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2007年07月19日
アレクサツールバー(Alexa Toolbar)の使い方 — MarkeZine併載コラム
MarkeZine併載コラム 第五回
今回はツールバーの使い方について。あと、急遽追加したFirefox向け新ツールバーSparkyについてちょっと。
このシリーズは、マーケジンの連載との併載になっている。
アレクサ・ツールバーの使い方
連載の前回第四回では、アレクサ・ツールバーのWindowsへのインストールについて説明いたしました。今回は、インストールしたアレクサ・ツールバーの使い方について解説させていただきます。
なお、アレクサとは何か、そのデータをどう読むか、アレクサの内部の仕組み、などについては連載の初期の回をご覧ください。
インストールされたツールバーを確認する
前回のインストール手順を終了したら、Internet Explorer(バージョン6または7。画面イメージはInternet Explorer 7のものを使っています)を開いてください。
ブラウザの最上部にアドレスバーがあり、その次にアレクサ・ツールバーが表示されます。
ツールバーは、右側の[ツール]-[ツールバー]で表示・非表示を切り替えることができます。常にアレクサ・ツールバーを使わないという場合は非表示にすることでブラウザの表示画面を広くできます。
ツールバー上の各機能
ツールバーの左側から順に、ツールバーの表示内容と機能を見ていきましょう。
Alexaロゴ
左端のAlexaロゴをクリックすると、Alexa.comに飛びます。また、その右側にある矢印のプルダウンメニューからは、ツールバーの概要(Quick Tour)、ヘルプ(Help)、プライバシーポリシーなどのページへジャンプすることができます。
オプション(Options)については後で説明します。
検索ボックス(Search)
テキストボックスにキーワードを入れ、Enterを押すかその右の[Search]ボタンをクリックすることで、ヤフーやGoogleなどの検索サイトに行かなくても、直接ブラウザから検索をすることができます。
とはいっても、ここで使われる検索エンジンはヤフーやGoogleではなく、Amazon/Alexaの独自検索エンジンで、日本語の扱いもあまり良くありません。筆者が試したときには、検索結果の日本語が多数、ローマ字表記になってしまっていました。
[Search]ボタン右側のプルダウンからは、他に
- 現在見ているドメインからだけ検索
- Amazon.com(アメリカの方です)を検索する
- Wikitionary(オープンな辞書サイト)を検索する
- Wikipedia(オープンな百科事典サイト)検索を検索する
などを選んで検索することもできます。ただしどれも英語圏向けの検索となるので、あまり使う機会はないかもしれません。
サイト情報(info)
このツールバーの本来機能である、アレクサの統計データ関連の機能がこれになります。
ここには、ブラウザで今開いているドメインについての、世界におけるトラフィック順位の数字と、その順位の三ヶ月前からの変動が矢印で表示されます。
この上にマウスを置くと、アレクサが知っているそのドメインのオーナー情報などが簡単に表示されます。
[info]をクリックすると現ページに関するアレクサの概要ページ(Overview)、数字をクリックすると現ページに関するアレクサのトラフィック詳細ページ(Traffic Detail)にジャンプします。
いろいろなウェブサイトを見て、それらのサイト・ドメインに関するアレクサの情報を多用するような人には便利と言えるかもしれません。
また、プルダウンの最下部に出ている"The Web You Made"ボタンを押すと、あなたが最近閲覧したドメインの情報がまとまったアレクサのページに誘導されます。
自分の閲覧履歴がアレクサにまとめられてしまうことには気味の悪さもあるでしょう。この機能は後述のOptions画面でオフにできます。
この機能はあまりメンテナンスされていないようで、私が試したときはページ上のギミックがエラーで動きませんでした。
関連サイト(Related Links)
こちらもアレクサの主要機能である、関連するサイト(ドメイン)の一覧表示です。ツールバーの中央から右側にかけて、今見ているドメインと良く似ている・読者が近いとアレクサが判定したドメインが列挙されます。
あとは、ツールバーの右側から4つのアイコン・ロゴが並びます。これらも左から説明します。
ポップアップ・ブロッカー機能(Alexa popup manager)
アレクサ・ツールバーには、広告などわずらわしいポップアップ画面を制御してポップアップ画面が出ないようにしてくれる機能もあります。このアイコンを押すとポップアップ・ブロック機能の利用状況が確認できます。
ちなみに、ポップアップをブロックする機能は、他社のツールバーにも載っているものが多いですし、最近ではブラウザによってはブラウザ自身が内蔵していたりもします。
友人に教える機能(Tell a friend)
手紙を開けているようなアイコンを押すと、今見ているURLについて知り合いにメールするためのポップアップ画面が開きます。
昔のページを見る機能(Wayback Machine)
過去のページを巨大なデータベースに保存しているインターネット・アーカイブのサービスを呼び出すボタンです。
今開いているページが、以前はどのようなページだったのかというのを見ることができます。
インターネット・アーカイブは非営利団体ですが、データに関してアレクサ・インターネットと提携をしているので、その縁でアイコンが載っているようです。
amazonのロゴ
アレクサの親会社であるアマゾンへのロゴとリンクです。
以上で、アレクサ・ツールバーに表示されている機能をすべて紹介しました。
右クリックメニューの機能
表示されているページ上で右クリックしたときに表示されるメニューからも、そのページのアレクサ情報ページに飛ぶことができます。右クリックメニューに出る"Get Alexa Data"がそれになります。
また、テキストを選択した状態で右クリックを押すと、メニューに"Alexa Web Search"が出てきます。これは、今選択しているテキストで、アレクサの検索エンジンを呼び出します。
閲覧しているページURLの送信機能
この他に、目に見えないけども非常に肝心な機能として、ブラウザで開いているページのアドレスをアレクサに送信する機能がツールバーにはついています。
ツールバーを通して世界中から集められるこの訪問データを集計することで、アレクサの統計データは作成されているのです。
ツールバーのオプション設定
ツールバーの左端、Alexaロゴの右にあるプルダウンの最後の項目"Options"(オプション)から、ツールバーの動作設定をすることができます。
一般設定(General Options)
"Search Box"は、ツールバーの検索ボックスの大きさを、狭くしたり広くしたりするものです。
"Buttons"では、ツールバーのボタンの表示を、「アイコンのみ」「アイコンと、いくつかはテキストも添える」「アイコンとテキスト」から選べます。
その下の"Special Feature"は、ツールバーとアレクサが提供する機能のオン・オフを設定できます。
一つ目の"Enable The Web You Made"は、前述した"The Web You Made"というあなたの最近の閲覧履歴をまとめたページを作らせるかどうかというオプションです。このページを作らせたくない場合はオフにしてください。
二つ目の"Pre-fill search box"オプションについては、Alexa自身のヘルプページにすでに記述がなく、ネット上でも説明を見つけることはできませんでした。ツールバーの検索ボックスが過去の検索キーワードを記録するか、というようにも読めますが、設定を変えても特に動作に変化はありませんでした。Alexa社に問い合わせをしていますのでわかり次第連載の後の回で述べたいと思います。
最後のチェックボックス"Enable Toolbar Hints on Startup"は、ブラウザのデフォルトページに行った時にたまに表示される、アレクサからのツールバーに関するヒントを表示させるかどうかです。
ポップアップ・マネージャー(Popup Manager)
ポップアップ・ブロック機能を使わないときは、"Enable Popup Manager"のチェックをオフにしてください。
その下の"Show Popup Manager Status on Toolbar"のチェックをオフにすると、ポップアップ・ブロック機能のアイコンがツールバーに表示されなくなります。
最後のフォームでは、常にポップアップを許すサイト、常にポップアップを禁止するサイトのリストを管理することができます。
アレクサ・ツールバーは役に立つのか?
今回は、アレクサ・ツールバーの機能を一通り説明しました。元々英語版しか提供されていないこともあり、ネット上の情報と連携する付加機能は日本のユーザに取ってはあまり使えないものも多いかと思います。
以前の回でも説明したように、アレクサ・ツールバーが閲覧したページのURLをアレクサに逐一送ってしまうことから、このツールバーをスパイウェアだとする人もいますし、ウィルス対策ソフトの中にもこのツールバーを排除しようというものは一つならず存在します。
そのような状況で、このツールバーをインストールする理由があるとすれば、アレクサのデータ集計に実際に参加してみるという意味と、自分や自分のまわりの人がツールバーでデータを送ることで、どれぐらいアレクサの統計が変動するのか、というのを確認するための意味ぐらいでしょうか。
次回は、アレクサの公式サイトやツールバーとは無関係に、アレクサに関連したツールやサービスなどの紹介をしようかと思います。
Firefox向け公式ツールバーSparky公開
今回の解説を公開する直前に、Alexaから新しいツールが公開されたのでご紹介いたします。
Firefoxのアドオンとして機能するAlexaツールバーで、Sparkyという名前がついています。
Firefox向けには、勝手に作成された同種のアドオンは既にいくつか存在しています。しかし、Alexa自身が公式なツールバーを出したことで、これまでWindows/Internet Explorerの利用者のアクセス統計しか集めていなかった、というAlexaへの批判に対する一つの回答になるのかなと思います。
FirefoxでAlexaにアクセスすると、Sparkyのダウンロードページへの誘導が出ます。インストールは他のFirefoxアドオンとまったく同じなので、すぐに試して見たい方はFirefoxのアドオンのインストール方法を解説しているページを検索されるといいでしょう。この連載でもいずれ紹介したいと思います。
投稿者 秋元 : 2007年07月19日 12:37
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