Amazon EC2の新機能ゾーン指定は日本でのサービスの準備となるか?

Amazon Web Serviceのアナウンスで、Elastic Computer Cloud(EC2)の新機能が二つ出てきた。

一つはアカウントに紐づいた固定IPアドレスの提供。これまでインスタンスを再起動するとIPアドレスが変わってしまうため、一般のホスティングに比べると面倒だったけどこの点が解消された。

もう一つはZone(ゾーン)の指定ができるようになったこと。インスタンスを置くEC2サーバのグループ指定ができるようになったため、この前の大規模ダウンのようにAmazon EC2サーバのどこか一箇所が落ちるようなことがあっても、他のゾーンに分散させて配置したインスタンスでサービスの継続提供が可能となる。もちろんそういう風に設計したらの話だけど。Rightscaleブログではさっそく、そのへんを図入りで紹介している。

新しいEC2 API コマンドラインツール(バージョン1.3)を使うと、新コマンドec2-describe-availability-zonesで自分のアカウントが使えるゾーンが見えるようになる。ちょっとした期待を持って自分のアカウントで実行してみたのだけれど、結果はマニュアルと同じでus-east(米国東)が3つ出てきただけだった。

C:work>ec2-describe-availability-zones
AVAILABILITYZONE        us-east-1a      available
AVAILABILITYZONE        us-east-1b      available
AVAILABILITYZONE        us-east-1c      available

開発者フォーラムでも他の地域が出てきたという報告はないので、ヨーロッパにも日本にも現時点ではサーバは増えていないようだ。まあ、増えていたらPR的にはそれをアナウンスするはずだし。

ただ、この仕組みが提供されたことは(アベイラビリティ向上の話もあるけれど)、将来の欧州やアジアでのローカルサーバに向けた準備という風に見てもいいかもしれない。EC2もアメリカ国内で使ってみたら快適に速かったという話も聞くので、ぜひ日本にもサーバ置いてほしいものだ。