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ネットの事件

NBAチームのクリーム色のユニフォームが「動く広告が映りこむので」不採用に

アメリカ・バスケットボールリーグNBAのミルウォーキー・バックスで、毎年趣向を変えて作っている第三ユニフォームの色が、技術的な問題から使えなくなったという話です。

チームのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)がツイッターで発信したのは、「クリーム色のユニフォームはもう使ってはいけないことになった。理由はいろいろあるけど言っても納得しない人もいるだろう。できることなら使いたかったとだけ言っておく」

と、なぜクリーム色がダメなのか、はっきり語ることは避けられています。

シティエディション・ユニフォームは、フランチャイズ都市の歴史や文化を表した特別ユニフォームだそうで、その街にちなんだ色やデザインを採用するそう。各チームがこの普段と違うユニフォームを着てプレイする期間があり、熱心なファンならいつものユニフォームと違うこれらのユニフォームや関連グッズも購入するでしょうから、特別ユニフォームのデザイン性や人気はチームの財政にも影響するものと思われます。

また、ミルウォーキー市の愛称は「クリームシティ」ですが、これは街の中心部にクリーム色のレンガを使った歴史的建物が多いことからついた愛称だそうです。そんなことからミルウォーキーのチームとして地元を表すユニフォームをクリーム色にするのはごく自然な発想で、これまでのシティユニフォームで実際にクリーム色は採用されてきました。

しかし、今シーズンからクリーム色は使えなくなった、と。なぜか?

コートの外側に並べられたデジタル広告のためのボードの色がクリーム色に近いため、テレビ中継で選手のユニフォームに広告が載ってしまうことを避けるため、というのが理由のようです。

アイスホッケーのテレビ中継で実際に発生

北米アイスホッケーリーグのNHLのテレビ中継で、実際に懸念された現象が発生している動画があります。

リンクの周囲はデジタル広告のために使われていて、一定時間ごとに表示されるブランド名が変わるのですが、その変更の時などに選手の白いユニフォーム

また、ブランドの切り替え時に広告側にホッケーのスティックやパックが表示される、という不具合の例もありました。これはこれでなぜ起こるのか不思議です。

広告が入るおかげで無料、あるいは安価にスポーツ中継を観ることができる、という点はあるので、ある程度は仕方のないところだと思いますけれど、ユニフォームの色も広告技術の影響を受けてしまうのですね。

今は矩形のボード上を差し替えるぐらいの話ですが、技術が進めば動画上の任意の場所をより正確に判定し、どんな形でもそこに別の画像を載せることもできるようになるでしょうね。そうなってくると、ユニフォームに広告が載るのを避ける、ではなく、ユニフォーム自体が動的に差し変わる広告の載る場所となるようなこともあるのかもしれません。

今もサッカー等のユニフォームにはスポンサーロゴがいくつも載っているのですから、中継で観ている人からはそれらが動いたり、一定時間で差し替えられたりできても、許容範囲となる可能性もありますね。

via Hacker News

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データ可視化

バスケットボール中継のハイライト動画をPythonで作る

Python で NBAハイライト動画を自動生成するという記事が面白かったのでご紹介。

ゲームをまるごと観戦する暇がない時、ハイライト動画を見て済ますスポーツファンは多いでしょう。ハイライト動画は球団やテレビ局などが編集して出してきますが、必ず見られるわけでも、自分が見たい粒度のハイライト動画が必ずあるわけでもないかもしれません。

ノーム・エフラットさん(Noam Ephrat)が自分だけのハイライト動画を自動で作るために使ったのは、Python、NBA公式のAPI、録画したゲーム動画、OCRライブラリ。

NBAのAPI(参考) では何分何秒にどちらのチームの誰がどういうプレイをして、シュートが入ったとか外れたとかいうプレイバイプレイ(play-by-play, PBP)の情報が公開されています。日付、ゲームID、ピリオド(クオーター)を指定するとJSONが返ってきます。これが一つ目の要素。

https://data.nba.net/data/10s/prod/v1/20220201/0022100784_pbp_1.json

そして、録画した動画をフレームごとに切り出して、中継中に表示されたゲーム時計の部分を OCR ライブラリの Tesseract でピリオドやゲーム時間を抽出します。これが二つ目の要素

あとは、プレイバイプレイの重要シーンの発生した時刻に合わせて、動画のフレームを切り出し、切り出したところをつなげていくと、ゲームが動いたところだけがまとまったハイライト動画を作ることができたということ。

ざっと見てみて、プレイバイプレイのデータにあるところだけだと、どうしても点が増えたシュート成功の場面が多くなるのかな、とも思いましたが、人間が編集したハイライト動画でも成功シーンが多いので気のせいかもしれません。

作ったハイライト動画を公開するのは著作権的にだめだと思いますが、個人でハイライトを作って観るのは問題なさそうでは。

自分の基準で抜き出すところを選べるからには、

  • ひいきチームの得点シーンばかりを集めたり
  • 応援する特定の選手の絡むシーンだけを集めたり
  • 点差や時間を考えて、より劇的にゲームが動いたシーンだけを集めたり(これは人が編集する時と似た結果になるかも)
  • 自分の使える時間に応じてハイライト動画の長さを指定して変えたり

など、よりパーソナライズされたハイライト動画を作れる可能性もありますね。

バスケットボールという競技が特に時計が重要で、常時正確な時刻が中継に表示されていることや、APIで提供されるゲームログにも時刻情報がふんだんに含まれているという点も、うまく自動生成にマッチしているというのもありそうですね。

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技術

バスケットボール場の床がLEDディスプレイに。NBAトッププレイヤーの練習も体験できるコート

ナイキが上海に作った、世界初の全面リアクテイブLEDを敷いたバスケットボール・コート。

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「リアクティブ」なので、カメラで撮影したプレイヤーの動作に合わせて表示が反応します。

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NBAコービー・ブライアントのトレーニング・プログラムなどが床に映し出されて、なぞって動くことで同じトレーニングを体験できるのだとか。動作にミスがあった時や動きの良さなどのフィードバックも得られます。

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世界トップレベルの選手の指導を全くの遠隔地で受けられるとか、近くにコーチがいなくても競技場が直接選手のトレーニングを指導するとか、近未来の練習方法かもしれないですね。

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via Geekologie