Neutral Scent

いきなりこんなネタからというのもなんですが...。

WILLCOMのW-SIM端末「nine」ことWS009KEはWindows PCとのUSB接続に対応していますが、このドライバが(現時点では)Windows Vistaに認識されません。
(ちなみにWindows XP x64 Editionでも認識されないのですが、その件に関してはこちら)

どのみちデータ通信に使えるわけではないので、放置していたのですが、その後結構マメにファームウェアアップデートがリリースされており、そろそろどうにかしたいな、ということでちょっとばかし調べてみました。

結論から先に言うと、infを書き換えるだけで対応できます。
てっとり早く編集済みのnine用Vistaドライバが欲しい方はこちら。

キーポイントは下の情報。

How to use or to reference the Usbser.sys driver from universal serial bus (USB) modem .inf files
http://support.microsoft.com/kb/837637/en-us
WHQL & Logo Newsletter
http://www.microsoft.com/japan/whdc/whql/resources/news/WHQLNews_101606.html
日本語情報はこちらですが、激烈な機械翻訳なのでお勧めしません(「参照する方法方法」ってなんだよ...)。

ようするにusbser.sysを使用するモデム系ドライバのinfファイルは、OSに添付される他のinfファイルをCut&Pasteで作られた物が多く、Vistaで動かないよ、こりゃ困ったね、ということが書いてあるわけですが、指示に従って書き換えるだけで案外簡単に動くようになったりする、ということのようです。

書き換えるポイントは2箇所:

[なんとか.NT]
CopyFiles=FakeModemCopyFileSection

[なんとか.NT.Services]
AddService=usbser, 0x00000000, LowerFilter_Service_Inst

[なんとか.NT.HW]
AddReg=LowerFilterAddReg

↑に、それぞれ「include=mdmcpq.inf」を追加します。

[なんとか.NT]
include=mdmcpq.inf
CopyFiles=FakeModemCopyFileSection

[なんとか.NT.Services]
include=mdmcpq.inf
AddService=usbser, 0x00000000, LowerFilter_Service_Inst

[なんとか.NT.HW]
include=mdmcpq.inf
AddReg=LowerFilterAddReg

次に、以下のブロックを削除します。

[FakeModemCopyFileSection]
...

[LowerFilter_Service_Inst]
...

[LowerFilterAddReg]
...

nineのドライバの場合まとまってるのでバッサリ。
書き換えは以上です。
あとは、保存した書き換えinfファイルをドライバとして指定してやるだけでnineは認識します。うちで試した限りではファームの更新も問題なくVista(x86)からできました。
あ、ちなみに、nineのドライバはインストーラー付きでVistaで実行するとインストール失敗するので、infファイルがコピーされません。なので、今回はインストーラー実行直後にインストール先に一瞬コピーされるinfディレクトリを、インストーラーのロールバックで消される前にコピーするという荒業で取り出しています。本来ならXPマシンにインストールして取り出すのが安全ですね...。

nineの場合に限らず、この手法で対応できるドライバは少なからずあると思われますので(だからKBが出てるわけだし)、もしお手持ちの携帯電話や通信機器、USBデバイスがVistaで動かないと悔しい思いをされておられるならば、一度挑戦してみる価値があるかもしれません(当然自己責任で)。

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編集済みの、Windows Vista対応(ついでに64bit版Windowsも対応)のWS009KEドライバ(inf)のダウンロードはこちらから。→ DOWNLOAD

当然ながら一切の動作保証などはいたしません。全て自己責任で。
また、元になったinfファイルは2007年04月時点の物(Version 1.2.6.0)です。