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Tailwind CSS批判ブログ記事の紹介ツイートへの攻撃で作者が炎上

CSSフレームワーク Tailwind CSS の作者の一人であるアダム・ワザン(Adam Wathan)氏の行為を非難する記事が公開され、コミュニティ内で議論が炎上しています。

TailwindCSS: 複雑性を足すだけで、何もしていない」という刺激的なタイトルの4月20日のブログ記事が発端。

記事のタイトルが「釣りっぽい(click-bait)」であることは議論の双方が認めるところですが、この記事をツイッター上で5月7日にリツイートしたのがtwitterで10万人のフォロワーを持つフロントエンド開発者でインフルエンサーのサラ・スエイダン(Sara Soueidan)氏

このツイートは炎上の初期に消されてしまっているのですが、特に追加のコメントもなく上記の記事を紹介しただけだったよう。しかし、このRT に対し、TailwindCSS の作者であるワザン氏が反応。

「@SaraSoueidan
あなたのプラットフォームを使って私の一日を台無しにしてくれてありがとう 🥰」

これに対し、スエイダン氏自身もツイッターで反論をしていますが、(理由はわかりませんが)元のツイートだけ削除されています。

アップルのエンジニアでこれまた有名人のシェール・スカーレット(Cher Scarlett)氏が「性差別、人種差別、嫌にポジティブ(toxic positivity)、そして TailwindCSS」という記事でワザン氏のツイートに含まれる意識してないかもしれないバイアスや問題点を指摘し、こちらのコメント欄でもTailwindCSS 界隈を中心としたコミュニティに属する人々の議論が続いています。(量が膨大で正直追い切れてません)

スカーレット氏の主張は「白人男性(ワザン氏)が自分の作ったツール自体への批判に直接反論するのではなく、それを紹介したレバノン人女性(スエイダン氏)のツイートに対してぶつけたことが問題だ」というもの。

元の釣りタイトルの記事の方もフレームワーク自体やフレームワークを使うのに向いた人向いてない人はどんな人かという議論が進んでいて、より攻撃的でない体裁で別の人が書いた「
Tailwind CSS があなたに合わない場合」という記事も出ています。

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娘のライバル達を追い出すためにディープフェイク動画をコーチに送り付けた母が逮捕される

ペンシルバニア州のチアリーディングチームに娘を通わせる母親が、ディープフェイクの不祥事動画を使ってライバルたちを陥れようとしたことがわかって逮捕されたそうです。罪状は子供へのサイバー・ハラスメント。

供述によれば、この50歳の母親は昨年、チームに所属する少女とコーチに加工された画像とテキストメッセージを匿名で送りつけたのですが、その画像は少女らが裸だったり飲酒やドラッグを吸う様子を表していたそう。動画は(映っていることが本当なら)チームを辞めさせられてもおかしくない内容だったという親の証言もあります。しかも、他の2人の少女についても同様の嫌がらせが行われていたと。

これらの動画を解析した警察は、これらの映像がデジタル的に書き換えられ本物そっくりに見える「ディープフェイク」だと判定したそうです。犯人が電話番号もIPアドレスも何の対策もせず使っていたことから、特定もすぐにされたと。

犯人の娘と少女たちは以前は友達付き合いをしていたそうですが、被害者の少女の両親が「素行の悪い(犯人の)娘とつきあわないよう」にさせたそうで、それがこのハラスメントを引き起こしたのかもしれないと話しているということ。

なお、複数のソースで「ディープフェイク」と言っていますが、これは警察の発表でそう言っているようで、Hacker News の議論ではAIを使った deepfake アルゴリズムを使ったというより、フォトショップ等の旧来の加工をも含めてリアルなニセの画像/動画を作ることを「ディープフェイク」と警察もメディアも呼ぶようになってしまっているのでは、という考察が出ていました。

どのレベルの加工かはわかりませんが、フォトショップの類であっても昔より簡単にうまく加工ができるように進化していますし、deep fake を一般家庭で素人が利用することもすぐに普通となるかもしれません。写真や動画が流れてきたからといってなんでも真に受けてはいけませんね。

via Hacker News

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アプリ紹介に載せた拡張子名の誤判定でGoogle Playから停止された開発者の不満

Just Player というAndroid用の動画再生アプリの作者が、Google Play から謂れのないbanを受けた件で不満を述べています。

Just PlayerGoogle 製の ExoPlayer ライブラリを使って、動画にファンが作成した字幕を被せて表示する目的の再生アプリなのですが、ある更新のあと、「性的な表現や卑猥な表現に関するポリシー(Sexual Content and Profanity policy)」によって Google Play 上で配布停止にされてしまったと言います。

停止の原因とされたのはアプリの紹介文の以下の箇所。

“* Subtitles: SRT, SSA, ASS, TTML, VTT”

実際に何が引っ掛かったのかはわかりませんが、おそらくASS(尻)の単語ではないか、と。

しかしこのASS、.ass という字幕データの拡張子名であり、アプリのベースとなったGoogleの exoPlayer ライブラリのドキュメントにも書かれているものです。

作者は「Googleには連絡済」とし、正規のルートなのかこのチケットが話題になったからかは不明ですがアプリ自体のGoogle Play掲載は復活しています。また、その後作者はアプリの説明文からASSの文字を取り除きもしています。

Google でも単純なワードフィルタで間違った規制を掛けるんだな、というぐらいの話ではあります。

しかし、issue についたあるコメント

Googleの検知をかいくぐるために説明文を書き換えるのはおかしいでしょう。Googleはおそらく人間の目を使わずにアプリを取り下げました。これに対する正当な行動は抗議だけです。そうしなければ、彼らが虐待的なレビュープロセスや自動的な取り下げと戦うことなどないでしょう

に対し、Google社員らしい(Google Play Store には絡んでいないそう)が書き込んだコメントがよくなかった。

ちょっとした不具合に対する小さな開発者のアピールを巡って「虐待的なレビュープロセスと戦う」なんて誰もしないだろう。

これには100近くのdownvoteが寄せられ、言い合いの炎上が続くことに。同様の経験をした他の開発者らも自動判定で人の目を介さず公開停止になる現状への不満を述べました。

自動的に取り下げられたアプリ開発者にとって、それがGoogleの glitch(誤作動)であっても、数日から一週間はアプリの公開がされないことになります。アプリで食っている個人/企業ならビジネスへの悪影響はあるでしょうね。

コメント欄の炎上はアプリ作者が議論をロックしたことで無理やり止まりましたが、たぶんGoogleの機械的なレビュープロセスは変わらないし、今後も同様のトラブルは出続けるのではないかと思います。