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広告収入をユーザーと分ける新SNS、tsū(ツー)で最初の収入が来た

昨日ご紹介した、広告からの利益の9割をユーザーに還元するというソーシャルネットワーク tsū(ツー) で、最初の収入が報告されてきました。

tsu-income

4セント! 4円(0.04ドル)ぐらいですね。

この tsū 、常時右上に収入が表示されるというエグい作りになっております。銀行のアイコンをクリックすると、毎日の収入のグラフのページに遷移。

tsu-income-chart

ではこの4円(0.04ドル)を実際に入手するには? Redeem ボタンをクリックすると、住所入力の画面となりました。さしあたりは小切手を送ってくるようですね。(ドル建てのチェックを日本国内で貰っても、換金するのに数千円掛かります)

年間$600(6万6000円) を越えたユーザーは、社会保障番号(SSN)を運営者に伝える必要もあるようで、とりあえずはアメリカのユーザーしか想定していないようです。まあこのあたりはGoogle AdSenseやAmazonアフィリエイトの立ち上げ時も同様でしたので、日本のユーザーが増えれば日本向けの対応も出来てくるでしょう。

とりあえず、広告収入が本当に来るかどうかを確かめたかったので、これで満足。友達と雑談しているだけで収入が来るのは、Facebook に全部持っていかれるよりは良いですが、それも皆がこちらを使えばの話ですね。

たぶんこのサービスは、順調にユーザーが増加したとしてですが、このあとGoogle AdWordsやAdSenseが遭遇したような、プログラムや発展途上国の人力を使って不正に広告売上を上げようという利用者の壮大なインチキが展開されるのではないかなという気がします。

リリースと同時に7億円(636万3000ドル)の出資を受けた発表をしているので、そのお金の一部は対策に回されるでしょうけど、運営やユーザー数増加に対するサーバーの増強にもお金が必要ですし、何より広告売上の1割しか手元に残らないので、資金の燃える早さも早そうです。

当初から指摘する人たちもいますが、人を紹介して収入が増えるという仕組みがマルチ商法に似ている、という点も気になります。広告収入を分けているだけなら、後から来た人も自腹で何かを出しているわけではないのですが、紹介するために友達を騙したり、勝手に登録したり、といった行動をとる人がでてくれば、マルチ商法と同じようなトラブルが出てこないとも言い切れません。

それらを乗り越えてFacebookの対抗、あるいはもっと小さくても固定のユーザーを掴んで続けてやっていけるかどうか。

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Inquisitr.comの売却資料に見る、英語ブログの値段

calculator and moneyphoto © 2010 Images Money | more info (via: Wylio)
ブログヘラルドというブログの創業者で、TechCrunchのライターをやめて2008年に独立したDuncan Rileyさんが作ったThe Inquisitr(インクイジター。inquisitorのスペルをもじったもの)というブログがあります。
Theinquisitrtop
このThe Inquisitr、TechCrunchの取り上げるようなテック系・ガジェット系も書けば、米国スポーツや有名人ゴシップなども取り上げるなどカバー範囲を広げていき、このあたりのブログとしては中堅といっても良いぐらいの人気を博しています。僕の購読リストの中では、毎日必ず読むブログには入ってませんが、いつも読むリストを巡回しても面白いネタが見つからなかった時にはチェックするブログという扱いです。

今回、このDuncan Rileyさんが、家庭の事情でこのThe Inquisitrを売却したい、と言っています。このブログの売却希望価格とかページビュー、売り上げやライターのコストなどの、普段出てこない生々しい数字が公開されていて参考になるのでご紹介します。
まず、サイト自体について。ブログの投稿数が17,723件。3年間でこの件数だと、一日18記事ですか。結構な量ですね。

ページビューは月間700万pv。月間訪問者は150万人。Facebookぺーじのファンが3000人、ツイッターのfollowersが5500人。CMSとしてはWordPressを利用。たった3年でこれだけのブログを作るなんてすごいです。

それにたいして、Rileyさんが希望している売却価格は$300,000(3300万円) (2400万円(21万8160ドル))
運営費は、サーバーの維持費が月$800(8万8000円)(6万5千円)。ちなみにサーバーはRackspaceとAmazon Web Serviceの組み合わせです。毎日18記事を本人が書いているわけではなく、ライターチームを雇って書かせています。これが、変動が大きいものの月にならすと$5000(55万円)(40万円(3636ドル))。自分で記事を書くことは最近はめったになくなっているそう。

それに対して収入はというと、荒利が月に$15,449(169万9390円)(125万円(1万1362ドル))。全部が広告収入で、それらの内訳も公開されています。

収入源 金額(ドル。12ヶ月の合計)
Technorati Media 132756.69
グーグルアドセンス 3056.17
アマゾンアフィリエイト 714.35
Buy Sell Ads 6367.5
Kontera 9321.21
Meebo 3084.67
Text Link Ads 19814.28
Valueclick Media 2234.14
Outbrain 8044.42

で、年間収入が18.5万ドル(2035万円)。12で割ると$15,449(169万9390円)ということになるようです。

この情報、英語ブログや英語サービスを広告モデルで運営するときに(アジアジンもそうですが)、どこから広告を引っ張ってこれて、どれぐらいの収入になるのかがわかっていいですね。

実際のサイトでどこにどのサービスからの広告をどのように貼っていたか、でぜんぜん違ってくるとは思いますし、それはInquisitrというサイトが今も運営中なので確かめることはできるのですが、このブログでは、Technoratiメディアからの収入がかなり大きな割合を占めているのですね。テクノラティなんて、日本ではもうほとんど聞かなくなったブランドですが、アメリカではブログ広告をネットワークしていたんですね。

さて、これだけのメディア、そのまま運営し続けられると年5%の収益ということになりますが、海外に発信したくてお金がある会社なら、このへんポンと買っちゃったほうが、PR会社とかに支払うより安かったりするかもしれないですね。