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ネットの事件

twitterトラブル – “ゲイの黒人”になった共和党下院議員予備選候補者

よくある話といえばよくある話なんでしょうが、ツイッターの複数アカウント運営の失敗事例です。

ペンシルバニア7区の政治家で、6月の予備選で惜しくも共和党の下院議員候補になれなかったディーン・ブラウニング氏が、今回の大統領選の結果を受けて5万人のフォロワーにつぶやいたメッセージ

「トランプ氏が4年間かけて築いたものを、バイデン氏は4カ月で破壊するだろう」

に対する反論に対して、アカウント切り替えを忘れて次のように反論したようで。

ゲイで黒人の男性として、オバマ氏は何もしてくれず、人生への変化はほんの少し、それも悪い方への変化だったと個人的には言えます。すべてのことはトランプ氏のもとでとても良くなった。民主党の時は感じたことがないリスペクトを感じています。

ツイートは削除されたようですが、もちろん見ていた人は多数いますよね。スクリーンショットもアーカイブも残っています。

当然、批難や揶揄のリプライが大量に発生したわけですが、

「ヘイ、黒人でゲイであることについてもっと語ってくれよ!」

このブラウニング氏、黒人男性としてのツイートは削除し、

「今広まっている私のアカウントからのツイートは、フォロワーから今週初めに送られてきたものを引用したものです」

と、引用のしかたが良くなかっただけで自分の発言ではない、と主張し、さらにはこの黒人男性ダン・パーディ氏の「証言ビデオ」をリツイートしました。

「私は本当にゲイの黒人男性です。ディーンさんのツイッターに投稿されたのは-どうしてそれが投稿されたのかはわかりませんが-私が彼に送信したもので、彼にそれを送ったのは私と同じ人種や性的指向の人たちがドナルド・トランプ氏を扱う態度に問題を感じたからです」

がしかし、ツイッターの集団捜査はこれに納得しません。ダン・バーディー氏のアカウントは、以前は「パット・ライアキー」とか「善良なる白人」と名乗った白人男性(写真投稿あり)のものだったことが判明します。

ダン・バーディー氏のビデオ、twitterアカウントが現在凍結されており視聴することはできないのですが、見ていた人の中にはこの黒人男性が別の黒人男性「俳優」バイ・ホルテ氏であることを指摘する人も登場。(凍結中のビデオの複製ももちろんあります)

もうグダグダですね。

twitterでどんな人物を演じようと勝手だとは思いますが、政治家がマイノリティのフリをして自分の政治的意見をマイノリティの意見として表明をするのは倫理的に許されないでしょう。

下院議員候補の共和党内での予備選に負けた人ということですが、投票結果を遡るとあと2500票(+10%)取っていれば共和党の候補になれていたし、本選であと25000票(+15%)取っていれば下院議員になっていたわけですこの人。そのへんの何でもない立場の人ではありません。

たまたま操作ミスでばれてしまい喜劇となりましたが、こういうアカウントが多数跋扈していたり、そのアカウントの言う事を信じて支持を強めるフォロワーとかも多いのかもしれないと思うと、心配になりますね。

via Bored Panda

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ネットのマーケティング

Rent-a-Minority 多様性のためにマイノリティを貸し出すサービス

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Rent-a-Minority(マイノリティ貸します)は、会社のサイト/パンフレットやイベントのパネリストが白人男性ばかりになってしまい困っている人のために、マイノリティを派遣してくれるという新サービスです。

構造的な不平等を解消しようとして何かしら意味のある活動をするのは大変です。それよりもレント・ア・マイノリティーを使いませんか?

Actually doing something meaningful to disrupt institutional inequality would be way too much work; so why not just Rent-A-Minority instead?

トップページでは3人のマイノリティがフィーチャーされています。イスラムの女性(ISISをサポートしてない)、快活な有色人種の女性、知的な黒人男性の3名。

rent-a-minority-featured

シェアリング・エコノミーは、あらゆることをマネタイズできるという新たな世界を開きました。私たちはあなたの肌の色、ジェンダー、性的指向、宗教を活用しようと思います。

With the sharing economy opening up a whole new world in which everything can be monetized, we’d like to put your skin colour/gender/sexuality/religion to work!

派遣されるマイノリティーは、「黒人過ぎる」「イスラム教過ぎる」「フェミニスト成分が強すぎる」などといったことが無いように吟味されているため、気まずい思いをしなくて済むでしょう。

サイトへの「賞賛の声」では、セシル・ローズ氏ルディー・キプリング氏のコメントが寄せられています。

と、ここまで読めば気づくと思いますが、このサイト自体がジョークであり、ウェブサイトやイベント、重役会などで表面だけマイノリティを混ぜて多様性があるように見せようとしている企業への皮肉となっています。

近年では、会社サイトのトップや経営陣紹介が白人男性だらけにならないように、女性や非白人を混ぜ込むことに気を配る企業が増えていますが、そこは本質ではないでしょう、と。

Rent-a-Minorityの提案する本質的な改善案は、一朝一夕に達成できるものではないですが、以下のようなものです。

  1. 問題が存在することに注目する
  2. インターンは有給で雇う。無給インターンに参加できるのはお金に余裕がある人だけ
  3. 仲良しクラブの輪の外から才能のある人を探せるようにする
  4. 才能のある社員のキャリア形成を、人種/性別/宗教に関わらず支援できているかチェックする
  5. 探し方を学ぶ

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がいこくじんレンタル解説 (英語)

via Hacker News