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技術

アナログなメーターをデジタルなネットワークに接続する

従来の機器についたメーターが示すデータをネットワークで利用するためにカメラと画像認識を組み合わせるという話、つい最近も新型コロナウイルスのワクチンを低温で保管する冷凍庫の温度監視という文脈でNHKニュースで紹介されて話題となってました。

メータのデータは内部に存在するのだから、データを直接取り出すのが技術的には筋が良いように思います。しかし、既存の冷凍庫をこのために新しいものに置き換えるのは費用が掛かるし、別の冷凍庫を監視したくなったらそちらに対応するにはまた別の接続ツールが必要となるでしょう。

人間が読み取る目的のメーターをカメラで読み取るという、一見無駄のあるソリューションにもそれなりの利点があるというわけです。

ピート・ワーデンさん(Pete Warden)がブログで紹介しているのも、そんなメーター読み取りの事例です。

アナログ式のメーターの上にかぶせる形でカメラをつけ、そこからメーターの最新の画像を入手し、

画像中の数字や文字、針の向きなどをソフトウェアで解析して、

メーターで表示されている情報を取り出せます。

あわせて10ユーロもしない IoTマイクロコントローラ ESP32 の載ったマイコンボードと200万画素のカメラモジュール OV2640 の上で、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を作り、文字盤や針を読ませることができているそうです。ソフトウェアは jomjol/AI-on-the-edge-device で公開。

このマイコンボード上からWebインタフェースで読み取り結果を公開してるので、読み取った結果を蓄積するもグラフ化するも、異常値を見てアラートを上げるのも自由ですね。

もちろん同様の商用のソリューションはいろいろあるようですけど、それなりの価格はしそう。安価なマイコンボードと自作ソフトウェアでもここまでできるんですね。

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ネットのサービス

マジック・ザ・GIFニング – 面白動画を載せたMtGのカードを生成するプログラム

カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング(MtG)」のデータを使ったネタプログラミングが Hacker News で話題となっていました。

Pythonで書かれ、GitHubで公開されているこのツールは、MtGのカードのタイトルに合った内容のアニメーションGIFを埋め込んで、MtGのパロディカードを生成するというプログラム。

生成したカードを定期的にツイッターにつぶやく bot 機能も持っていて、作者自身によるデモアカウント@MTGIFening では、6時間おきに一枚、新作カードが自動投稿されています。

ハウル・フロム・ビヨンド(彼方からの雄叫び)というカード名から生成されたのが、こちらのカード

なるほど、雄たけんでるように見えなくもない。

仕組み

Readme/ソースによれば、このツールの仕組みはこんな感じ。

カードデータの入手

MTG JSONで提供されている、全カードのJSONデータを取得する。そんなデータが有志によって管理されているんですね。これもGitHub上で管理更新されているようです。日本語データファイルもありました

ここからJSONファイルをダウンロードし、それを前処理のスクリプトで必要なレコードのみのcsvを作り、それを使って動いています。

ネタになるアニメーションGIFの入手

アニメーションGIF版 YouTube、みたいなサイトGIPHYAPIが提供されていて、その中にキーワード検索APIもあるので、ランダムに選んだMtGのカードのタイトルを食わせています。タイトルによってはGIFが見つからない場合もあるみたいですが、その時は見つかるまで繰り返しています。

“MtG”で検索して最初にでてきたのがこれ。

Giphy sample

オリジナルのカード画像に、GIFをはめ込む

MtG公式からカード画像を取得し、MoviePyライブラリで、動画の各フレームを書き換えているようです。カードの世代によって画像の位置やサイズが違うので、世代にあわせて埋め込み座標を変えたりもしています。

ツイートする

PythonでTwitterを読み書きするTwythonを使い、生成されたGIFをツイッターに投稿させています。

これらをパッケージする Docker ファイルも置いてあり、自分の環境で簡単に再現できます。ツイッターに投稿するところは動かしませんでしたが、ローカルで動かしてみてできた画像がこちら。

コードも完結で短く、データやAPIを組み合わせてうまく作ってるなと思いました。

via Hacker News

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技術

Dreambit – キーワードで写真のヘアスタイルを着せ替えできる実験サービス

Dreambitは、顔写真を加工してくれるサービス。「インド」や「1930」などといったキーワードを与えると、写真に写っている人物の髪型を「インド風」にしたり「1930年代風」に変換してくれます。

(credit: ワシントン大)
(credit: ワシントン大)

ベータアクセスは申請式ということで、とりあえず申請しましたがまだ自分で使えてはいません。髪型やファッションスタイルを表す言葉「以外」の言葉を入れてどんな髪型が出てくるか、試せると面白そうですね。

dreambit-examples

ピカード船長!

デモの動画はこちら。

同じ助教のチームは、2014年に「写真の人が歳を取ったらどんな顔になるか」という画像処理研究を発表しています。

(credit: ワシントン大)
(credit: ワシントン大)

本人の特徴さえ残っていれば、証明写真や記念写真の中の髪型や服装は、後で好きに変更できる、というような時代が来るのかもしれませんね。

さらに研究が進めば、動画の中の人の髪型なども自由に変更できるようになったりするかもしれません。古い映画を現代のファッションで自動リメイクする、といったことも起こるかも。

via Futurity