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2008年07月29日

書評: 最後の授業 ぼくの命があるうちに

献本いただいたもの

最後の授業 ぼくの命があるうちに

この週末に読んでいたのだけれど、その読んでいる最中にニュースで著者ランディ・パウシュ氏の訃報を知ってしまった。

コンピュータグラフィックスやユーザインタフェース界の名物大学教授が、膵臓癌の告知を受けた後で行なった「最後の授業」で語ったことを中心にまとめられた本。講義の内容は字幕つきでネットでも視聴できる

人は誰でもいつか死ぬものではあるけれど、30代や40代ではそれはまだまだ先のことに思えてしまうだろう。ある日突然期限を切られたときに残りの時間をどうするか。パウシュ氏は大学で講義を行なうことを選んだ。それはまた、幼児~6歳の三人の子供に対して、彼がもっと生きていたなら伝えたかったであろう様々なことを伝える手段でもあった。

ビデオでも文章でも、パウシュ氏の語る言葉には悲壮感が無い。それどころかユーモアに溢れた語り口には思わず笑わせられてしまう。それに、講義のほとんどは氏がいろいろな事柄を障害を乗り越えてどうやって成し遂げてきたかということについての話で、病気や死についての話はとても少ない。

明らかに宗教的ではない理系人間の氏にとって、おそらく死はすべての終わりに違いないと思うのだけれど、その恐怖を前にしてこれだけ自制が効き、自分がこうありたいと思う形を保とうとし続ける心の強さには感服するしかない。

パウシュ氏が子供たちに伝えたいとまとめた、いろいろな状況で役に立つであろう助言の数々は、僕にとっても、そしてたぶん多くの人にとっても、役に立つ、考えさせられるもので、月並みな言い方になってしまうが、氏の考え方がよい影響力となって読者に引き継がれていくのではと感じた。


[書評に関する注意書き]

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  • 献本いただいても必ず読めるわけでも、ご紹介できるわけでもない。読書の速度は遅いので、発売前や発売直後に送っていただいても、ご紹介が半年後になるようなこともある

投稿者 秋元 : 2008年07月29日 21:10

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