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YesAQ – 「はい」になる回答だけを集めたFAQ

Basecamp というサービスの FAQ に特徴があるという書き込みがあったので、チェックしに行きました。

よくある質問(FAQ)を置いてあるウェブサービスは多いと思います。問い合わせが多い質問に対してあらかじめ回答を見せておくことで、サポートの人員を減らせますし、利用者もメール等の返事を待つことなく疑問が解消できます。

すべての答えが「はい」なら

Basecamp の yeaAQ は、すべての回答が「はい(Yes)」になるように質問文を書いています。

ドライブインの店頭に貼ってあった「すべての答えがイエスの貼り紙」にインスパイアされたものだそうです。

FAQ の質問文を読んでからそれに対する回答を読むことは、1つ目の質問という情報を頭の中に積んでいることになりますね。最初から答えが「はい」だとわかっている質問しか並んでいなければ、覚える手間がはぶけてわかりやすいのかもしれません。

逆に、Yes ほど受けは良くないかもしれませんが、すべてが No になるFAQ というのも作れそうですね。と思ったけどこれは公園の禁止事項の看板なんかで既にありそうかな。

作る方は、自然に答えがはいになる質問文しか書けないあたりで努力が必要そうにも思いますけど。よくある質問を「よくある」にしない工夫にする変化球的サイトデザインと言えるかもしれません。

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UIデザイン

悪のUIデザイン、ダークパターンの実例を見せる動画

ダークパターンについては2010年、概念が提唱された際にこのブログでも紹介しました

ユーザー体験を向上させるのではなく、ウェブサイト運営側の都合でものを買わせたり、ユーザー登録させたりするウェブサイト構築上のトリックを分類して名前をつけよう、というのがダークパターンです。

先週、そのようなダークパターンを解説する動画が公開され、注目を集めています。

とにかく退会したいんだ!

動画の最初はアマゾン。「アマゾンを退会しようとした人はどうなる?」で、一回入ったらそこから出ることは難しい Roach Motel (ゴキブリホイホイ)ダークパターンの実例を見せています。(00:15)

アマゾンを止めようと思ったことがないので知りませんでしたが、日本語でも止めるための手順を説明するブログ記事がいくつもあり、なかなか止め方が難しいのですね。動画と同じように日本のアマゾンでも退会ページを目指してみたのですが、退会に関してはアメリカ版と同じサイト構造になっているようです。

直観的にまず開くであろう、上部ナビゲーションバーの「アカウント&リスト」からは、様々なリンクが表示されるものの、そのどこからも退会ページに辿り着くことはできないそうです。

動画が教えてくれる手順は、

  • ページ最下部のリンクから「ヘルプ」をクリック
  • 「問題が解決しない場合は」から「カスタマーサービスに連絡」
  • 1の「プライム、その他」タブを選んで
  • 2のプルダウンから「アカウントの確認、変更、閉鎖」 (アメリカ版ではここが”Login & Security”だそうで、さらにわかりにくいですね)
  • もう一つ出てくるプルダウンから「アカウントの閉鎖」
  • 「チャット」「電話」「eメール」のいずれかを選び、先方からの連絡を待つ

なるほどこれは大変ですね。多くの人は途中で諦めてしまいそうです。

メルマガ退会を難しく

次はニュースレター/メールマガジンの購読停止(02:15)。メールの末尾に購読中止のためのリンクがあり、それを開けばその相手からのメールはもう来なくなる、という仕組みは良くあります。

日本のメルマガでは手動で依頼しないといけなかったりするのがまだまだ多いので、これでも助かる方かと思いますが、動画作者はここにもダークパターンがある、と喝破しています。

購読中止のリンクが地のテキストと見分けにくい色や太さになっていたり、ガチャガチャと関係のない情報が列挙されて非常に探しにくくなっていることが多い、と言います。

言われてみれば、たしかにこういうのよく見ます。

流れで購入ボタン

3つめのスマートフォンゲームアプリでの事例(02:30)は、「ゲームを始める」「次の面へ行く」などのボタンを全部グリーンの角丸ボタンで続けた上で、ゲーム内課金のダイアログで「購入」の方を同じデザインのボタンで描画する、というパターン。

動画では他に、やたらと「こちらは先ほど売り切れました!」「あとn時間で無くなります!」といった警告を散りばめるホテル予約サイトや、友人のメールアドレス情報を(サービスに招待する目的で)預けることをわかりにくいボタンで8回も押す機会があるような登録フォームをデザインして訴訟を受け負けたリンクトインの裁判、などの事例を紹介しています。

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ネットのマーケティング

World White Webプロジェクト – 手足など人物の画像検索に人種的多様性を持たせようという活動

World White Web 、World Wide Web のワイドとホワイト(白)をかけたキャンペーンでは、”hand” や “foot” といった体のパーツ名で画像検索した時に、白い写真ばかりが出てきてしまうのでは、というのを問題として提起しています。

world-white-web

試しに”hand”でグーグル画像検索してみると、以下のようになりました。

hand-image-search-on-google

確かに白っぽい手ばかりです。

世の中には色々な色の手や足があるのに、画像検索でそれが出てこないとすれば、何かしらの理由はあるのかもしれませんね。

英語をメインで使っている国の中で白人の割合が多いことが、白人モデルの写真の多様と画像検索トップの占拠につながっているということかもしれません。たとえば、「顔」とか「腕」といった漢字での検索では、英語での画像検索に比べれば、アジア系の顔や腕が多く出てきます。

nose-in-japanese-google-image-search

とはいえ、広告等で白人が良く採用されるからか、あるいは西洋文化が幅を利かせているからか、白人の写真もちらほらと出てきます。黒人の画像はなかなか出てきません。

World White Web がこの「問題」を解消する方法として提唱しているのは、彼らのサイトに置かれた非白人の手や足の画像にリンクしたり、ソーシャルでシェアを勧めたりというもの。要するに画像SEO になるのですが、このやり方で実際にトップページに彼らの希望する画像が入ってくるかというと、ちょっと難しいような気がします。

ブログや新聞記事を書くときに、多様な肌の色の写真を使いましょう、という呼びかけは、テレビドラマの配役で人種の多様性の配慮が求められるアメリカらしさを感じますね。

via TheNextWeb