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ネットの事件

デリバリーで頼んだ有名店がニセモノだった – サンフランシスコで日本食の店名乗っ取り事例が発生

フグ寿司(Blowfish Sushi)と和牛マフィア(WAGYUMAFIA)、サンフランシスコ市内で Uber Eats などによってデリバリー販売されていた2つの日本食料理店が、店名やロゴを騙っただけのニセモノだと判明した、というニュースが出ました。

サンフランシスコ・ミッション地区の Blowfish Sushi は20年以上続いた営業を昨年12月に終了し閉店した有名日本食店。

この店の名前とロゴをそのまま使った店が、まったく同じ場所にデリバリー専門店としていつのまにか開店していたのを、最近になって本物の Blowfish Sushi のオーナーが現地で発見し、そこにいた従業員らと問答となり警察を呼ぶまでに至ったということ

このニセ Blowfish Sushi、Uber Eats や Doordash などのデリバリー業者にしれっと登録しており、本物がデリバリー業態で復活したのかと思って注文してしまう人や、食べたレビューを投稿する人もいたとか。

店は名前もロゴも変え、各デリバリー業者も登録を取り消したということなのですが、ニセ Blowfish Sushi の従業員に聞いても、店のオーナーが誰なのかわからない、などと答えているそうです。

名前を騙ってビジネスを横取りということだと、インターネットで古くからあるドメイン乗っ取りを思い出しますね。役所がうっかり取った一時的なドメインや、配給会社が映画の宣伝で取ったドメインが放棄された後で、そこに検索で来るユーザーやSEOパワーを宛てにした悪徳業者がドメインを取って別のサイトを立ち上げるようなやつ。

テイクアウト業者にとっては、Uber Eats などに掲載されて注文されたものを届ければ、他店を騙るのは非常に簡単でしょう。それを審査するだけのリソースや能力も、デリバリー仲介業者には足りないのかもしれません。

今回の Blowfish Sushi は、住所まで同じ場所でやったために本物に検知されたわけですけど、それにしても開始してから見つかるまでの間には荒稼ぎしていたかもしれませんし、最近はやりのゴーストキッチン形式でやっていたら、さらに見つかるのは遅かったかもしれません。

閉店や廃業のあとに店名やロゴについて監視しているオーナーばかりではないでしょうし、有名店だと思って注文したらニセモノだった、とか、ニセモノだと気づかないまま食べて満足した、なんて事例、アメリカ以外でも今後出てくるのかもしれません。

via The Verge