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ネットの事件

グーグルマップの間違いが中米ニカラグアとコスタリカの領土紛争に影響

ニカラグア軍がコスタリカ側の領土に侵入して国旗をつけかえた、ということで侵入された側のコスタリカが抗議をしているそうです。(CNNの日本語記事)
Search Engine Landの記事によると、この新たな国境紛争に、なんとグーグルマップスが一枚噛んでいるということ。

コスタリカの新聞La Nacionが伝えるところでは、係争地域に侵入を命じ、キャンプをさせたり川の浚渫をさせたりしたニカラグアの将軍は、その土地がニカラグアの領土であることの根拠に「グーグルのサテライト地図に書いてある国境でそうなっている」と言っているということ。

問題の場所は下の地図で、ニカラグアが侵入したのは国境線の左上の緑のエリア。コスタリカはこの緑の部分も自国だ、グーグルが間違っている、と主張しているわけです。


大きな地図で見る

これに対し、コスタリカ側は1858年の条約と1888の裁定で両国が合意した地図を出して抗議したところ、なんとニカラグア側の該当する地図がニカラグアの公式サイトで表示されなくなったと伝えています。

Google Mapsの競合Bingでは、コスタリカ側の主張の通りの国境線になっているようです。以下はSearch Engine Landが作成した両地図の比較。

Nicaraguacostaricaboardermaps

グーグルの中米・カリブ海コミュニケーション担当者スサナ・パボン氏は、現時点ではこの間違いの原因や、間違いがどのソースから来たものかはわからない、とコメントしているということです。

Google Mapsを頼りに軍事行動を起こすのってどうなのよ、と思わないでもないですが、それぐらいグーグル地図を使って確認するのが自然になっているのかもしれないですね。

今年の2月には、カンボジア政府が「グーグル地図のカンボジア-タイ国境がおかしい」と抗議しているのだとか。