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スマート・インターフォンの Ring に WiFi パスワード奪取のセキュリティホールあり

家のドアに取り付けて、室内だけでなくインターネット越しにスマートフォン等から来客や配達人の応対ができるというスマート・ガジェット Ring に、初歩的な設計ミスが見つかっています。

ring-on-door

こんな感じで、ドアの外に取り付けられる Ring は、中にカメラと電池、無線LAN機能を内蔵していて、来客が来たらネット経由で持ち主を呼び出してくれます。

ペン・テスト・パートナーズ(Pen Test Partners)が今回指摘した問題はこうです。

  • ドライバーで2本のネジを回し、 Ring の本体部分を取り外す
  • オレンジ色の「セットアップボタン」を押す(Ring 自身が WiFi のアクセスポイントAPになって、内蔵のwebサーバが立ち上がる)
  • スマートフォン等で見つかったAPに接続する
  • HTTP で /gainspan/system/config/network に接続する

すると、Ring が接続するように設定されている家庭内の WiFi SSID とパスワード情報が、プレーンテキストで返ってくるようになっていたそうです。つまりは、玄関の外にいる人から、家庭内の WiFi がアクセスし放題になり得るということ。

ring-top-page

「Ring は新レベルのセキュリティーを提供します(Ring provides a new level of security.)」というサイトの宣伝文句は、そういう意味では無かったはず。

Ring 社は、この問題を伝えられて2週間で、問題を解決したファームウェア・アップデートをリリースしたそうです。平文での保存とwebサーバでのアクセス機能を閉じたのだと思いますが、このアップデートを適用すれば、ここまで簡単に WiFi パスワードが抜かれることは無くなりそう。

しかし、暗号化されているにしても、家の外に剥き出しのデバイスの中のどこかに、家の無線LAN の接続情報が記録されていることには変わりがないですね。

屋外設置するものといえば、ウェブにつなげる監視カメラなどインターフォン以外にもあります。自由にアクセスできる屋外のデバイスには、室内に設置するものよりも十分な設計が必要なようですね。

なお、この Ring の値段は $199(2万1890円) 。ペン・テスト・パートナーズも、このスマートなドアベル自体の機能自体については「IoT デバイスにしては珍しく実用的だ」と評しています。

via The Register

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ネットの事件

野良WiFiで政治家らのサボり状況を収集した海賊党若手リーダー

スウェーデン海賊党は、スウェーデン国内の議会の議席は今は失っていますが、欧州議会には議席を持っているぐらいの、実在する政党です。

そのスウェーデン海賊党の26歳の青年部会(youth wing)代表グスタフ・ナイプ氏が仕掛けたのが、セキュリティ・防衛関連のカンファレンスでのWiFiハニーポット。

誰でも繋げる無線LANスポットをカンファレンス会場で作成し、それを見つけて接続し、使ってしまった100名ほどの政治家・軍人・ジャーナリストなどのアクセスログを記録してしまったのです。

彼らがカンファレンス中にこのハニーポットWiFiに接続して送ったメッセージやメール、アクセスしたサイトのURL、などの中には、たとえば、軍事・セキュリティの第一人者が「休日」や「森歩き」といった検索をしていた履歴などがあったということ。給料を貰って「仕事としてカンファレンスに参加しているはずの人たちがそういうことをしていたとは恥ずかしいことだ」とはナイプ氏の評。

同意無しにログを集めたことに対するソーシャルメディアでの批判も出たようですが、ナイプ氏としては個々のユーザーのプライバシーを暴く目的ではなく、全体として統計処理をしてジャーナリスティックに扱うことに問題はないはずだ、というスタンス。むしろ罪があるとすれば、政府のサーバ等につなげられるような人が野良WiFiに接続してしまうことの方では、と辛辣です。

海賊党といえば、著作権や特許などの権利が強すぎる、もっと弱めるべき、といったネットユーザーの主張から始まった政治勢力で、「海賊」という名前も「海賊版」から来ているわけですが、著作権強化への反対だけでなく、個人のプライバシーを守ることや、インターネット上の監視や検閲を無くすことも主張していて、今回の活動はそのアピールの一つのように見えます。

インターネット上に流れるデータを政府や軍は監視可能であるべき、といった安全保障上の主張に対しても、海賊党は反対の立場を取っています。今回の行動は、必要があるから自由に監視して良いのだ、という主張をする人に対する皮肉な反撃となったようです。

まあやってることは際どすぎるようにも思うのですが、日頃「監視せよ」「監視したい」と主張している立場の人が今回のWiFiに繋げてネットアクセスをしていたら、肝を冷やしているかもしれません。

via Ars Technica

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ネットのサービス

FlashChat – 同じ無線LANにつなげている人とつながる匿名メッセンジャー

近い距離にいるユーザー同士をつなげる匿名メッセンジャーというのは既にいくつかありますが、FlasshChat は同じWiFiスポットにつなげているユーザーという制限で接続相手を見つけてくれるスマートフォンアプリです(今のところAndroid版のみ)。

flashchat-cafe

同じカフェのWiFiにつなげている人同士でグループチャット、あるいは一対一のメッセージングが行えます。

ログイン不要、好きなニックネームで使えるため、匿名コミュニケーションが可能。

flashchat-leaving

そのWiFiから切断して去ると、自分のメッセージもすぐに消えるということで、非常に揮発性の高いコミュニケーションの場になりそうですね。

flashchat-places

想定している利用場所として上げられているのが、学校、オフィス、店舗、空港、球場など。

よほど多くのユーザーがいないと、適当に出かけた先で他のユーザーと出会うことなんて起こらないように思うので、これ自体はあまり伸びないんじゃないでしょうか。

既に知っている知人と、どこかで集まってチャットするという使い方もありますが、その時にはわざわざ別のチャットアプリをインストールせずに今あるものを使うでしょうし。サービスとしては「同じWiFiで」という切り口で何か別のアイデアが出ることもあるかもしれません。

既に多くのユーザーを持っているところ、たとえば匿名コミュニティやすぐに消えるコミュニケーションなどを補完的に持ちたがっているFacebookなんかが似たようなことをやると、うまくいく可能性もあるのかなとは思いますね。

via FlashChat: Easy, Fast, Local Anonymous Chat – TheNextWeb