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書評: リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法

いただいたもの リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法 副題「達人プログラマーの思考法と学習法」ということで、同じ著者による「達人プログラマー」 達人プログラマー―システム開発の職人から名匠 […]

いただいたもの

副題「達人プログラマーの思考法と学習法」ということで、同じ著者による「達人プログラマー」

みたいな本かと思っていましたが、近い点もあるものの「プログラマー」のところよりむしろ「思考法と学習法」に充填が置かれた本でした。なので、プログラマーに限らず、自分の頭の使い方やその改善方法に興味がある人に向いた本ではないかと思います。
僕は「右脳・左脳」とか「人間の脳の潜在能力」とか「脳をトレーニング」とかそういう話にはあまり興味がありません。人間に限らず、生物の脳が簡単なスイッチみたいに動作の仕組みがわかったり操作できたりするという発想に直感的に同意できないからです。何十年も先には解明されるのかもしれませんけども。
なので、目次を開いて「脳」の字をいっぱい見たときは嫌な感じがしたのですが(書店で手に取ってたらたぶん買ってないでしょうね)、この本では、「右脳・左脳」みたいな占いみたいな話を全肯定はしておらず、現段階の研究成果でわかっていることを引きながら、注意深く脳の活用の仕方について書いてるし、あまりアクロバティックな「○○すると△△が解決する」みたいなことは見当たりません。
たとえば、自分の体で確かめられて実感できた面白い話が載っていました。

椅子に腰掛けて、右足を床から離し、時計回りに回します。そうしながら今度は、右手で「6」という数字を中に書きます。
リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法 p.46より

これ、自分でやってみてびっくりしたので、右足に何が起こるか注意しながらぜひやってみてください。こういった、既に明らかになっていることや最近の研究成果を参照した上で、考え違いや間違いを引き起こす頭の中のバグを避ける方法や、割り込みを避けて集中力を高める方法などが紹介されています。
付録の参考文献の膨大な量からしても、著者は相当な調べ物をした上で、脳の働きについてこれまでのところ「こうではないか」と思われていることを中心に、それをどう実際の仕事や生活に生かせるか、ということを説明しようとしています。

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