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情報共有ツール

Aileen – 周囲のWiFiデバイスをカウントしてその場の人数を記録するツール

Aileen は、WiFi の電波から周囲にあるスマートフォンなどのデバイスを数え、記録するためのツールです。

WiFi がオンになっているデバイスのMACアドレスを使って、周囲にあるデバイスの数を記録し、時系列データなどをダッシュボードでまとめて表示します。(MACアドレスはハッシュ値のみ保存されます)

Aileen は、利用者として NGO による人道的な活動を想定しているということ。たとえば、難民キャンプでの人の出入りや活動を見守る、といった使い方です。キャンプの中にいる難民の数の変化をより正確に計ることで、サービス提供側の人員計画などを立てやすくすることができるのだとか。

先月にはコードがオープンソースで公開されており、WiFi 情報を収集して利用するというセンシティブな目的に対し、正体不明の第三者のツールに頼らずに済むのが利点だということです。

また、難民キャンプなどでは常に安定したインターネット接続が使えるとは限りません。そのような利用シーンを考え、Aileen を動かすPC自体はインターネット接続が無くても動けるようになっています。複数台を設置してデータ収集している場合は、ネットに接続した時点で情報を送信するそうです。(ハッシュ化された個々のMACアドレスを送信するのではなく、集計した結果のみを送るそうです)

今月には、ギリシアのレスボス島にある実際の難民キャンプで、2セットが試験運用を開始しているそう。

難民といえども、今は普通にスマートフォンを持っているのだろうと思います。むしろ情報収集等のために無いと困るぐらいかもしれません。デバイスを持たない人もいますが、スマートフォンの存在から人数を計るというのは、人手を掛けずにすむ効率的な方法なのかもしれないですね。

日本に今難民キャンプはありませんが、プライバシーへの配慮がされていることや、オープンソースとして動作の仕組みが公開されていることから、NGO などで他の人道的な運営に転用したりすることもできるかもしれません。

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データ可視化

歴史上の東西の最大軍勢を並べて示したグラフ

ハルシオンマップスのMartin Vargic さんがWikipedia のデータを集めて作成したこのチャートは、紀元前2500年からの東西のスーパーパワーを、その時代に「人数が」最大の軍隊を保持していた国を並べることで表したものです。

(クリックで Halcyon Maps & Martin Vargic のオリジナルが開きます)(クリックで Halcyon Maps & Martin Vargic のオリジナルが開きます)

太古の華夏とウルク、エジプトと商、ペルシアと楚、ローマ帝国と漢、など、直接対峙していたというわけでもないのに、それぞれの時代の最も大きな軍のサイズがそれほど違わないオーダーなのは、それぞれの時代のテクノロジーが支えられる限界を示しているのかもしれないですね。

西暦に入ってからは、小勢力に分裂した西洋と、統一され巨大な軍隊を持つ中国との比較になります。最大の軍隊、で数えると、分裂した西洋側の数字は小さくなってしまいますね。ナポレオンの時代まで東洋側が数字をリードします。

グラフは、第二次世界大戦のところだけ、洋の東西ではなく枢軸対連合というわけかたになっています。また、戦後は地理的な東洋・西洋ではなく共産圏を東と呼ぶようなわけかたにされており、現在は北朝鮮と大韓民国が東西の代表となっています。軍隊の人数で言うなら、直接前線で接しているこの2国が最も動員力があるということなのでしょうか。(韓国の人数は徴兵後の予備役をすべて参入した数のようです)

日本も、日露戦争からあとの拡張と、第二次世界大戦の末期、ドイツの降伏後に帝政日本が登場しています。

reddit のコメント欄では、大英帝国は、ムガールは、ポルトガルは、のようにいろんな時代・国がどうして載ってないんだ、という突っ込みが多数でていますので、万人の納得するようなきちんとした分類ではないのは明らかですが、歴史の切り取り方として面白いかなと思います。

via reddit