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データ可視化

アメリカ銃乱射地図

Voxメディアが公開している、インタラクティブな銃乱射記録地図です。

2012年のサンディー・フック小学校乱射事件以降の銃乱射事件のデータが使われていて、新しい乱射事件が起こるたびに更新されているようです。今日の時点、2012年からのたった7年弱で、2178件の乱射事件が記録されているということ。

州別に人口比の発生頻度で塗ったもの。マウスカーソルを当てると件数が見られます。ほとんどの州で乱射事件が起こっていることがわかります。

横軸が人口100人あたりの銃の数。アメリカは一人に銃一つなんですね。縦軸は10万人あたりの銃による死亡者数。アメリカは1万人に一人以上。国別でみるとダントツに他の先進諸国を離して右上に君臨しています。日本は左下、ほぼゼロに近いところ。

他にも、乱射事件で亡くなった人数は全体からみるとわずかで、その他の殺人や自殺に銃が使われていること、2012
年から乱射事件のある日に色をつけたカレンダー、など、パッと見るだけで異常な状態がわかる資料がよく可視化され、まとめられています。

銃事件の元データは、銃暴力アーカイブ(Gun Violence Archive)というサイトのものを使っているようです。こちらのサイトでは、今年2019年に銃乱射で亡くなった被害者が既に253名とわかります。

via Maps Mania

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ネットのマーケティング

スマートスピーカーで銃を撃たせるアート

テクノロジー系アーチスト、アレクサンダー・レーベンさん(Alexander Reben)の、Google Home を命じて銃(おもちゃの銃ですが)を撃たせる、というだけのアートが YouTube で公開されています。

スイッチで動くものは、スマートスピーカーからスイッチを入れることができるので、何だって起動できるのは当たり前で、そりゃ銃だって大砲だって大陸間弾道弾だって発射できるだろうとは思いますが、それでもやはり兵器(おもちゃですが)を起動するという絵面のせいか、そこそこの注目を引いたようです。コメント欄などでも議論が続いています。

同じレーベンさん、これ以前にも人間の命令ではなく自分で人を刺すロボット first lawというのを公開しています。

first law(第一条)は、アシモフのロボット三原則の一番目「ロボットは人間に危害を加えてはいけない。人間が傷つくのを見過ごしてもいけない」のことを指していますね。

これも近づいたら刺すという、仕組みとしては極めて単純なロボットです。

ここから「いずれロボットが人類を…」みたいな話に持っていって心配したりするのはどうかと思いますが、これらのアートがメディアでも取り上げられているようなのは、そのあたりをなんとなく心配する人たちに受けるという面もあるんでしょうね。

via TheNextWeb

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データ

ShootingTracker.com – アメリカの乱射事件データベース

ShootingTracker.com (射撃追跡.com)は、アメリカにおける大量射殺事件のデータベース(DB)です。

2013年からの銃を使った乱射事件のデータが、ネットユーザーからの報告ベースでまとめられています。

shootingtracker.com

巨大掲示板redditの中の「GunsAreCool(銃は素晴らしい)」という、名前からして明らかに活発な論争を巻き起こしているテーマコミュニティ(subreddit) の中で、提唱されてまとめられているこのデータは、「世界でただ一つのクラウドソース型銃乱射事件追跡サイト(the world’s only crowd sourced mass shooting tracker)」として、各メディアでも取り上げられているということです。

ニュースなどで報じられた銃による乱射や大量殺人事件を、ウェブのフォームやtwitterで知らせてもらい、それをまとめることで網羅的なデータベースができ、それを逆に参照して記事に使うメディアも出てきています。

そもそものDB化の動機は、メディアがよく使う”Mass Shooting”(大量射撃)という用語の定義がはっきりしないことにあったようです。

古いFBIの”Mass Murder”(大量殺人)の定義は、「一度の事件で4人以上を殺すこと」。この定義を銃での”Mass Shooting”にも援用するなら、途中に間隔を置いての4人以上の銃撃殺人や、実際に2012年に起きた18人に乱射したけれど死亡者は1人だった事件は、「大量射撃」ではない。ということにもなります。

DBの管理者はまた、アメリカでの大量銃撃事件のメディアでの報道は「十分でない」と考えているようです。メディア側には、報道することで真似をして同種の事件が増えるという主張もあるようなのですが。

このデータを実際に使って、ワシントンポストがインタラクティブな可視化ツールを公開しています。

mass-shootings-visualized-by-washington-post

あなたの考える”Mass Shooting”が、m人以上の死亡者とn人以上の負傷者なら「大量だ」と思うのであれば、それをこのフォームで選ぶと、2015年に発生した条件にあう乱射事件が、その件数とともにリストされます。

FBI式であれば、2015年にはこれまでで40件の”mass shooting”が起こっていた、ということになりますね。どんな定義で数えても、日本では考えられない件数ではありますが。

このようなまとめデータは、実際に起こっている問題の規模や、それがメディアや政治等で過剰・過小に扱われたりしていないかをチェックするためにも有用なように思います。