WhatsAppの共同創業者、FacebookやTwitterへの転職に失敗していた
FacebookがメッセージアプリのWhatsAppを190億ドルの大金で買収することになりましたが、そのWhatsAppの創業前後に、創業者とFacebook社の別の弱いつながりがあったという話です。
WhatsAppの共同創業者であるブライアン・アクトン氏は、2009年の5月に、ツイッターへの転職を試みていたそうです。
https://twitter.com/brianacton/statuses/1895942068
ツイッターから拒絶された。まあそれはいい。長い通勤時間になりそうだったからね。
最後はちょっと「酸っぱいブドウ」入ってます。
同じく2009年の8月のツイート
https://twitter.com/brianacton/statuses/3109544383
Facebookに落とされた。素晴らしい人たちと繋がれる大きなチャンスだったのに。人生の次の冒険を探さなければ。
「次の冒険」が190億ドルの巨大サービスを生み出すことになるとは。
もう一人の創業者ジャン・コウム氏とYahooを退職したのが2007年、WhatsAppという名前を決めたのが2009年の2月。リリースしてみたWhatsAppが伸びなくて諦めようとしていたコウム氏を、自分もうまくいってないアクトン氏が激励するという状況だったそうです。
アクトン氏がYahooの元同僚たちから出資を得てWhatsAppに正式に合流したのが2009年の11月1日ということ。
TwitterかFacebookがアクトン氏を採用していたら、WhatsAppは共同創業者と最初の出資を失っていたかもしれないですね。そうなった場合にはたしてWhatsAppが今のような人気サービスになっていたかどうか。
かといってアクトン氏がFacebookに入っていたら、Facebookの中からWhatsAppのようなサービスが生まれていたというわけではないでしょう。
この逸話は、FacebookやTwitterのような勢いのある企業でも、できそうな人材を見極めるのがいかに難しいか、というのを示していますね。
WhatsAppに入り損ねた人の話
最近までFoursquareでエンジニアをしていたピート・ノフェルトさんは、昨年LinkedInで届いていたメッセージの話を披露しています。
WhatsAppの創業者であるジャン・コウム氏から、「やあ、Foursquareではどんな調子だい?」というメッセージを受け取っていたのですが、これを無視してしまっていたということ。「返事をするべきだったメッセージ」というフォルダに入れて保管することにしたそうです。巨額で買収されたとはいえ、WhatsAppはいまだ社員50人程度ということですし、返事をして転職でもしていれば、この人も買収の恩恵に預かれたかもしれませんね。
もっとも、ノフェルトさんはFoursquareでの仕事を楽しんだし、後悔はしていない、ということですが。
リアルタイムの記録が多数残る世界に
成長した企業の創業初期のエピソードは面白く、アップルやマイクロソフト、グーグルなどの初期の話もいろんなところで書かれていますが、それらは当時の初期メンバーや周辺の人の思い出を聞き取ってまとめる形で成立していることが多いかと思います。今回の買収では、ツイートやLinkedInなどのソーシャルメディアの当時のメッセージが、周辺や本人の手によって発掘されてサイドストーリーとなって報道にも出てきていますね。
via Facebook turned down WhatsApp co-founder Brian Acton for a job in 2009 - The Next Web, WhatsNotApp: When Ignoring LinkedIn Messages Is a Bad Idea | Re/code