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ローカルSNSのNextdoorが、差別的な投稿前に警告する機能を実装

ご近所の人とつながるアメリカのソーシャルネットワークサービス Nextdoor が、投稿の前に「人種差別的な」内容を検知して再編集を促す機能を実装済みだと発表しました

これらのスクリーンショットでは、「黒人の命だって大事だ(BLM = Black Lives Matter)」運動に対して、「すべての命が大事だ(All Lives Matter)」や「制服で働く人たち(=主に警官)が大事だ(Blue Lives Matter)」というコメントをしようとする人に再考を促しています。

動画のデモもあります。

Black Lives Matter について話し合っているところに「どうして黒人の命(Black Lives)だけ? 私はすべての命が大事(All Lives Matter)と信じます」と書き込もうとしたら、警告画面が出てきます。

デモでは、打ち込んだ文章を全部消して「もっとあなたの考えを聞かせてください」に書き直して投稿しなおしています。穏当な文章ですが上記のような意見を書こうとした人が実際にこんな変更するかしら、という気もします。

ちなみに Nextdoor ではこれまでも、侮辱的な単語を含む書き込みをしようとした人に警告を出して翻意を促す機能を2019年からつけていて、それによって無礼な(incivil)書き込みのコンテンツが30%減少したんだそうです。今回はこれを人種差別的な書き込みにも展開したということ。

書き込む内容について書き込む前に「助言」されることはいいことなのか、論争になりそうではあります。ALM などについては、この言葉を持ち出す時点で批難されるSNSは(一部のSNSを除けば)多くなっているかと思いますし、投稿した後で通報が多数来て見えなくなる、というSNSもあるでしょう。投稿前の警告と投稿後に消されるので、結果としては同じようなものという場合もあるでしょうけど。

via The Verge

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Instagram、TikTokなど他社サービスからの流入動画を出にくくする施策を実施

インスタグラムで動画を共有する際、インスタグラム自体で撮影・共有した動画がリコメンドされやすくなるということです。

公式の案内がこちら

インスタグラムでの Reels タブで動画をオススメする際に、解像度が低かったり他のサービスからコピーされた動画に「不満を持つユーザーがいるので」、そういった動画を推薦しないように改善しました、ということです。

インスタグラムが望んだわけじゃなくて、ユーザーが望んだ、というていなのですね。

結果として、インスタグラムにアップロードした動画の中に TikTok 等他サービスのロゴが入ってるとオススメされにくくなるということ。

TikTok から持ってきたら解像度が低いとは限らないと思うんですが、本音のところは自社サービスのユーザー優遇と、競合からユーザーを奪うことが目的なんでしょうね。

これらの動画サイトにプロモーション動画等を上げている企業も、一つ上げて共有ではなくプラットフォーム毎にアップロードしたほうが広まりやすくなっていくのかもしれませんが、面倒なことですね。

via The Verge

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女性専用SNS、女性かどうかをAIが自撮り写真で判定する仕組みで論議を呼ぶ

新しく登場した「女性しか参加できないSNS」 giggleが、女性しか参加させないために画像認識技術による性別判定を用い、抗議を受けたというニュースです。

この Giggle 、参加するにはまず自撮りを撮影して送る必要があります。送られた写真は「性別確認ソフトウェア」でチェックされ、女性と判定された申し込みだけが登録できる仕組みなのだとか。

サービス側は写真から骨の構造を見て女性かどうか判定できる、と謳っているそうですが、これにトランスジェンダー女性がtwitterで抗議の声を上げています。

https://twitter.com/transbitch/status/1225580950588882947

骨の形で女性で無いと判定してしまうと、産まれた時の身体が男性だったトランス女性は女性ではないと判定されてしまう可能性がありますね。まあ、そもそも、骨の形で(身体的にではあっても)男女を100%正しく判定できるソフトウェアというのがあるとも思えないので、女性と産まれて女性判定されない人もでてしまうこともありそうに思うのですが。

先月にはGoogleのCloud Vision API が画像内の男女の性別分類を停止というニュースをご紹介しました。画像による性別判定が不完全なものであると、トップレベルの技術者を多数擁するであろうGoogleでも認めているわけです。

女性トイレや女風呂の利用に関しても、女性性をどう定義するかというのがニュースになることは増えていますね。ニュースにもならなかった昔に比べればそれ自体は進歩に付随するものだろうとは思うのですが、ナイーブなAIで性別を判定し、それに頼ったサービスを運営するということ自体、リスクが高いように思わされたニュースでした。

via The Verge