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イベントレポート

アルファブロガー・アワード2008:ブログ記事大賞発表会に行ってきた

週末、アルファブロガーアワード2008の記事大賞発表会に行ってきた。

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会場は表参道。

毎年選考方法が変わるアルファブロガーアワード、今年は賞を始めたときからの念願だったという、ブログ単位ではなく記事単位で選ぶという方式が初採用された。

ブログ単位で選ぶ場合は、ブログを毎日書くとか、たくさん書くとかそういうのが影響するところもあるだろうと思う。特に多作でなくても、たとえ年に一本でも、多くの人をうならせたり、感動させたり、あるいは総突っ込みに走らせたり、そういうブログ記事をみんなで探してみよう、というのが今年の趣旨と見た。

どこかの誰かが単にいきなり「面白いブログ記事や注目の集まったブログ記事、議論を巻き起こしたブログ記事を推薦してよ」と呼びかけても、なかなか投票は集まらないだろうと思う。これまでの4回は、ある意味注目を集めて多くの人に投票してもらうための準備だったのかもしれない。

僕が推薦したのはこの2本。残念ながら選出はなかったし、去年一年間で読んだものから探して選ぶのはたいへんだったけど、選んだということも後までウェブに残るし、よかったかもしれない。

5000票近くの推薦の中から選ばれたのは、リンク先の12個の記事。いいこと言ってると思うのもあれば、これは釣れるだろうなあという「議論巻き起こし系」の記事も。

個人的には、リアルタイムで読んでたけどまゆたんブログ:思うこと。がまゆげ白いと思った。「快感フレーズ」ってきっとああいうのが好きで好きでたまらなくて書いてたんだろうと思っていたので驚きだった。漫画なり小説なり、昔は編集部や出版社経由でしか漏れてこなかった作者の心情が、ブログでダイレクトに出てくるという点も面白かった。

はてなブックマークで見たことがあるものもあれば、まったく知らなかったものも。去年のアルファブロガーもそうだったけれど、ブログ自身やウェブに関するものが減って、普段接することが少ないカテゴリーのブログ記事も多い。(アメリカと違って)日本では不活発とされている政治ブログが複数出てきたのも特徴か。

声優にブログ記事を読んでもらう、という企画は、思ったより良かった。12本に選ばれた記事自体の力もあるのかもしれないが、感情を込めたり複数の登場人物を演じ分けられた朗読は、新鮮な体験だった。

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会場をスポンサードし、着ぐるみキャラと全身タイツで盛り上げてくれたプリングルズにも感謝。いただいたプリングルズは家で楽しんでいる。

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書評

書評: Subject to Change 予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

Subject To Change――予測不可能な世界で最高の製品とサービスを作る

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なんか読むのに時間がかかった。あのAdaptive Path社がプロダクトデザイン・コンサルティングについて解説するという本。

イーストマン・コダック、Tivo、薬瓶、おしり拭き、iPod、Flickr、Netflix、ダイソンなどのプロダクトデザインの成功例や、アイデアはすごいように見えるけど実際には失敗だったプロダクトを上げて、プロダクトデザインで気をつけるべきことを説明している。

7章では「アジャイル」が登場。ソフトウェア開発プロセスでもおなじみの話なのでここだけはよくわかった。試してみて調整を繰り返すことでよいものが作れる、という話。

読んでいてもなかなかスカっとした感じにならなかったのだけれど、僕が専門外であるということの他に、Adaptive Pathの人が成功の要因を単純な法則的なものに落とし込んでおらず、そのような「これをやればOK」という答えも無い、ということなのかなと思った。

一章一章に書いてあることは理解できたのだけれど、それらを理解して自分の課題に対して何ができるかは、それぞれが自分で考えないとだめ、ということなのかもしれない。


[書評に関する注意書き]

  • 貰って書いた本についてはその旨記述する
  • このブログはサイボウズ・ラボの社員ブログなので、秋元個人に献本いただいても、何でも自由に書けるわけではない。
  • もちろん、書評以外の他のブログエントリもそうだが、社員ブログではあってもサイボウズ・ラボ全社やサイボウズ・グループの意見を代弁してるわけではない。
  • 献本いただいても必ず読めるわけでも、ご紹介できるわけでもない。読書の速度は遅いので、発売前や発売直後に送っていただいても、ご紹介が半年後になるようなこともある

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ネットの事件

Google Japanが”more”を「その他」に変更

今日見たら変わっていた。

以前から気になっていて、Googleの中の人に話したこともあるのだけれど(たぶん担当じゃない人なので、僕が伝えたから変わった、とは思ってないよ)、Google日本版のページ上部にあるメニューの”more”が日本語の「その他」に変わった。

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変わる前はこんな。

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平均的日本人が”more”という単語を理解しない、とは思わないけれど、できるだけ多くの人にサービスを利用してもらうには平均を見るのでは足りなくて、横文字はなるべく避けた方がいいと思うし、Google JapanがYahoo! Japanに比べてローカライズが甘いと言われる所以かなと思っていたので、これはいい変化なのではと思う。

# でも”Gmail”を「メール」とか「Gメール」にするのは社内的に難しいんだろうなあ、とも思いつつ。

# “I’m feeling lucky”はいつから無くなったんだっけ。あれも英語のままは無いよなあと思っていたが。

Yahoo! Japanのトップページのほうは、かなりアルファベットを排除しているし。まったく無いわけじゃなくて”My”とか”Japan”はあるけど、”more”よりは簡単な単語だし、わからないと進めないという箇所でもない。

僕は、この違いは両社の成立の違いから来ているのかなという風に見ている。

Yahoo! Japanのほうは、もともと米国から来たブランドではあるけど、日本の資本が大量に入っていて普通に日本の会社としてやっている。そこの社員も特に英語が得意という感じでもなくて、きわめて普通の日本人的な感覚でメニューを決めているし、米国の意向からは離れて自前できめるられる裁量が多そうだ。

それに対してGoogleは、今もそうかどうか知らないけども日本に進出した頃は英語ができることが必須、みたいなイメージで人を集めていた。”more”がページトップにあっても特に問題なく読めてしまうような社員が多くて、かえって英語ができない人や英語を避けたい人の気持ちが実感できてなかったのかなあと。