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あのライバルは SEO で抜けるのか?

japan.internet.com 併載コラム

以前のコラム「Google ページランクにだまされるな」で、Google ツールバーで表示されるページランクには実際的な意味がほとんど無く、検索順位に直結しないこと、この数字は操作可能でさえあり、ページランクを Web サイト運営の目標や広告価値の指標にすることの危険性を指摘した。

ページランクはあくまで「楽しむための参考値」で、最終的な目標は検索結果での順位だ、ということは決して忘れてはならない。

SEO 対策を業者に頼むのであれば、頼む前に何位だったのか、頼んだ結果何位になったのか、ということがその業者の成果だ。(*1)

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しかし、順位の数字だけでは見えてこないこともある。マラソンに例えれば、ライバルが1位で自分が2位だとして、差は一人分ではあるが、その差が5秒なのか、5分なのかでは大きな違いがある。

このような、順位の違いに隠された実際の差については、どうやって調べればよいのだろうか?

キーワードと無関係にページごとにつく、いわゆる「ページランク」以外に、もう一つの隠れた指標が存在する。まずは、その「隠れた指標」を適当な検索ワードで見てみよう。

ここでは、Google ではなく BIGLOBE を使う。BIGLOBE の Web 検索は Google からサービスの提供を受けており、基本的には Google の検索結果と同じ順位で同じ結果が表示される。 (*2)

例: BIGLOBE で“メール管理”を検索

しかし、検索結果の URL の左側に表示されるオレンジ色の縦棒が、Google 検索と BIGLOBE 検索の大きな違いだ。

検索結果が1位のサイトは10本の縦棒すべてがオレンジ色で、2位、3位と順位が下がるにつれて、オレンジの棒の数が減っていく。

このオレンジ色の棒の数は何を示しているのか、という説明は見つからないのだが、BIGLOBE の検索ヘルプの図中では、これが“PageRank”ということになっている。(japan.internet.com 編集部から NEC に問い合わせをしていただいたところ、同社では便宜的に「ランク」と呼んでいるようだ。Google の本家ページランクと区別しづらいので以下 「隠しページランク」 としておく。)

いわゆる総合的なページランクは、検索順位との直接の関係が疑われる参考値だが、BIGLOBE で出てくるオレンジ色の「隠しページランク」は、そのとき検索したキーワードに特化した「検索結果の強さ」と見ていいだろう(*3)。

上記の例では、1位(10本)と2位(7本)はそれほど差がついていないが、2位と3位(3本)は大きく離れている、ということが見て取れる。 (*4)

おそらく、Google 検索を利用している提携各社は、検索結果に合わせて様々なデータを得ており、その中からどれを自サイトで表示するか選べるようになっているのだろう。どうして BIGLOBE だけがこの「隠しページランク」を表示しているのかはわからないが、事情がなにであれ、Web サイト運営者にとって有用な情報であることは間違いない。

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検索結果における上位表示の重要性については、前回のコラムで書いた。もう一度前回のコラム「検索と広告、予算を割くべきはどちら?」を思い出してみよう。検索結果ページで、1位から3位の結果がユーザーの視線を得ることができたのは100%だった。

あくまで少サンプルの実験だということは注意しなければならないが、「なにがなんでも1位でないと自社サイトに誘導できない」というわけではなく、3位以内に入った上で、表示される自社サイトの名前や要約でユーザーをひきつけることができれば、1位でなく3位表示でも、クリックして見に来てくれるユーザーは少なくないだろう。

順位は高いに越したことはないが、1つ2つの上下は致命的な違いではない。

もし、自社サイトが3位で、BIGLOBE で知った「隠しページランク」の2位との差が非常に大きかった場合、ちょっとやそっとの改善では順位は変わらないかもしれない。その場合は、SEO をがんばって2位を目指すより、表示されるタイトルや要約を改善したり、他の制作や SEM 活動に予算を回したほうが効率がいいだろう。もちろん、4位、5位のサイトとの差にも注意して、抜かれない程度にはがんばる必要はあるが。

また、すぐ一つ上のサイトとの差が非常に小さければ、少しの SEO 対策で順位が逆転できる可能性がある。こういう場合はまず SEO 対策にコストをかけて順位を上げ、その後他の活動をしたほうがいいだろう。

BIGLOBE の検索で表示される「隠しページランク」情報を使うことで、次の効果的な手は何か、という判断に正確さを加えることができるだろう。

(*1)本質的ではない SEO 対策をする業者相手の場合は、「契約が切れたときに順位が落ちたりしないか」というチェックも重要。短期間だけ効くインチキ対策の場合もあるからだ

(*2)順位変動の波及が遅くて結果が多少異なる場合もある。同一ドメイン内での複数ページ表示、タイトルや要約の表示など、何をどう表示するか、といった点でも細かな違いはある。

(*3)NEC によると、検索キーワードとの「マッチング度合い」を示すという。意味としては同じである。

(*4)2006年5月12日現在の検索結果での場合

「あのライバルは SEO で抜けるのか?」への4件の返信

辛口ですが、今更ビグローブかってのが正直なところ。
もう少し新しいSEOテクを希望です!

ページランクとここで言う隠れ指標(検索適合値?)は、検索語を使う使わないという意味で従属パラメータ空間が違いますが、確かに検索後のこの棒を見てるとそれぞれの量的関係がおもしろいですね。

サイボウズ・ラボの他メンバーからも指摘は受けたのですが、検索キーワードや、その時々の検索範囲(検索オプション)ごとに独立の結果であることは注意が必要だと思いますね。

あと、棒の数は相対値だ、という点も、このランクの時間的な変化を評価するなら注意しなければいけないでしょう。

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