カテゴリー
ツール

Macintosh.js – Mac OS 8 エミュレーター in JavaScript on Electron

1991年発売の Macintosh Quadra 900 に載っていた Mac OS 8.1 のエミュレーターを、Electron アプリとしてパッケージし、Mac/Windows/Linux で動くようにしたプロジェクトが Macintosh.js です。

Mac OS 8 は Basilisk II というエミュレーターによるものということで、オリジナルの Mac OS 8 とは異なる実装なのでしょう。入っているゲーム類は 1997年の MacWorld で配布されたデモCD を取り込んだものだとか。デモCD なので配布することに問題ないということなのかな。デモCDを作った側も、20年以上経ってこんな形で使われるとは予想していなかったのでは。

[訂正 7/30]

Basilik II は68000系のエミュレーターで、Mac OS 8 の実装は無関係だという指摘をいただきました。その通りのようで、確認不足でした。

Demo CD のアプリを入れて配布、とあったのでいろいろ配慮されているのかと早合点しましたが、Macintosh Quadora を持っていてMac OS 8 のライセンスもある人、とかでないと動かすのは問題あるかもしれません。

[訂正終わり]

Basilisk II のC++コードを Emscripten で WebAssembly に変換し、JavaScript で動かす。バイナリファイル一つで起動できるようにそれを Electron でパッケージする。それで出来上がったのが1991年のマック環境の再現、というのが努力の無駄遣い感にあふれてていいですね。

Windows のインストーラーからしてこんなのですから。

Internet Explorer と Netscape も入っているということですが、インターネット周りについては「あまりにも30年前は事情が違っていて」今は使えない、と。実際開こうとしても DNS エラーになりました。

via Hacker News

カテゴリー
ネットのサービス

ZTranslate – OCR+機械翻訳でゲーム画面を自動翻訳するサーバ

Ztranslate は、ゲーム画面のスクリーンショットを自動で翻訳してしまうというサービスです。たとえば、日本語でしか存在しないゲームを、英語でプレイすることができるようになります。

左がオリジナルの日本語版。その日本語によるテキスト表示部分が、右側のウィンドウでは英語で表示されています。

ユーザーの依頼タイミングで翻訳する自動モード

ZTranslate の自動モードでは、ゲームプレイ中にチルダキーを押すことで、スクリーンショットがZTranslateのサーバに送られます。サーバではまずGoogle OCR API を使って画面中の文字列を読み取り、さらにその読み取った文章を Google Translate API を使って翻訳、元の文章の位置に差し替えた画像を表示することで、自分が読める文章のゲーム画面が得られるといいます。

自動モードの動画がこちら。

オリジナル画面で表示されたものを翻訳した画面が右側に表示されるのに、12,3秒ぐらい掛かっていますね。これは二つのAPIの呼び出しにそれだけ時間が掛かっているのだと思われます。いずれはより短時間で返ってくるように技術が進むでしょうけれど、ゲームプレイ的にはちょっと不便そうです。

複数ユーザーの共同作業でリアルタイム性を改善するパッケージモード

そこで、もう一つのパッケージモード。こちらは、一度変換された画像を蓄積しておき、さらに参加ユーザーが人力による翻訳の改善を反映できるモードだそうです。ゲームプレイの画像が常時サーバに送られ、その画像に対応した翻訳後の画面がリアルタイムで表示されます。

パッケージモードのデモ動画はこちら。

英語版のゲームを、ドイツ語で翻訳表示し、さらに音声合成でゲーム中のナレーションを喋らせています。ゲームに対する入力は左側のオリジナル画面に対してやらないといけないようですが、外国語のゲームを遊ぶ不便さはほとんど解消されているように見えますね。

エミュレーターがZTranslate対応

半年前にはリリースされていたらしいこの ZTranslate サービスを今回知ったのが、RetroArchi というエミュレーター用UIの新機能リリースでした。複数のレトロゲーム機エミュレーターをたばねて使えるツールのようですが、これの新バージョンが、ZTranslate の呼び出しを内蔵するようになったというニュースです。

こちらの新機能デモ動画では、アクトレイザーという日本のゲームを動かしつつ、出てくるメッセージが英語で読み上げられる様子を流しています。

主人公の名前を入れるところ、ひらがなからしか選べないので困ってますね。OCRと自動翻訳だけではどうしようもない箇所があることもわかりますが、それでもわからない言葉のゲームをこれだけ遊べるのはすごいと感じます。

ゲーム機のエミュレーターについては、本来所有しているカートリッジから自分でデータを吸い出して遊ぶ分には合法なものの、ネット等に流れている不正コピーで遊ぶユーザーも確実に存在するわけです。

映画や漫画でもそうですが、自分の国で公式の翻訳版が発売されないとか、翻訳版が登場するのに長い時間が掛かるとかが、ファンによる勝手な翻訳が配られる理由の一つと言われていますね。

エミュレーターでの利用よりも、権利を持っている公式こそが、こういったOCRや自動翻訳の仕組みを活用して、100%完璧ではないけど多くの国や言語に同時に近いスピードで翻訳版を届ける仕組みを作ってくれると良さそうだし、上記のような勝手な海賊版対策にもなるように思います。

そういう意味でZTranslate は面白いプロジェクトだなと思いました。

カテゴリー
ガジェット

Hyperkin Smart Boy – ゲームボーイのカートリッジをAndroidに挿す

ゲームグッズ販売の Hyperkin がゲームショーE3で展示したのが、こちらの Smart Boy

(credit:  Neowin)
(credit: Neowin)

Android にくっつけて、後ろ側にはゲームボーイのカートリッジが挿せる、というデバイスです。

(credit:  Neowin)
(credit: Neowin)

Android 上でエミュレーターを動かせば、今でも遊べないことはないんでしょうが、カートリッジの中のデータを取り出さないといけないので、敷居は高いでしょう。

カートリッジをそのまま挿して遊べるなら、昔買ったカートリッジや中古ショップやオークションで買ったものをそのまま使えるわけで、レトロゲームファンには嬉しいデバイスかもしれません。

スマートフォンのタッチスクリーンで操作するよりも、本物のような物理ボタンで操作できるという点でも、再現度は高いと思われます。

もともとは、2015年のエイプリルフールに発表された嘘ニュースだったらしいのですが、反響が良かったらしく、今回製品化することになったということです。元ネタでは iPhone 6 以降の対応となっていますが、E3の展示では Samsung の Android 機で動いていて、12月の発売でも Android 用になるということです。

via Neowin