Missed Connections 個人広告掲示板の尋ね人をモチーフにしたイラストブログ
アメリカでは新聞の個人広告欄(クラシファイド)が昔から盛んで、それをウェブに持ってきたCraigslist(クレイグズリスト)は素っ気ない機能・デザインながらもアメリカではアクセス数で常に上位10位に入るような人気サイトとして過去10年以上運営されてきています。 中古車の売買や家の貸し借りなどさまざまな掲示板に大量の個人広告が投稿されており、僕もサイボウズのアメリカ子会社の時は求人広告(これは有料)などを出して使っていました。クラシファイドはアメリカでは日常的に使われているけれど日本ではうまくいかないサービスの典型的な例ですね。文化的なものとかいろいろ理由は考えられますが。 多数の掲示板の中には、出会い系(Personals)もあり、日本で最近Craigslistに関して出てくるニュースは、この出会い系掲示板を使った売買春や殺人事件のニュースなど、おどろおどろしいものもありました。 そのようなカテゴリの一角に、Missed Connections、という掲示板があります。「すれ違いの関係」とでも訳すのでしょうか。ここは、パーティーで会ったり街角ですれ違ったり見かけたりしたけれど、名前や連絡先を訊くようなチャンスはなかった、という相手(異性・同性両方あります)に対して、会いたい、とか連絡したい、とかいう呼びかけをするための掲示板です。 ニューヨーク在住のイラストレーターSophie Blackallさんが続けているのは、そんな「尋ね人捜し」の文面をイラストに起こすこと。専用のブログを作って、一か月に数本ぐらいのペースでイラストを公開されています。
2009年4月26日(日) – 女性を捜している男性 – 24歳 ウィリアムスバーグのスキルマン通りでのバーベキューで、すばらしい手染めのドレスを着てたけど、誰かにワインをかけられてた君へ。君はあまりに早く去っていってしまった。もう一度会いたい。
2009年3月9日(月) - 女性を捜している男性 -28歳 君はギターを持ってて、僕は青い帽子を被ってた。地下鉄の駅でお互いに気づいて微笑みを交わしたね。僕はニューヨーカーを読んでる振りをしてたけど(君が気になって)集中できなかった。君はQラインに乗って、僕はBラインに乗るためにホームに残った。君はとてもキレイだった。
実際に起こってたこととは本人も周りも違う認識だったりするかもなあ、など野暮なことも思いつつ、尋ね人捜しという掲示板の性格から来るロマンチックな書きこみと、それをいい感じで起こしたイラストは、読んでいて楽しいです。 この墨汁と水彩画で描かれた一連の絵は、手作り品の販売サイトEtsyで一枚40ドルで売り出されています。また、出版のオファーもあって現在交渉中だとか。 via New York Times Bitsブログ via Mashable