Category Archives: 社会

落とした財布が戻ってくるか世界40か国で行われた実験結果

世界の40の国、355の都市で17000個の財布を落として実施された大規模な社会実験結果が発表されました。

「落とされた」財布には、以下のようなものが入っています。

  • 現金 米ドルで$13.45(¥1,430) 相当を現地購買力に合わせて補正した現地の通貨
  • 同じ名刺が3枚 メールアドレス入り (現地によくある男性名で、現地語)
  • 買い物リスト (現地語で)

財布によって条件を変えて、結果にどう影響するかも調べたそうです。たとえば、現金は入れない”No Money”の条件。鍵を入れる入れない、など

これを、銀行、劇場や美術館等、郵便局、ホテル、警察署、裁判所、などの受付に「角にこれが落ちてました。私は急ぐのでこれで」と連絡先を教えずに去り、中の名刺に書かれた連絡先に連絡が来るかどうか、を調べたそうです。

お金を入れたものと入れなかったものの二つを国別にプロットしたのがこちらのグラフ。

40か国中38か国で、お金が入っていた方(赤い点)の方が、持ち主に戻ってきています。お金が入っている方が、「持ち主に届けなきゃ」という気持ちが出るのですね。メキシコとペルーのみ、現金が入っていない方が財布の戻りは良かったそうですが、その差もそれほど大きなものではありません。

また、「お金だけ」「鍵だけ」などの対照実験では、鍵が入っていた場合の戻り率が高かったということ。鍵を亡くしたのは困っているだろう、という他者への想像力でしょうか。

なお、「戻ったかどうか」は、100日以内に名刺のメールアドレスに連絡が有ったかどうか、で判定しているそうですが、その後に実際に財布が戻った際に、現金が抜かれたうえで戻ってきた率は2%以下に過ぎなかったそうです。

北欧諸国では8割の財布が戻ってきたそうで、すごいですね。実験対象に日本が含まれてないのが残念です。日本も自己イメージとしては落とし物が戻りやすい国ではないかと思いますが最近どうなんでしょうね。

via Bored Panda

Q – 性別のない合成音声=ジェンダーレス・ボイスを各社音声アシスタントに採用呼びかけ

Q は、グーグル/アップル/アマゾン/マイクロソフトなどIT大手のスマートスピーカーや音声アシスタントに向けて提案された、男性でも女性でもない合成音声です。

サイトトップでクリックすると、その男女どちらでもない合成音声を聴いてみることができます。

デンマーク・コペンハーゲンのLGBTパレード団体やAIのバイアス問題に対処しようという団体らによって制作されたこの音声は、GoogleアシスタントやAmazonアレクサなどの音声アシスタントの音声が「男性声」「女性声」からの選択を強いていることに対する問題提起だということ。

言われてみれば、機械で合成しているのだから人工音声で男性か女性の声を選ばないといけない理由はないわけです。

「テクノロジー企業は、合成音声の性別を選択できることで人々がより快適になると信じ、性別をテクノロジーに持ち込んでいます」

「残念なことに、これらによって性別が必ずはっきりどちらかの2つに分かれる、というステレオタイプの永続化が補強されてしまうのです」

なるほど。応答ができて情報が返せればいいのですから、機械の合成音声にわざわざ性別を与える必要はないのかもしれません。男性声・女性声が今すぐ無くなるとは思えませんが、中性声を追加することはそれほど抵抗なく採用してもらえる可能性もあるのではないでしょうか。

このQの音声モデルは、数千の候補者から数人を選び、その人たちに話してもらった声のピッチを変換することで作ったと、紹介動画にありました。

「世界初のジェンダーレス音声」とサイトでは言っています。これまでも中性的な音声合成はいろいろ存在していたと思うので、世界初は言い過ぎではないかとも思いますが、ジェンダー中立を訴えて作成されたという意味ではこれまでになかったものでしょうか。

via Hacker News

Gmail の文章サジェスト機能、ジェンダーバイアスの強化を避け性別の人称代名詞を(当面は)避けることに

次を予測して文章を提案してくれるスマートコンポーズ機能

Gmail の実験機能の一つに、スマートコンポーズ(Smart Compose)という機能があり、Gmail の言語設定を英語にした上で設定でオンにすると使えるようになります。

この機能は、途中まで入力した文章を基に、全文を予測してグレーの文字で提案してくれるという機能です。

日ごろから日本語入力でIMEを使っている我々にしてみれば、入力時にある程度先を提案してくれる(たとえば、「おは」と書いたら「おはようございます」が候補に出る)のは英語圏の人たちよりもなじみ深い仕組みかと思います。Gmail の Smart Compose は、それを文の終わりまで拡張したようなものになります。

実験機能でオンにしないと使えないとはいえ、Gmail から送られるメッセージの11% でこの機能がオンにされているということで、英語圏のヘビーユーザーは結構使っているのかもしれません。

データ学習から提案される ‘he’ や ‘she’ のバイアス

ところが、Gmail の担当チームは、このサジェストが ‘he’ や ‘she’ といった三人称の人称代名詞を、既存データのバイアスに影響されて選んでしまうことに気づいてしまったそう。

「私は来週投資家に会うつもりだ。君も…」 と書こうとすると「…に会うかい?」と、必ず「彼」が出てきたというのです(「投資家」の場合)。

Google が持っている膨大な文章データから自動生成するとそうなる、ということで、特定の職業の性別を男女どちらかに推定しまうことに Google 自体の罪があるわけではありません。多くの人々が内包しているバイアスなのでしょう。

しかし、このようなサジェスト機能をみなが使い続けると、サジェストがまた次に生み出される文章のバイアスを強化してしまう可能性がありますね。バイアスの無い she/he の提案が今は難しいと考えたチームは、さしあたりこのような提案になる場合は提案そのものをしないという決定を下したそうです。

via Reuters via TheNextWeb

ファイナンシャル・タイムズ、「識者のコメント」の女性比率が低いと警告するボットを開発

イギリスの経済紙 Financial Times が、記事に登場するコメント者の男女比率を改善すべく、コメント者が男性ばかりだと警告する仕組みを導入したと、ハーバード大のジャーナリズム研究機関ニーマン・ラボ英ガーディアン紙が伝えています。

代名詞(she や he でしょう)やコメント者の氏名のファーストネームから性別を推定して、記事に出てくる登場人物が男性ばかりの場合に、編集者に警告を出すそう。

現状はというと、記事に登場する人物やコメントを求めた識者の21%だけが女性。現読者層は男性が優位な Financial Times ですが、読者投稿欄でも女性のコメントを積極的に求めるなど、女性読者を増やし男性の意見に偏らないことを目指しているらしいです。

こういったプログラムの助けなしでも気をつけていた編集者はいるのかもしれませんが、実際の結果として女性の話をあまり取り上げていなかったとすれば、その不均衡を警告してくれるはいいことかもしれませんね。

「平等」と「公平」の図 (Equality and Equity)

Robert Wood Johnson Foundation が作成したインフォグラフィック「平等(Equality)と公平(Equity)」

Equity bicycle graphic, English, green background.

「全員に同じ自転車を与えることは、全員に健康になる機会を与えることとは違う」というのを一目でわかるように表した画像ですね。

同じ “Equality and Equity” という題では、こちらの絵やその派生したものもネットではよく見かけます。こちらは Interaction Institute for Social Change のアンガス・マグワイヤさん(Angus Maguire)の手によるもの。

世界各国の観光スローガンをまとめた世界地図

Family Break Finder の手による世界地図は、各国の観光スローガンをその国の上に描き込んだ、観光スローガンマップ

every-countrys-tourism-slogan-large

日本の場合は、“Endless Discovery”(終わることのない発見)という英語スローガンがあるようです。

japan-endless-discovery

他に”discover”を使っている国は以下のとおり

  • ブルガリア: A discovery to share (発見してシェア)
  • ガイアナ: South America Undiscovered (未発見の南アメリカ)
  • モルドバ: Discover the routes of life (人生の根っこを見つけよう)
  • セントビンセント・グレナディーン: Discover SVG (SVGを見つけよう)
  • UAE: Discover all that’s possible (できること全部見つけよう)
  • バヌアツ: Discover what matters (大切なことを見つけよう)

“explorer”を使うカナダやザンビア等も、意味合い的には似たようなもの。

“endless”を使っている国は他にありません。

また、”beautiful”を使ってる国は多数あり、アルメニア、バングラデッシュ、ブルンジ、サモアなどは、「美しいアルメニア」「美しいバングラデシュ」… とシンプル。まあとにかく美しいのか、他にあまり言う事もないのかな、という感じもします。

この地図の基となるデータは、そのスローガンが本物であるという根拠のURLつきでGoogle Spreadsheetで共有されています

世界各国の政府や観光局が考えに考えて編み出したスローガンなので、町おこしなどのキャッチフレーズを考えるときなどに参考になるところもあるかもしれません。

via Geekologie

IKEAの店内に内戦下のシリアの家を再現

ノルウェーの首都オスロ、イケアのスレペンデン支店に、イケアが赤十字に協力して作成した「シリアの部屋」が展示されているそうです。

[map]Nesbruveien 40, 1396 Billingstad, Oslo Norway[/map]

崩れた家の中に、寄り添っての不安な暮らし

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上の動画にあるようなシリアの困難な暮らしぶりを、オスロのイケアが協力して、店内に他のモデルルームと同じように公開しています。

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イケアのよくあるマニュアルイラストですが、表現されるのはたいへんな頻度の空爆。

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イケアの店内に、他のモデルルームと同じように設置されたシリアの部屋

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ダマスカス郊外にある、ラナとその家族9人が住むシリアのアパートを再現しています。

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価格タグには、銃火の中、シリアの人がどのように暮らしているかが解説されています。食料や薬品の配給に並ぶ様子や、どのようにして生き延びているのかを。そして、どうしたらこの人たちを支援できるかという情報も。

IKEAのモデルルームは、普段は理想の幸福な暮らし方を再現して見せてくれていて、IKEAに行ったことがある人ならどんな感じかを知っているわけです。そこでこのような遠地のリアルを展示することで、あちらとこちらの対照を際立たせることに成功しているのではないでしょうか。

via Ufunk.net