この会のエントリで書いた内容は間違い、実際にはまったく逆でした。コメントを参照してください。ogjun さんご指摘ありがとうございます。
The 37 Better Project は、Backpackit や Basecamp などでいわゆる Web2.0 的なサービスを先導し、開発フレームワークの Ruby on Rails でブラウザベースアプリケーション開発に旋風を巻き起こしている 37 Signals の新ページ。
もともと、 37 signals は Web UI のコンサルティング会社で、Backpackit などオンラインの情報共有サービスは実質無料。利用の多いユーザからは料金を取ることになっているが、有料ユーザがどれぐらいいるのかは怪しく、どうやって儲けるのかビジネスモデルがはっきりしないところが、典型的な Web 2.0 企業といえる。
元々の本業が Web 設計コンサルティングであることは 37signals.com 本ページに書いてあるし、Web デザインに関わる書籍も出している。
今回新たに公表されたのは、世の中の代表的な企業ネットサービスをいくつか取り上げて、「37 Signals ならこう作り変えますよ」というデモと、定額($2500(27万5000円))のコンサルティング試用サービス 37 express。
こんな風に直したら、既存の企業サービスももっとよくなるのでは、というデモが下記のようなもの。
デモでは、現在のサービスと、彼らがどこをどう直して、それによってどういう効果があるか、といったことが比較して説明されている。
37 signals の各公開サービスでやっているような、動くデモではないし、Ajax も(試したかぎり)使ってない。リンクも作動しないので、純粋に Web デザインだけの提言デモのようだ。
また、37 express を申し込んでみたい人のための、10 項目のアンケートも Word 形式でダウンロードできるようになっていて、この 10 項目もサイトの再設計をするにあたって考えるべき項目がよくまとまっている。$2500(27万5000円) 払う前でも、そこそこ有用な情報が得られるように思えた。
見るだけでも勉強になる今回の発表だが、これはまた同時に、37 signals があくまで デザインコンサルティングを中心にビジネスモデルを組み立てていることを表している。
Backpackit.com などの無料サービスには「我も続け」と参入した/するフォロワーも多いが、フォロワーの多くが「ユーザをたくさん集めれば、利益は後からついてくるだろう」と Web2.0 的な楽観論に支配されているようにみえる中で、追いつこうとしている 37 signals がそもそもサービスで儲けようとしてないとしたら、他社競合は足元をすくわれるだろうな。
Backpackit や Ruby on Rails といった秀作を無料で公開しておいて、「ただのデザインコンサルタントですよ」というのもすごい話だけど。
「37 Signals のビジネスモデルはあくまで Web デザインコンサルティングなのだろうか」への2件の返信
このページ、すごく面白いですよね。でも実は記事中にあるのとは順序が逆なのです。
くだんのbetterページは2,3年以上は前から存在してて、つい最近まで37signalsのトップページからも盛大にリンクされていました。(Alexaやarchive.orgで見るとわかります)
彼らはもともとデザイン・コンサルティングが主たる業態だったわけです。
それがBasecampをきっかけにプロダクト開発にシフトして行くことになり、特にRuby on Railsがブレイクしたのと合わせてプロダクトも増えていきました。
そしてついに(いつからか正確にはわからないけど最近になって)、デザイン・コンサルティング業務を表看板(トップページ)からはずしてしまったのです。私はこれには少なからずびっくりしました。
もしこれを彼らの意思表示と取るならば、「以前はデザインコンサルタントだったけど今は違うよ」というのがメッセージなのではないかと思います。
すいません。確認不足でした。たしかに 2003-01-19 にこのページの存在があるようです。
http://web.archive.org/web/*/http://37signals.com/better
エラーで今キャッシュは見られませんが、おそらく同じものなのかと。
英語圏でこのページが話題になっていたので、てっきり新しいページだとばかり。。。