも多いようでテーマ(切り替え用のUIデザイン)も多数存在する。

凝ったものも多いけれど、今回のはすごい。Unixや往年のホビーパソコンコモドール64のスクリーンを模した、コマンドライン版ブログテーマだ。

wordpress-cli.png

コモドール風

CLI

(比較用) 普通っぽいテーマで同じブログを表示

使い方はhelpコマンドで出てくる。コマンドのヘルプは help コマンド名。

lsやcdといったシェルコマンドで、カテゴリツリーを移動し(スペースが入ってるときはダブルクォートでくくるといいようだ)、エントリのIDを使って cat [ID] などとやると個別のエントリがmore風に読める。

ブログといえば、のrssやタグクラウド(cloudコマンド)、blogrollなども取得・表示させることができた。

また、hostsで一覧した他のサイトに、telnet ホスト名で移動することもできて、これらのテーマを使った他のブログを読みにいくこともできた。

Unixやネットワークのコマンドを、うまくブログの世界にマッチさせている。よくできてる。

via boingboing