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Roomality – リアルタイムCGと顔位置追跡で壁面にリアルな景色を再現

Roomality は、壁に掛けた大画面液晶に実写のように合成した景色を描画するという製品です。

デモ動画で映される窓の外の風景は、森の中の渓流、宇宙空間、地球を見上げる月面、雪の降る森、山の上から見る山並みなど。これらすべてが Unreal Engine を使ったCGで描かれているそうです。

最近のオープンワールド系ゲームの中の景色のリアルさを見れば、リアルタイムでこれぐらいの風景が描けること自体はもう驚きでもないのかもしれません。しかし、Roomality はただ合成した景色を映すだけではなく、カメラによるフェイストラッキングを使って見ている人の視点にあわせた描画を行うということ。これにより、部屋の中で自分が位置を変えると、窓の外(=というテイの大画面)に映る景色もそれに連動して描かれ方が変わる、というわけ。

デモを見た限りでは、ほんとうにその大画面が窓であり、窓の外にその景色が広がっているかのようです。

視点の位置をカメラで見てその人視点の3D画像を表示するというのは、実はNintendo 3DSとかでもだいぶん前にやってたみたいで、まったく新しい話でもないみたいなのですが、それをフェイクの大窓とその景色に使うのは面白いし、景色の良くない我が家にもぜひ欲しいなと思いますね。

今後の計画として、窓一面を画面にしてしまいテラスやバルコニーに出ていけそうな体験を再現したり、全方向の壁をディスプレイにしてより完全に近い没入感を実現したり、を考えているそうです。

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FreeSense – 部屋に居るのが誰か、無線LAN信号で特定する技術

WiFi信号の変化を使って複数の既知の人物から誰が部屋にいるのかを推測する、という技術FreeSense が発表されています。

家庭用の無線LANルーターでも、パソコンなどの無線LANクライアントとアクセスポイントがやりとりする際に、電波の通りやすさがチャネル状態情報(Channel State Information = CSI)として算出され、壁や障害物の現状に合わせてより良い通信方法が選択される(こともある)ということなのですが、このCSIを使って、人によって違う体形や部屋の中での動きのパターンを見分けることで、人物特定につなげているということです。

実験では、6メートルx5メートルの部屋に、ラップトップPCとインテルの市販のルーターを置き、9人の被験者のそれぞれにその中で過ごしてもらい、動きに対するCSIのパターンを集めたそうです。

freesense-room

その後、部屋に一人で入って同じように過ごしてもらい、集めたパターンとの類似をもってそれが誰かを判定させたところ、6人から1人を当てる場合で88.9%、2人のどちらかを当てる場合では94.5%という高い正答率が得られたということ

複数の人が同時に部屋に入ったり、既知の人ではない誰かが入ったりした際はまだまだ特定できないのだろうとは思いますが、研究が進めばもっと精度が高くなるかもしれないですね。また、市販の機器だけでここまでできるのですから、最初からこの目的で作ったセンサーや機器でも、もっと難しい条件で当てられるかもしれません。

良いことにも悪いことにも使われそうな技術ではあります。

via Motherboard