カテゴリー
書評

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか

いただいたもの 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか 型破りに顧客志向のカスタマーサービスを行うことで有名になったオンライン靴店ザップス社の創業者が、ザッポスの創業から成 […]

いただいたもの

型破りに顧客志向のカスタマーサービスを行うことで有名になったオンライン靴店ザップス社の創業者が、ザッポスの創業から成長の歴史を中心に振り返った本です。
本書の前半、
– 子供の頃、親に命じられたバイオリンの練習をどうやって(技術的に)サボったか
– オラクルに勤めながら始めた副業のウェブ制作でどうやって顧客を見つけたか
– ポーカーの勝ち方から、ビジネスの進め方を学ぶ
といった、ザッポス以前の著者のエピソードから、いつもより良い方法はないかを考え続ける人となりが伺えます。
また、社内システムを使って社員同士の認識をテストし、交流を推進するという仕組み「フェース・ゲーム」のところは面白いですね。サイボウズでも社員の自己紹介を順番に日替わりでポータルのトップに表示するなどというのをやっていますが、見せるだけじゃなくてテストにしてしまう。
全体を通して、ザッポスという会社が社員と作ってきた独特のチームには、過去に日本企業がやってきて、当時は日本企業の強さの秘密、と言われたこととの共通点が多いように感じました。社員を家族扱いし、勤務時間以外でも社員同士で遊ぶことが多いとか、自分の担当権限よりも目の前の顧客のことを考えてできることを行うとか、入社時の研修として職種に関係なくカスタマーサポートの最前線に出てサポート業務を数週間担当するとか、 アメリカの企業から見れば異質でしょうし、それがザッポス社を有名にしたのでしょうけれど、こういったことは伝統的な日本企業の観点ではそれほど奇異とは取られないでしょう。入社直後に長期顧客のそばに行くなんていうのは、松下電器とかが新卒に販売店に行かせるのと同じですよね。
そういう古い感じの体育会的なノリ、僕は個人的には好きじゃないですが、それがはまる会社・チームを作って、アメリカで顧客に「新鮮な驚き」を与えられたのが、ザッポス社成功の理由なのかもしれません。

[書評に関する注意書き]

  • 貰って書いた本についてはその旨記述します
  • このブログはサイボウズ・ラボの社員ブログなので、秋元個人に献本いただいても、何でも自由に書けるわけではありません。
  • もちろん、書評以外の他のブログエントリもそうですが、社員ブログではあってもサイボウズ・ラボ全社やサイボウズ・グループの意見を代弁してるわけではありません。
  • 献本いただいても必ず読めるわけでも、ご紹介できるわけでもありません。読書の速度は遅いので、発売前や発売直後に送っていただいても、ご紹介が半年後になるようなことも多々あります。