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人命救助2.0

サンフランシスコ沖でボートと共に消息を絶って4日になる計算機科学者ジム・グレイ(Jim Gray)の捜索に関して、シリコンバレーを中心とした多数のIT企業の社員によるネット上の救助活動が行われている。 衛星から撮影した海 […]

サンフランシスコ沖でボートと共に消息を絶って4日になる計算機科学者ジム・グレイ(Jim Gray)の捜索に関して、シリコンバレーを中心とした多数のIT企業の社員によるネット上の救助活動が行われている

衛星から撮影した海上の画像をサーバ上に用意し、手分けしてボートの場所を見つけようというものだ。Google Mapsなどで表示される衛星画像は必ずしも最新のものではないため、NASAなどから行方不明後の最新衛星画像データを随時受け取っているらしい。

手分けの方法は、簡単な、しかしプログラムでは処理が難しい問題を人間にさせるAmazon Mechanical Turk(アマゾン・メカニカル・ターク)が利用されている。通常、数セントの報酬で写真の判定などをおこなわっせるMechanical Turkだが、今回の件は報酬0のボランティアで参加者を募っている

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僕もMechanical Turkに行って、表示された5枚のイメージに船影らしいものが写っているかを判定してみた。しかし、ジム・グレイのボートのサイズは10ドットx4ドットのサイズほどとされており、波が作った模様なのかボートなのかを判断するのは非常に困難に思える。走行中であれば大きな波紋が出るだろうが、波に流されているだけの可能性は高いだろうし。

正直、大量の画像から特徴を抽出することに、人力を使うのが適しているかどうかは疑問が残る。むしろスクリプトで処理するほうがいい問題のようにも思うけれど。

しかし、NASA, デジタルグローブ、マイクロソフト、グーグル、オラクル、アマゾン等々の関係者が企業の壁を越えて協力していることや、過去には考えられなかった方法で海難救助が行われているという点で注目ではある。

時間と興味のある方は、Amazon.comアカウントとMechanical Turkのアカウントを取ってこちらを見てみていただければと思う。