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DHMO(Dihydrogen Monoxide)ジョークでラジオ番組が炎上、DJは謹慎処分に

DHMO(一酸化二水素)といえば、知っている人はニヤニヤできるけれども知らない人は恐怖を覚えるという謎の化学物質ですね。

過剰に摂取すると死に至るとか、濃度の濃い中に頭を突っ込むと呼吸困難になるとか、様々な危険性を持つDHMO。化学式などを添えて小難しい解説がついてくると、なんでも疑うことなく信じてしまうような科学にうとい人をからかうための、ネットでは定番のアイテムです。2003年にはカリフォルニア州でDHMO禁止の法案が提出されそうになったこともあるとか。

しかし、今年のエイプリルフールにアメリカ・フロリダ州のFMラジオ局Gator CountryでこのDHMOネタを披露した二人のDJは、出演禁止の謹慎処分を喰らってしまったというのです。

何年もやっている番組で、毎年エイプリルフールにはウソをつき、番組の節々で「今日はエイプリルフールです」などと伝えていたにも関わらず、「この地方の水道管から一酸化二水素が検出されました」という話を聞いて心配したリスナーの問い合わせが水道局に殺到しました。この騒動を受けて、ラジオ局の重役たちは謝罪とDJの謹慎を決定してしまったということです。

このニュースに対するネットでのコメントは、おおむねDJ側に同情的です。一般人がこの程度の化学知識を身につけられない教育制度の不備であるとか、わからない単語はまずネットで検索してから騒げとか、大騒ぎした人たちに対しての批判が並んでいます。

でも、水のことをわざわざDHMOなどと言い換えているから騙されたわけで、DHMOが全員が必ず知っているべき知識だとも言えないと思います。知っていた人だって、前に見聞きしたことがあるからジョークとわかっただけで、知らずに水のことだとわかったかどうか。このあたりは広い対象に向けてジョークを発する時の難しいところですね。

なお、二人のDJの謹慎は数日で解けたそうです。当局や被害者から訴訟を起こされるようなことも無いようで、ちょっと安心というところですか。

via “Dihydrogen monoxide” joke gets DJs suspended | Ars Technica