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Primer – 壁を塗らなくても、ARでどんな内装になるか再現するアプリ

Primer(下塗り) のサービスは、スマートフォンを通して撮影した部屋の壁を、提供された柄や質感のペンキ・壁紙・タイル等に置き換えて見せるというものです。

この画像では、左手奥の壁に、実際に入手可能な壁紙を貼った状態を見せています。凹凸のあるタイルをいくつも試している動画もあります。

どこがどのように壁になっているのかを知らせるために、家具の存在や壁までの距離等を、まずアプリで撮影しながら動いて測るようですね。

今だと、部屋の壁を塗るのは、やってみないとわからないところはありますよね。改装してから「なんか思っていたのと違う」なんてことも多いでしょう。

こんな風に、塗ったり貼ったりする前に部屋全体がどんな印象になるかわかれば、そういった失敗もかなり減るのではないでしょうか。

技術自身のデモとして iOS アプリがリリースされているのですが、日本からはダウンロードできなかったので試すことはできませんでした。アプリで紹介している壁紙類も日本で買えないものが多いだろうとは思いますが、遊べたら楽しそうなアプリです。

既に多くの壁紙やタイルのベンダーと提携しており、それらブランドから提供された実際の素材を、凹凸なども含めて Primer の中にデータとして再現しているようです。

内装業者等に向けてはこのスマートフォンアプリに搭載されたAR技術を販売し、内装材ベンダーにはデジタル化やそのデータの掲載を売るというビジネスモデルなのでしょう。ARで壁の色を変える、だけだと今時他でも作れそうですが、実際の内装材ブランドと協業できているところが実用的なのではないでしょうか。

公式ブログでは他に、今は少量のサンプルを複数提供して小さく合わせることが多いのに対して、サンプルが不要になる点、遠方にあるクライアントに一々業者が訪問しなくてもブランドや柄の選定がクライアント自身である程度行える点、なども利点だとしています。

https://apps.apple.com/us/app/primer-supply/id1451986109

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Roomality – リアルタイムCGと顔位置追跡で壁面にリアルな景色を再現

Roomality は、壁に掛けた大画面液晶に実写のように合成した景色を描画するという製品です。

デモ動画で映される窓の外の風景は、森の中の渓流、宇宙空間、地球を見上げる月面、雪の降る森、山の上から見る山並みなど。これらすべてが Unreal Engine を使ったCGで描かれているそうです。

最近のオープンワールド系ゲームの中の景色のリアルさを見れば、リアルタイムでこれぐらいの風景が描けること自体はもう驚きでもないのかもしれません。しかし、Roomality はただ合成した景色を映すだけではなく、カメラによるフェイストラッキングを使って見ている人の視点にあわせた描画を行うということ。これにより、部屋の中で自分が位置を変えると、窓の外(=というテイの大画面)に映る景色もそれに連動して描かれ方が変わる、というわけ。

デモを見た限りでは、ほんとうにその大画面が窓であり、窓の外にその景色が広がっているかのようです。

視点の位置をカメラで見てその人視点の3D画像を表示するというのは、実はNintendo 3DSとかでもだいぶん前にやってたみたいで、まったく新しい話でもないみたいなのですが、それをフェイクの大窓とその景色に使うのは面白いし、景色の良くない我が家にもぜひ欲しいなと思いますね。

今後の計画として、窓一面を画面にしてしまいテラスやバルコニーに出ていけそうな体験を再現したり、全方向の壁をディスプレイにしてより完全に近い没入感を実現したり、を考えているそうです。

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窓の無い部屋にLEDで太陽光を再現する Coelux

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窓の無い部屋にLEDで太陽光を再現する Coelux

イタリアのインサブリア大学からスピンアウトした Coelux は、サイトの売り文句によれば、そこが屋外であるかのように見えるLED照明パネルです。

次の写真、天井に穴が開いた部屋ではなく、Coelux を天井に設置した、窓の無い部屋だということです。

coelux

太陽光のスペクトルを再現するLED、太陽と空の距離の違いを再現するような光学的処理、によって、青空の太陽を数ミリの厚さのパネルに作り出しているというのがプロジェクトを率いるPaolo Di Trapani教授の説明。

coelux-tropical

Coelux はまた、光の角度や光の強さを変えることで、トロピカル風、地中海風、北欧風、の3つの異なる空を作り出せる、と言っています。

coelux-mediterranean

地下室などにあると良さそうですし、東京など不動産の高いところではありがちな、うまく採光ができないような部屋とか、隣のビルで昼でも真っ暗な部屋とかが多少はましに使えるようになるかもしれません。

テストでは閉所恐怖症の人にも好評だったということ。どれぐらい「自然な光」なのか、サイトの写真だけじゃなくて実物を見て確かめたいところですね。公式ブログによればイタリアでは一般への展示なども始まっているようです。

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地下鉄の天井に空を映す巨大電子ペーパー Digital Canopy

via World Architecture News.com via Inhabitat