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イベント情報サービスのUpcoming創業者がYahooからドメインを返還され、もう一回やりなおしを宣言

upcoming-org-teaser

かつて、Upcoming.orgというイベント告知サービスがありました。2003年に開設されたUpcomingは、Web2.0ブームの中で他のイベント情報サービスMeetup.com やEventbrite らと競争しつつ成長し、2005年にはYahoo!に買収されました。

Upcomings創業者のアンディ・バイオ氏は、2007年にはYahoo!を退社したのですが、その後もYahoo!の元でのUpcoming が成長することはなく、昨年2013年にサービスは閉鎖されています。、

ちなみに、2007年のスクリーンショットはこんな感じ。

(credit: Wikipedia)
(credit: Wikipedia)

結果的に、del.icio.us や MyBlogLog らと同様、米Yahoo! が買ったサービスをうまく生かせなかった事例の一つ、ということになってしまいました。

ただ、どうしてかはわからないのですが、今回の閉鎖に関してYahoo! はかなり気前の良いところを見せました。閉鎖した Upcoming.org ドメインを、元創業者のバイオ氏に最低限の値段(ドメイン代?)にて引き渡す提案をしたのです。

バイオ氏はこれを受け入れ、ドメインを取り戻しました。そして今回の Kickstarter による再始動プロジェクトが始まったというわけです。

今回のプロジェクトの大きな違いの一つは、ソーシャルの活用です。Upcoming の初期には、TwitterやFoursquare どころか、Flickrすらも存在しませんでした。新バージョンのUpcoming では、これらソーシャルなサービスとの連動を行い、外部サービスでできることはそちらに任せるように作るということです。

新サイトでは、オープンなAPIの提供やオープンな標準の採用、自分が投稿したデータは自分のものであり続ける、といった方針が維持される予定。そして今回もう一つの大きな約束が、

I won’t sell it again.

「もう二度とUpcomingを売ることはない」との宣言です。

Kickstarterでは$30000(330万円)の呼びかけに対して3倍以上の10万ドル(1100万円)が集まり、バイオ氏はフルタイムで新生Upcoming の開発ができることになりました。来年2015年の公開が予定されているそうです。

via Upcoming, The Social Events Database, Is Planning Its Rise From The Dead – ReadWrite

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Netscape の作者による新 Web2.0 サービス Ning(4) ビジネスモデルは?

Netscape の作者による新 Web2.0 サービス Ning(1)
Netscape の作者による新 Web2.0 サービス Ning(2)
Netscape の作者による新 Web2.0 サービス Ning(3) の続き。

Ning のビジネスモデルについても、FAQ で解説されている

Playground 自身は無料サービスを守り、収入源としては広告とプレミアムサービス(有料による機能強化)を考えているという。必然の結果として、アプリの開発者が Ning 以外の他社の広告を出すことはできない。(商用サービスを作って自分で課金する分にはかまわない)

有料ユーザは広告が出ないとか、より多くの容量を使える、というのはよくある話。Ning の上では、PHP などで書いたアプリも強制的に共有されてしまうが、たとえばこのソースを有料で「隠せる」とかいった課金も考えているらしい。

この、作ったソースが共有されてしまう、というモデルは、実は Ajax が大流行している理由と同じところをついているようにも思う。

Google Map などすごいものを作れるんだけど、それがどう動いているかはあっという間に解析されて類似のサービスが出てくる、というのは、Javascript がソースを隠せないことで起こっている現象だ。

Ning の上に展開された PHP (や Python や Ruby)のコードが強制的に公開されるとなれば、Ning の上でアプリケーションソースコードの大規模な共有が発生し、そこでは衆知が集まったことによるソースコード改善プロセスの高速化が起こらないとも限らない。

Netscape の作者による新 Web2.0 サービス Ning(5) 開発してみる へ続く