ブラジルで黒人女性の権利を守る団体 Criola が、ツイッター上での人種差別を「活用」したキャンペーンを行なっています。
ツイッターやフェイスブック上で見つけた人種差別的な発言を、その発言した人のがいる街近くに大きく掲示するというものです。
ツイッター等での発言にはスマートフォンなどのGPSから位置情報がついていることがあるので、その位置に近い場所にある協力企業等の広告看板にそれを掲示しています。
ドメイン名・キャンペーンで出てくる”Racismo Virtual. As Consequencias Sao Reais.” は、「バーチャルでの人種差別でも、結果は現実です」という意味のようですね。
たとえばこのツイート、「私は風呂に入ったので、汚いから近づくな」といったような意味っぽいです(機械翻訳で)。
このキャンペーンは、7月3日の人種差別撲滅デーに、女性ジャーナリスト、マリア・ジュリア・コーチンホ氏のフェイスブックに対して書かれた4人の人種差別コメントと、数千人のブラジル人がそれに反対して声を挙げた事件がきっかけで起こされたと説明されています。
アイコンや名前のところは伏せてあるし、個人を晒すことが目的ではない、ということなんですが、本文でウェブ検索すると元のツイートも見つかったりしますね。英語での紹介記事を読んで元発言者らしき人に突撃リプライしている方も。
@bianco_larinha @RoyalRenan @negrinho_22 @g1rs You're famous in America, too! Too bad it's for racism, though. 🙁 https://t.co/Gj7YcbuhGr
— Jason (@cornerofjustice) November 30, 2015
「人種差別コメントを書き込む前に、それが引き起こす影響について一考してほしい」という動機のようですが、どうでしょう。ちょっとギリギリ過ぎな感じもあるのですが。
ソーシャルメディア上での発言は、炎上した時にはまったく知らない人たちにまでどんどん拡散していってしまいますが、屋外の大看板に掲示されるというのはそれと似たところがあるかもしれません。いつもやりとりしている仲間とだけ内輪で喋っているつもりかもしれなくても、実際には外で大声で叫んでいるのと変わらない場合があるよ、という学びにはなるかもしれませんが。
via ITV News