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工作

ThisAbles – イケア家具のアクセシビリティを上げる公式3Dプリンタデータ

イスラエルIKEAの公開した ThisAbles では、IKEA の家具と組み合わせて使える補助器具の提案をしています。しかも、器具は3Dプリンターのデータの形でダウンロードできるため、IKEA の家具を持っていて 3Dプリンターを使える人はすぐに試してみることができます。

たとえば、RANARPシリーズの卓上ランプ

に、ThisAbles の Mega Switch を3Dプリントして組み合わせると、

手や目の機能に障碍のある人でも、スイッチのオン・オフがしやすくなるそうです。

カーテンを持ちやすくする Curtain Gripper

ベッド脇に杖を掛けられる CANE BY ME

など、13種類もの小物とその3Dプリンター用データが提供されています。

IKEA の商品は全世界で同じ規格のものが多いでしょうから、サイトはヘブライ語/英語ですが日本でも使えますね。

大量生産の家具はどうしてもマジョリティを対象とした設計になると思いますが、3Dプリンタのおかげで必要な人のためのちょっとした補助器具を提供するというアイデアはいいですね。

歳を取ったり怪我や病気で日常の動作にちょっとした困難が出てきた、という場合にも役立ちそうです。

3Dプリンターの印字はまだまだコスト的に高価だということですが、大きな本体をIKEAで買い、小さくても効果のある追加部品を3Dプリンターで印字するという組み合わせは、コスト的にも理に叶っていると思います。

大量に同じ家具を売っているIKEAだからこそ、それと組み合わせて使えるこれらの3Dデータは活きるし、そのようなサポートが使えると思えば、IKEA自身のイメージも上がりますね。

via The Verge

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技術

レンブラントの「新作」?が公開。データが描くプロジェクト The Next Rembrandt

The Next Rembrandtが、データ解析とコンピューターで作った「次のレンブラント(The Next Rembrandt)」の発表会を行いました。

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「17世紀にレンブラント本人が描いたものです」と言われても素人には反論できないこの絵画ですが、多数のレンブラントの絵画データを基にしてコンピューターが作った「新作」です。

オランダ発(レンブラントの出身地)の巨大金融グループINGにマイクロソフトが協力したという、この The Next Rembrandt プロジェクト、18か月を掛けて、データ・サイエンティスト、エンジニア、美術史家らが結集し進められたということです。

サイトでは、大きく4つのフェーズに分けて、この「次のレンブラント」が作られたと解説されています。

1. データの収集

レンブラントのすべての作品を、高解像度3Dスキャナなどを使ってピクセル単位で精査し、データ化します。

2. 主題の決定

レンブラントが最も多く遺した絵画のジャンルは肖像画で、その内訳は女性49%、男性51% なんだそうです。

再現する内容として、これらが最も描かれたとされる1632年からの10年の間に最も描かれた主題が以下のように選ばれました。

  • 白人男性
  • ヒゲ
  • 30代から40代
  • 黒い服に白いカラー
  • 帽子
  • 右を向いている

3. 特徴を生成

プロジェクトでは、「光と影の達人」と呼ばれたレンブラント本人の独特なスタイルを再現することが必須とされました。

彼の配置・構図・画材を再現すべく、顔認識アルゴリズムを使って目鼻の角度や離れ方などの配置や、顔のそれぞれのパーツの描き方を集積しています。

# 顔・表情の認識や特徴抽出は、今回のプロジェクトを支援しているマイクロソフトが最近いろいろ(1), (2)と発表している分野ですね。

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最期にそれらを一つにまとめて、レンブラントと同様の比率で配置。最後に、光と影を、これも集めたデータからの結果に従って描き入れます。

4. 命を吹き込む

ここまでは2Dのデータですが、筆致や塗りの層を、3Dで、これもまた元データから取ったのと同じように、与えます。

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二つの異なるアルゴリズムでオリジナルから採取したパターンを基に、この3次元マップは作成されているということ。最終的には13層のインクが重ねられ、筆で描いたような絵が完成するということでした。

英ガーディアン紙の取材に対して、広報担当者は、レンブラントの新作を作ろうとしているわけではない、と答えています。「我々はレンブラントの成果から何か新しいものを作ろうとしています。レンブラントを作れるのはレンブラントだけです」と。

via The Guardian

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fun

3Dプリンタで作られた22×22ルービックキューブ、3度目の正直で完成

22×22のルービックキューブがついに完成した、という動画が作者の Coren さんによって公開されました。

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2691個のパーツを一辺20センチのサイズに組み上げたこのルービックキューブ、 Prusa i3 という3Dプリンターでパーツを作成したそうです。製作期間は実に8か月。製作費は130英ポンド(22,000円(200ドル)ぐらい)

22x22-rubiks-cube-size

サイズ比較。3×3、4×4、5×5 のキューブと並べられると巨大さがわかります。

角のパーツが他に比べて非常に大きくなっていますが、個数を増やせば増やすほど、コーナーのパーツを大きくしないと回転中に角から外れてしまうためだそうです。

Thingiverse では、このパーツの設計図が公開されていて、3Dプリンターとやる気があれば自分用を作ることもできます。

22x22-rubiks-cube-parts-data-download

この22面キューブ、昨年11月には2度目の組み立て失敗が報じられていました。

7ヶ月かけて完成した22x22x22巨大ルービックキューブのあ゛あああっとなる最期 : ギズモード・ジャパン

崩れずに組み上げるために、パーツの調整など多数の苦労があったんでしょうね。

via reddit