Ajax オフィスツール
スラッシュドットでも Ajax によるオフィスツールについての議論が行われた。
そこで Ajax オフィスツールとして紹介されているのは以下のようなサイト
Ajax プレゼンテーションとして挙げられている S5 は、べつに Ajax 使ってないけどね。僕は半年ぐらい前から、プレゼンはこの S5 で作っていて、軽快に動くものが手軽に作れるしお薦めではあるけども。
それで台所はキレイになるのかい? というジョークが同案多発したが、それはおいといて、Ajax 懸念派の反応としては
- (Javascript による)プライバシー侵害についての不安
- ネットワークが切れたら使えない
- ローカルのオフィスのほうが多機能で早い
- 新たな UI に慣れることの大変さ
などを指摘している。
今は、次々出てくる Ajax アプリケーションに対して「おお!」とか「うわ!」とか言っていれば楽しいが、UI の統一性についてはいずれ大きな問題になるだろうと僕も思う。
Java Applet や Java Web Start が普及しない理由についても語られていて、プラットフォーム互換性の不完全さや Sun の戦略ミスである、という斬り方もあったが、僕はそこが一番の問題だとは思っていない。
これまでのブラウザ上のアプリケーションのどこが優れているかといえば、それは「一つ覚えればすべてのアプリケーションの操作ができるようになる」ところにあるのではないだろうか。HTML Form という(非力ではあるが)統一された枠の上で作られたからこそ、どこのショッピングサイトに行っても同じ操作で買い物をすることができるようになったわけだ。
Ajax という道具を手に入れると、クライアントアプリ(代表的なものはやはり Microsoft Office だろう)の UI を真似てみたくなる。しかし、ほとんどすべての UI を真似ない限り、Office に慣れたユーザにとっては、「Office っぽく使えると思ったら、ところどころでひっかかる」というアプリケーションになってしまう。
この、「思ったことが思ったとおりに動かないイライラ」こそが、Java Applet や Flash による Web アプリケーションを使いにくくし、そこそこの普及にとどめた原因ではないだろうか。
そういうことを考えると、Ajax は、あくまで既存の Web UI のお約束を壊さずに、補助的に利用するのが最もよい使い方なのではないかなあと思う。
参考
秋元@サイボウズ研究所プログラマーBlog: Ajax によるブラウザ上のオフィスツール AjaxOffice
秋元@サイボウズ研究所プログラマーBlog: Ajax ワード Writely