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ChatGPT で文面を書き換えることで Gmail のスパム(誤)判定を突破する

Tor ノードの運営者が Tor の濫用に関する苦情メールに返答する際に使うテンプレート文面でメールを送ろうとしたとき、Gmail のスパムフィルタにスパム認定されてしまったそうです。

この運営者は ChatGPT を使ってメール文を書き換えさせると、Gmail がスパムと判定しなくなったのでめでたしめでたし、という話。

書き換えてください(reword)で実際にどんな細かな指定をしたのかは書いていないのですが、少し長くなった文章でメールを送り直すと、こんどはスパム認定されなかった。今後はスパム認定されるたびに ChatGPT に書き換えさせようかな、と言っています。

今回はスパムでないメールを通すための正当な ChatGPT の利用でしたが、スパマーがスパムフィルタをかいくぐるために ChatGPT やそれに類する機械学習ツールを使うことは容易に予想できますし、すでにそれは行われているのかもしれないですね。便利なツールを使いたい人は善悪に関わらずいるわけで。

via Hacker News

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Slackクライアントで相手が削除したメッセージを残すパッチスクリプト

SharonBrizinov/slack-anti-delete は、Slackクライアント上で相手が消したメッセージをこちら側では残したままにする、というツールです。

管理者が「メッセージは削除できない」設定としていない限り、Slack で送ったメッセージは編集したり削除したりすることができます。チャット相手のクライアントではそれらは無かったことにされタイムラインから消されます。

しかし、このツールを使うと相手が削除してもメッセージが残り続けると。

Slack社が作っているクライアントでどうやってそんな改造をするのかな、と思ってみたら、Slack の実行ファイルの場所を見つけ、クライアントが呼び出している JavaScript ファイルのキャッシュを探してそれらの動作を書き換える Python スクリプトという力技でした。

Windows も対応というので試してみたところ、確かに相手が消したはずのメッセージが残り続けます。

ツールを使って削除メッセージが消えないようにした様子を再現

作者がこのツールを作った動機は、友人の愚痴で以前の上司が品の無いメッセージを彼に送ってはすぐに消す、という行為を繰り返していて、その件について上司を詰めようとしたけれど(消されているから)証拠が何もなかった、という話を聞いたことによるものだそうです。

この件だけ見るとパワハラやセクハラの告発として使えそうだし、ツールの意義もあるかもです。Hacker News の議論では「相手が消したつもりのものを収集するのは可能であっても倫理的にどうなんだ」という意見も出てはいます。

まあ、Slack API で連携させたツールから全部を保存してるような場合もあるだろうし、消されたメッセージを残す方法はこれに限らないところではあるので、消さないといけないような発言はするな、というのはまず基本ではありますが。

間違って書かれたものが残ると困る場合として、パスワードを間違ってSlackに打ち込んだ場合があり、実際にPCにログインするつもりでPCのパスワードを同僚に送ってしまった場合など、消して済むなら消えてるのが望ましい場合もあるでしょう。ただ、どのみちこのパスワードは直ちに変更しなければいけないでしょうけど。

twitter などでも有名人が「まずい」と思ってかすぐに削除したはずのツイートがフォロワーのtwitterクライアントにはずっと残っていて、そのスクリーンショットが流出して批難される、なんていうことも起こりますよね。送り側の消して無くしたい気持ちと受け手側の消せば無かったことになるのかという気持ちの狭間で、送ったメッセージの削除をどうするかについて人々の意見はわかれるところなのかもしれません。

via Hacker News

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なんでも自動化するエンジニアが残していったライフハック・スクリプト

元々はロシア語の掲示板に出ていた、職場での小さなことをなんでも自動化していたハッカーの話が英語に翻訳され、Hacker News等で話題になっています。

xxx(ハンドル名): オーケー、ビルド担当エンジニアが転職で辞めちまった。本当にターミナルに住んでるようなやつだった。わかるだろ、Vimが大好きで、.dotファイルで図を描いて、Markdownでwikiに投稿するようなタイプさ… もし何か、そう何でも、90秒以上掛かるようなことがあったら、スクリプトで自動化しちゃうんだ。

xxx: そういうわけで我々はここにいて、彼の、そう、「遺産」を見てるところだ。

xxx: きっと気に入ると思うよ。

xxx: smack-my-bitch-up.sh(アバズレをしばく.sh) – 「遅くなる」というSMSを彼の妻(を指してるのは明らかだろう)に送る。文字列の配列からランダムに理由を選ぶ。cronジョブで動き、そのジョブは夜9時以降にSSHのセッションに彼がログインしていたら発動するんだ。

xxx: kumar-asshole.sh(ろくでなしクマー.sh) – “Kumar”氏(我々の顧客企業のデータベース管理者だ)からのメールを受信箱からスキャンする。「助けて」「問題」「すいませんが」といったキーワードを探し、もしそれらが見つかったら – 顧客サーバにSSHでログインし、運用サーバを直近のバックアップに巻き戻す。そして「大丈夫だ。次は気をつけてくれ」と返事をする。

xxx: hangover.sh(二日酔い.sh) – 特定の日(訳註: コードを見ると平日)にセットされたまた別のcronジョブ. 「気分が優れない/家から働くよ」のようなメールを自動で送る。定義済みの配列からランダムに「理由」を追加する。朝8時45分にサーバ上に有効なセッションがなければ起動するようになっている。

xxx: (優勝はこれだな) fuckingcoffee.sh(*ピー*コーヒー.sh) – きっかり17秒(!)待って、コーヒーマシンにSSHでセッションを開き(コーヒーマシン上でlinuxが走り、ネットに繋がってSSHDが走ってるなんて知らなかったよ)、なんか謎のデータを送る。何かのバイナリだ。どうも、それによってマシンが中サイズのハーフ・カフェ・ラテをカップに淹れるのにそこから24秒(!)かかるんだなこれが。淹れ終わるタイミングは、まさにヤツの机からマシンのところまで歩くのに掛かる時間だったんだよ。

xxx: なんてこった。俺もこのスクリプトを使うぞ。

WTFPLライセンス下での翻訳。(英語記事のリンクはshellスクリプトを指していますが、GitHubにあるファイルでは .sh は空で .rb に実体があるものもあるので、どちらがオリジナルかはわかりません)

shellやRubyで書かれているスクリプトがGitHubに公開されていて、すでにPython移植版を書いて上げているユーザーもいます。ここにいろんな同様のスクリプトが増えていくかもしれないですね。要ウォッチかもしれません。

[追記]

なるほど

そして HTCPCP (Hyper Text Coffee Pot Control Protocol) なんてプロトコルも。

via Business Insider and Venture Beat